【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】17話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 千夏は24時間以上にも及ぶ身体拘束によって、肉体的にも精神的にも限界を迎えていました 。
- 助けを求める彼女の声は看護師に届かず、「拷問」のような時間を過ごしました 。
- 唯一の希望だった看護師にさえ、「でたらめなことばかり言っていたら誰も相手にしてくれなくなる」「オオカミ少年じゃないですか」と冷たく言い放たれてしまいました 。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】第17話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、信頼していた看護師から「オオカミ少年」と罵られ、完全に孤立してしまった主人公・千夏 。第17話では、そんな彼女の前に意外な人物が再び現れます。そして、夫・涼太のついた優しい「嘘」の告白と、主治医・宇田川による真摯な対話によって、五里霧中だった治療は、ついに新たな局面を迎えることになります。
この記事では、「妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~」第17話のあらすじを、ネタバレありで徹底的に解説していきます。
絶望の中での「再会」と心の変化
看護師・延岡(箕岡)の「でたらめなことばかりいってたら誰も相手にしてくれなくなるんですよ?」という言葉は、千夏の心に深く突き刺さります 。彼女の目には、患者をいたわる色などなく、明らかな「嘲笑」と「蔑み」が浮かんでいました 。
夫・涼太の来訪
絶望の淵にいた千夏の前に、夫の涼太が面会にやってきます。身体拘束は家族の面会中は解除されるため、千夏は久しぶりに自由な体を取り戻すことができました 。涼太は、世間で話題になっていることや、息子・翼の様子、義母の体調などを優しく語りかけ、閉ざされた世界にいる千夏の心を、必死に解きほぐそうとします 。
優しい「嘘」と、本当の「安堵」
会話の中で、涼太は千夏に、ある重大な告白をします。
涼太がついた「でまかせ」の告白
涼太は、千夏がマンションの屋上から飛び降りようとした際に語った、「眠らせて治療する方法」について切り出します。「あの時俺も電話ででまかせをクチにした」と、あの話が実は咄嗟に出た**「作り話なんだ」**と涙ながらに謝罪するのでした 。
「なぜかホッとしてるんだよ」
しかし、涼太の謝罪に対し、千夏は意外な言葉を口にします。「不思議で仕方ないんだけど なぜかホッとしてるんだよ」 。あんなに死にたかったのに、今こうして生きていることに、彼女の心の中では「生きて良かった」という気持ちが確かに芽生えていたのです 。その安堵感は、涼太を困惑させるほどでした 。
主治医・宇田川との対話、そして治療の光
そこへ、主治医の宇田川が病室を訪れます。彼の登場によって、事態は大きく動き始めます。
豹変したかのような主治医
宇田川はまず、千夏が自殺を図ったことを「なんてバカなことをしたんですか」と厳しく叱責 。そして、自死遺族がその後の人生で負うことになる、地獄のような苦しみについて、時間をかけて説いたのです 。その真摯な態度は、以前の冷徹な彼とはまるで別人でした 。
病の核心に迫る質問
宇田川は、今後の治療方針を決めるためとして、千夏の過去にさかのぼって質問を開始します 。元漫画家だった頃の心身の不調や、その際に処方された薬について、こと細かく聞き取りを行いました 。
そして、最後に彼は、千夏の病の正体を突き止めるための、最も重要な問いを投げかけます。
「あなたの頭の中には あなた以外の誰かがいますか?」
「ああしろこうしろと命令してくる声が聞こえたりはしますか?」
処方薬は、12種類から1種類へ
この質問への千夏の返答が、決定的な判断材料となりました。宇田川の治療方針は大きく転換。これまで12種類も処方されていた薬は、たった1種類の薬にまで減らされることになったのです 。
長く暗いトンネルの先に、ようやく一筋の光が差し込もうとしていました。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】17話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、物語が大きく動き出す、非常に重要なターニングポイントとなる回でした。特に、涼太の「作り話」の告白と、それに対する千夏の「ホッとしている」という反応は、人間の心の複雑さと、どんな絶望の中にも生きようとする力が宿っていることを感じさせ、深く印象に残っています。
主治医・宇田川の態度の変化には本当に驚かされました。前回までの冷酷な姿は、もしかしたら彼の治療法の一つだったのかもしれません。最初に自死の愚かさを厳しく説いたのは、千夏に「生」への意識を強く持たせるためだったのでしょう。その後の丁寧な問診は、ようやく本当の治療が始まるのだという希望を感じさせてくれました。
「あなたの頭の中に、あなた以外の誰かがいますか?」という最後の質問。これは明らかに幻聴の有無を尋ねており、統合失調症などの可能性を探っているのだと思われます。この問いが、千夏の病名を特定し、正しい治療へと導く大きな一歩になったことは間違いありません。12種類もの薬がたった1種類になるという劇的な変化は、これまでの治療がいかに的外れだったかを示唆しています。正しい診断と治療の重要性を、改めて痛感させられました。ようやく光が見えてきた千夏の未来に、心からエールを送りたいです。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】17話のネタバレまとめ
- 看護師から「オオカミ少年」と罵られた千夏でしたが、夫・涼太の面会によって一時的に拘束を解かれました 。
- 涼太は、千夏を救うために語った「眠らせて治療する方法」が嘘だったと告白しましたが、千夏はその言葉に安堵を覚えていました 。
- 主治医の宇田川が、これまでの態度とは一転して真摯に千夏と向き合い、過去の経緯を詳しく聞き取りました 。
- 宇田川の「あなた以外の誰かがいますか?」という核心的な質問をきっかけに、千夏の治療方針は大きく転換し、12種類あった薬が、たった1種類にまで減らされることになりました 。
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