【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】18話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 看護師から「オオカミ少年」と罵られ、孤立していた千夏でしたが、夫・涼太の面会によって一時的に拘束を解かれました。
- 涼太は、千夏を救うために語った「眠らせて治療する方法」が嘘だったと告白しましたが、千夏はそれに安堵を覚えていました。
- 主治医の宇田川が真摯に千夏と向き合い、過去の経緯を詳しく聞き取りました。
- 宇田川の核心的な質問をきっかけに、千夏の治療方針は大きく転換し、12種類あった薬が、たった1種類にまで減らされることになりました。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】第18話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、主治医・宇田川によって、ようやく正しい治療の道筋が見え始めた主人公・千夏。第18話では、その新しい薬の驚くべき効果と、それに伴う千夏の心の変化、そして未来への確かな希望が描かれます。絶望の闇に差し込んだ、温かい光の物語です。
この記事では、「妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~」第18話のあらすじを、ネタバレありで徹底的に解説していきます。
新しい薬、そして病名の「可能性」
宇田川医師による治療方針の大転換。それは、千夏の病の正体に迫る、大きな一歩でした。
統合失調症の可能性の否定
宇田川医師は、千夏に処方した新しい薬について説明します。それはSSRIと呼ばれる、うつ病治療の第一選択薬としてポピュラーな抗うつ薬でした 。そして、彼は千夏にこう告げます。「あなたはそらく統合失調症ではありません」 。幻聴がないことが、その大きな理由でした 。
脚の震えの原因
千夏を長らく苦しめてきた脚の震えについては、以前飲んでいた統合失調症の薬の副作用である「不随意運動」の可能性があると指摘します 。ただし、妊娠中から症状があったため、完全な原因とは断定できないとも付け加えました 。
「前例がない」という不安と、夫の支え
病の正体が見え始めた一方で、新たな不安も生まれます。
手探りの治療
薬を1種類に絞り、シンプルな状態で様子を見たいという宇田川医師 。しかし、効果が現れるのは「数カ月単位」と時間がかかり 、そもそも妊娠出産で千夏のような状態になる患者は「前例がないんだ」と告げます 。精神科医でさえ手探り状態であるという事実は、千夏に大きな不安を抱かせました 。
家族のイベントと、母性の芽生え
面会に来た涼太は、延期になっている息子・翼のお宮参りとお食い初めの話を切り出します 。千夏のタイミングに合わせるといつになるかわからないから、家族だけで先にやってほしいと気遣う千夏 。その言葉を聞きながら、彼女は天井を見つめ、息子の成長に思いを馳せるのでした。
「治りたい」―心の底からの叫び
涼太が帰り、再び一人になった千夏の心に、ある強い感情が湧き上がってきます。
翼の成長と焦り
「私がこうして天井を眺めつづけている間にも 翼はどんどん成長していく」 。ハイハイを覚え、言葉を話せるようになり、自分の世界を広げていく息子。その成長の世界に、母親である自分がいなくなる未来を想像し、千夏は恐怖に襲われます 。
「あの子の母親になりたいよ…!!!!」
「ずっと閉鎖病棟で…私はおかしいままで」「離れ離れが続いて翼の世界に私はいなくて」。そんな未来は絶対に嫌だ。絶望の中、千夏の心から、回復への強い願いがほとばしります。
「治りたい……」
「ちゃんと私が翼を育てたい」
「あの子の母親になりたいよ…!!!!」
それは、彼女の心の底からの、魂の叫びでした。
言葉という名の「優しい薬」
その夜、千夏の心の叫びを聞きつけた、一人の看護師がいました。
男性看護師との対話
見回りに来た男性看護師が、千夏のただならぬ様子に気づき、「僕で良ければ話を聞きますよ」と優しく声をかけます 。彼は、堰を切ったように話し出す千夏の言葉に、ただ静かに、そして真摯に耳を傾け続けました 。
「治りますよ」「賭けてもいいです」
息子のお宮参りに自分がいられないかもしれないと嘆く千夏に、看護師は力強く、そして温かく言い放ちます。「
何いってるんですか 治りますよ」 。そして、「橘さん治らなかったら僕頭丸刈りにでもしましょうか?」と冗談を言って彼女を和ませ、「
賭けてもいいです」「治って笑顔で退院できる!」と断言するのでした 。
変化の訪れ
「あんなに乱れていた私の心を落ち着かせて眠らせてくれたのは 間違いなくあの男性看護師の言葉だった」 。それは副作用のない、「言葉という優しい薬」でした 。そして、彼女の閉鎖病棟での日々に、少しずつ、しかし確かな変化が訪れ始めるのです 。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】18話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、絶望の底から一筋の光が差し込む、非常に感動的な回でした。特に、千夏が「治りたい」「あの子の母親になりたい」と心の底から叫ぶシーンは、彼女の中に母性が確かに残っており、再び力強く燃え上がろうとしていることを感じさせ、胸が熱くなりました。
涼太のどこまでも深い優しさも、心にしみました。千夏の気持ちを第一に考え、お宮参りを待とうとする彼の姿は、理想の夫そのものです。
そして、何と言っても男性看護師の存在が、この物語の大きな救いとなっています。彼の言葉は、ただの気休めや励ましではありません。患者の心を深く理解し、寄り添い、そして未来への具体的な希望を与える、まさに「心のケア」そのものでした。「治りますよ」というシンプルで力強い一言が、これほどまでに人の心を救うものかと驚かされました。
「言葉という優しい薬」という表現が、本当に素晴らしいです。薬物治療だけでなく、人との温かいコミュニケーションがいかに大切かを教えてくれます。これまで冷淡な医療従-事者ばかりが描かれてきただけに、彼の存在は千夏にとっても、読者にとっても大きな救いです。ようやく本当の意味での「治療」が始まったのだと感じ、今後の展開に大きな希望が持てる、そんな一話でした。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】18話のネタバレまとめ
- 宇田川医師は、千夏がおそらく統合失調症ではないと診断し、薬を抗うつ薬1種類に絞りました 。
- 治療は「前例がない」ため数カ月単位になると告げられ、千夏は息子に会えない未来を思い不安になりました 。
- 絶望の中、千夏は「治りたい」「あの子の母親になりたい」と、心の底から回復への強い意志を固めました 。
- その夜、男性看護師が千夏の話に親身に耳を傾け、「治りますよ」と力強く励ましました 。
- その「言葉という優しい薬」によって千夏の心は落ち着きを取り戻し、閉鎖病棟での日々に変化が訪れ始めました 。
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