【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】14話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 千夏は、自殺を決行するため、「調子が良い」と嘘をついて夫の涼太を一人で外出させました 。
- 涼太を送り出した後、千夏は遺書を書き、決行場所である街で一番高いマンションへと向かいました 。
- 道中、一度は「生きよう」と思いとどまりますが、再び死への誘惑に負けてしまいました 。
- マンションの屋上から生まれ育った街を見下ろし、家族への謝罪と別れの言葉を告げ、まさに身を投げようとしました 。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】第14話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、ついにマンションの屋上から身を投げようとした主人公・千夏。第14話は、その絶体絶命の危機にかかってきた一本の電話から始まります。それは、彼女の命を繋ぎ止めるための、夫・涼太の必死の叫びでした。この記事では、息もつかせぬ救出劇と、その先に待っていた残酷な現実を、ネタバレありで徹底的に解説していきます。
絶望の淵で鳴り響く、命の電話
「さようなら…」と呟き、まさに身を投げようとしたその瞬間、千夏のポケットで携帯電話が鳴り響きます 。それは、涼太との最後の別れの際、彼がこっそりとポケットに忍ばせたものでした。
最期の瞬間の着信
電話に出ることを決めたのは、「最期にもう一度だけちゃんと自分の言葉で感謝を伝えたい」という、彼女の身勝手な想いからでした 。しかし、電話口から聞こえてきたのは、安否を気遣う優しい声ではありません。血相を変えた涼太の「今どこにいるの?」という絶叫でした。
夫の機転と、生きるための「治療法」
状況を瞬時に察した涼太は、電話越しに必死の説得を試みます。
「絶対に死なないで!!!」
「やめてやめて 絶対にやめて!!!」、「頼むからやめて絶対に死なないで!!!!」 。涼太の悲痛な叫びに、千夏も「私だって本当は死にたくない」「でもどうしたってダメなの」と泣きじゃくります 。彼女はもはや自分をコントロールできず、脳に殺されるのだと訴えるのでした 。
「眠らせて治療する方法がある」
絶望する千夏に対し、涼太は一つの希望を提示します。それは、患者を数カ月眠らせて治療する方法があるという話でした 。スポーツ選手でその治療法によって克服した人がいること、周りも自分も苦しめることなく治療ができることを伝え、「必ず治るから」と力強く約束します 。
夫の誘導と、再びの閉鎖病棟
涼太は電話越しに、千夏を屋上の淵から遠ざけようと、冷静に、しかし必死に誘導を続けます。
一歩、また一歩と、生へ
「今右足動かせる?」、「じゃあ一歩だけその場から離れよう」、「右足を後ろにひいて」 。彼の力強い声に導かれるように、千夏は一歩、また一歩と安全な場所へと戻っていきます。そして、夫に誘導され、彼女はもう二度と踏むことはないと思っていた地面に、再びその足で立ったのです 。
セカンドオピニオンという選択肢
無事に千夏が地面に降り立った後、事態は急速に動き始めます。涼太は千夏の実家とアパートで荷物をまとめ、車である場所へと向かいました。実は涼太は、千夏の体調が悪化した頃からセカンドオピニオンとして他の病院も探していたのでした 。
絶望の再来、そして身体的拘束
しかし、二人が行き着いた先は、あまりにも残酷な場所でした。
行き着いた先は、また「S総合病院」
この地域では精神科で入院できる病院は数が限られており、結局行き着いた先は、あの悪夢のようなS総合病院だったのです 。救命救急センターに運ばれた千夏は、「マンションからの飛び降り未遂」として処理されます 。
「もう見知った場所だから安心でしょう?」
そして、彼女は再びG棟、あの閉鎖病棟へと連れて行かれました 。出迎えた看護師は「久しぶり橘さん 3週間ぶりくらい?」、「もう見知った場所だから安心でしょう?」と、嘲るかのような言葉を投げかけます 。
「私はもうここから動けない」
抵抗する気力も失った千夏は、促されるままに暗い廊下を歩いていきます 。そして、彼女の腕には識別バンドが巻かれ、ベッドの上で身体的拘束をされることになったのです 。
「私はもうここから動けない」
絶望的なモノローグで、物語は幕を閉じます。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】14話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、息もつけないほどの緊張感と、夫・涼太の深い愛情に心を激しく揺さぶられました。絶体絶命の状況で、電話越しに冷静かつ力強く妻を導く涼太の姿は、まさにヒーローそのものです。「だって俺たちは夫婦だろ」という、以前の彼の言葉の重みを改めて感じさせられました。
涼太が提示した「眠らせて治療する」という方法は、千夏にとっても、私たち読者にとっても大きな希望の光でした。しかし、その希望が見えた矢先に、再びあのS総合病院の閉鎖病棟に連れ戻されてしまう展開は、あまりにも残酷で、絶望的な気持ちになります。
特に、看護師の「もう見知った場所だから安心でしょう?」というセリフには、強い憤りを覚えずにはいられません。患者の心を平気で踏みにじる無神経さ。このような環境で、本当に人は回復に向かうことができるのでしょうか。精神医療のあり方について、深く考えさせられます。
最後の「私はもうここから動けない」という千夏のモノローグ。それは、物理的な拘束だけでなく、彼女の心が完全に囚われてしまったことを意味しているようで、胸が張り裂けそうでした。涼太が探していたセカンドオピニオンや、新たな治療法は、この絶望的な状況を覆すことができるのか。次の展開を固唾を飲んで見守りたいと思います。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】14話のネタバレまとめ
- 身を投げようとした瞬間、涼太からの電話で一命を取り留めた千夏 。
- 涼太は電話越しに「眠らせて治療する方法がある」「必ず治る」と必死に説得し、彼女を屋上から降ろすことに成功しました 。
- 涼太はセカンドオピニオンを探していましたが、受け入れ先が見つからず、結局再びS総合病院の救命救急センターに運ばれました 。
- 千夏は「飛び降り未遂」として、再び閉鎖病棟へ収容され、身体的拘束を受けてしまいました 。
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