【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】25話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 回想シーンで、千夏が「母親になりたい」という純粋な夢を育んでいった過程が描かれました。
- しかし、外泊を繰り返しても発作は治まらず、出口のないループに絶望していました。
- 千夏は、夫と離婚して息子の前から自分の存在を消すことを決意しました。
- 彼女の最大の恐怖が「原因がわからない」ことであり、「病名がほしい」「これは『病気』であってほしい」と心の底から願っていました。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】第25話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、「病名がほしい」と切望し、原因不明の恐怖という暗闇の只中にいた主人公・千夏。第25話では、ある日常的な体の変化をきっかけに、彼女自身が病の正体に迫る大きな「手がかり」を発見します。それは、長かったトンネルの出口を示す、希望の光となりました。
この記事では、「妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】第25話のあらすじを、ネタバレありで徹底的に解説していきます。
回復の兆しと、見過ごされたサイン
11月11日、千夏の体に、ある変化が訪れます。
産後2度目の生理
それは、産後2度目の生理でした。看護師の高坂との会話の中で、千夏は前回の生理が「二度目の入院をしてきたあの夜」だったことを思い出します。あの時も、身体拘束という地獄の中で、不思議と心が静かだった夜がありました。
体調の劇的な変化
そして今回も、生理が始まると同時に、千夏の心身には劇的な変化が訪れます。「吐き気がほとんどない」「ずっと悩まされていた胃の不快感が…」「全体的に体が静かだ 感覚がクリアだ」。
その変化は明らかで、彼女は入院以来初めて、デイルームで他の患者たちと一緒に朝食をとることができました。そして、久しぶりに食事を「てか美味しい!」と感じられたのです。
日常への復帰と、過去との符合
体調が回復したことで、千夏はこれまでできなかった「日常」を少しずつ取り戻していきます。
テレビとコンビニという「非日常」
あれほど情報量の多さに怯えていたにもかかわらず、他の患者たちと談笑しながら朝の連続テレビドラマを観られる。ナプキンを買うために、看護師に付き添われて下の階のコンビニへ買い物に行く。
「怖くても飲み込まれそうにならない」。私を覆っていた真っ黒で分厚い「恐怖」の膜が薄くなっていることを、彼女は確かに実感していました。
身体拘束中の「落ち着いていた時期」
そんな中、千夏はふと過去のある出来事を思い出します。あれほど地獄だった最初の身体拘束中、なぜか「人心地を取り戻せて落ち着いていた時期があった」。そして、前回の外泊で発作を起こす前の、比較的穏やかだった時期。それらのタイミングと、自身の生理周期が、奇妙に一致することに気づいたのです。
病の正体は「女性ホルモン」?
この発見は、千夏に一つの仮説を立てさせました。
生理周期と気分の「ループ」
自分が「ループ」だと感じていた気分の波。それは、生理周期と連動しているのではないか? 「生理が始まると落ち着いて しばらくして排卵期をすぎるとまた不安定になる…」。素人の推測に過ぎないと思いながらも、無関係だとは到底思えませんでした。
強烈すぎる「生理前の精神症状」
友人の中にも、生理前にイライラしたり、些細なことで泣いてしまったりする子もいました。自分の症状は、その「ものすごく強烈なやつ」なのではないか?しかし、千夏はすぐにその考えを打ち消します。「いくらなんでも重篤さがすぎやしないか」。だって私は、本当に死にかけて、何度も自分を殺そうとしたのですから。
「怪物」の正体
それでも、この仮説は、暗闇の中に差し込んだ、初めての確かな光でした。
やっと見つけた手がかり
妊娠、出産、そして生理。これらすべてに関わる、女性特有の体内分泌物。
「私を…脳を支配して人間じゃなくしていたのは 『女性ホルモン』だったの…?」
千夏は、自分を操っていた得体の知れない怪物の正体が、おそらく「女性ホルモン」であると確信します。それは、あまりにも身近な存在でありながら、今の彼女にとっては「得体の知れないふたつの顔を持った怪物のように思えた」のでした。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】25話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、ミステリー小説の謎が鮮やかに解き明かされるような、非常にカタルシスのある回でした。原因不明の恐怖に苦しんできた千夏が、自らの冷静な観察力と洞察力で、病の正体へと迫っていく姿に、思わず「すごい!」と声を上げたくなりました。
生理という、女性にとって最も日常的で身近な現象が、これほどまでに人の精神を揺るがし、狂わせる元凶になり得るという事実に、改めて衝撃を受けます。これは、PMS(月経前症候群)や、より重篤なPMDD(月経前不快気分障害)を示唆しているのでしょう。多くの女性が程度の差こそあれ経験する不調が、産後という特殊な体の状態と重なることで、ここまで深刻化する可能性があるという事実は、広く知られるべきだと強く感じました。
「原因がわからない」ことが一番の恐怖だった彼女にとって、たとえその正体が「女性ホルモン」という、あまりにも身近で巨大な存在だったとしても、「原因の可能性」を見つけられたことは、何よりも大きな希望になったはずです。
「得体の知れない怪物」と化した女性ホルモン。この強大な敵の正体を突き止めた千夏は、これからどう立ち向かっていくのか。ようやく反撃の糸口を掴んだ彼女の、次なる一手に心から期待したいです。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】25話のネタバレまとめ
- 産後2度目の生理を迎えた千夏は、それと同時に心身の調子が劇的に良くなっていることに気づきました。
- 回復したことで、テレビを観たり、他の患者と買い物に行ったりと、閉鎖病棟での「日常」を取り戻し始めました。
- 過去の体調の波と生理周期が連動していることに気づき、千夏は自分の症状の原因が「生理前の精神症状」の強烈なものである可能性を考え始めました。
- 千夏は、自分を狂わせていた怪物の正体が、妊娠・出産・生理すべてに関わる「女性ホルモン」だったのではないかという、一つの結論に至りました。
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