【娘の命を奪ったやつを殺すのは罪ですか】11話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 玲子は、次の復讐のターゲットとして、沙織の夫である新堂議員の背後にいる、政界のドン・田代議員に、介護士の経歴を偽って計画的に接近しました。
- その一方で、殺人罪で服役していた玲子の夫・健司が10年以上の服役期間を終えて出所し、行方不明になっていることが、彼の弁護士からの電話で明らかになります。
- 玲子は、田代と新堂によって酒に薬物を混入され、罠にはめられてしまいますが、その絶体絶命の危機を、行方不明だったはずの夫・健司によって、その姿を見せることなく救われました。
- 復讐のターゲットの一人であった彩は、不倫が原因で離婚し、水商売の世界に身を落とすという末路を辿ります。そして、最後のターゲットである沙織は、玲子が愛人業を営んでいるという情報を手に、彼女を直接脅迫し始めました。
- 物語のラストで、玲子の前に、死んだはずの娘・優奈と瓜二つの女性が、マンションの隣人として引っ越してくるという、あまりにも衝撃的な展開で幕を閉じます。
【娘の命を奪ったやつを殺すのは罪ですか】第11話をネタバレありでわかりやすく解説する
前話において、玲子の目の前に突如として現れた、死んだはずの娘・優奈と瓜二つの謎の女性。第11話では、この不可解な出来事が、復讐に生きる玲子の心を大きく揺さぶり始めます。さらに、これまで唯一の協力者だと信じてきた人物の、信じがたい裏切りが発覚。玲子の復讐劇そのものの正当性をも根底から揺るがす、衝撃の事実が次々と明らかになる、息もつかせぬ回です。
過去からの亡霊 – 謎の隣人・神尾明日菜
死んだはずの娘との再会
物語は、玲子が住むマンションの隣室に、新たな住人が引っ越してくるところから始まります。「隣に越してきた神尾です」。そう言ってにこやかに挨拶する女性の顔を見た瞬間、玲子の世界の時間は完全に停止しました。そこに立っていたのは、数年前に非業の死を遂げたはずの、最愛の娘・優奈と寸分違わぬ顔を持つ女性だったのです 。
「優奈…?」あまりの衝撃に、玲子は声も出せず、ただ呆然と立ち尽くすばかり 。女性は「神尾明日菜(かみおあすな)」と名乗り 、玲子の動揺には全く気づいていない様子で、人懐っこく引っ越しの挨拶を続けます。
しかし、玲子の心臓は激しく波打ち、思考は完全に麻痺していました。「そんなわけない」「でもあまりにも似てる…」 。壁一枚を隔てたすぐ隣に、娘と全く同じ顔を持つ人間が存在するという、あまりにも非現実的な事実は、彼女の鋼のような冷静さをいとも容易く奪い去っていきました。
築かれる隣人としての関係
明日菜と名乗る女性は、その後も屈託のない笑顔で、何かと理由をつけては玲子に接触を図ります。「このへんでおすすめのスーパーってありますか?」と尋ねてきた彼女は 、ごく自然な会話の流れで、自らの家庭環境を明かしました 。
後日、明日菜は「玲子さんに教えていただいた花屋さんで買ってきたんです」と、美しい花束を手に玲子の部屋を訪れます 。そして、「ウチのベランダの手すりが腐食してて…」と相談を持ちかけ 、玲子から管理会社への申請方法を教えてもらうという形で、自然に彼女の部屋に上がり込みます 。
彼女の振る舞いには悪意や計算といったものは感じられず、むしろ純粋に玲子を頼り、慕っているかのようにさえ見えました。
ストーカーの影と明かされる過去
明日菜の告白
明日菜は、玲子と打ち解ける中で、自らの辛い過去について語り始めます。「実は…前に住んでいた所でストーカーに遭っていて」「それで夫と一緒にこっちに引っ越してきたんです」 。彼女は、その恐怖から、本当は働きに出たいのに、心配性の夫から外出を止められているのだと、悲しげな表情で打ち明けます 。
この「ストーカーに怯えるか弱い女性」という彼女の告白は、玲子の同情を引くのに十分でした。同じ女性としてその恐怖に共感した玲子は、彼女の身を案じ、少しずつ心を許していきます。
忍び寄る新たな脅威
そんな中、玲子の元に、優奈の夫・明彦から電話がかかってきます 。電話口で聞こえる、元気そうな圭太の声は、復讐に生きる玲子の心を一瞬和ませます 。
しかし、明彦が語ったのは、「最近ウチで変なことが多いんです」「無言電話が掛かってきたり家の近くに怪しげな車が停まっていたり…」という、にわかに信じがたい不穏な内容でした 。玲子の復讐劇とは全く別の場所で、彼女が最も大切に思う家族にも、正体不明の脅威が静かに、そして着実に忍び寄っていました。
明かされる真実 – 協力者の裏切りと復讐の真相
落ちぶれたターゲットとの再会
玲子は、次なる計画のため、彩が現在働いているという情報を掴み、彼女が勤める店の開店前に足を運びます。その華やかだった面影もなく、水商売の女性として客を待つ彩の姿。「あんたか…なんの用?」と警戒心を露わにする彩に、玲子は単刀直入に切り出します。「新堂さんとどういう関係なんですか?」。
すると、彩は自暴自棄になったように、衝撃の事実をまくし立て始めます。彼女は、以前から田代や新堂が客として来ていたクラブで働いており、彼らとは旧知の間柄だったのです。
全ての元凶 – 由紀子の裏切り
彩の告白は、玲子の心に新たな、そして致命的な疑問を抱かせます。沙織は、いつから夫の不倫に気づいていたのか。そして、全ての計画は、本当に自分一人が描いたものだったのか。言い知れぬ不安に駆られた玲子は、彩のスマホのデータから、沙織の息子・祐介の誕生日会の録画映像を発見します。
優奈がケーキを運び、バランスを崩して転倒する、あの全ての悲劇が始まった瞬間 。映像をスロー再生した玲子の目に、信じがたく、そしてあまりにも残酷な光景が飛び込んできました。優奈の足元に、まるで蛇のように意図的に伸ばされた、一本の足。
それは、これまで玲子の唯一の協力者であり、優奈の死の真相を涙ながらに教えてくれた、あのママ友・由紀子のものだったのです 。
「優奈さんの足を引っかけたのはあなただったのね」
「仕方なかったの…やらないと私がいじめられてた…」 。由紀子の涙ながらの言い訳が、悪夢のように響き渡ります。しかし、それはもはや同情の対象ではありません。心の底から信頼していた人間からの、あまりにも残酷な裏切り。玲子の復讐の物語は、その正当性という根底から、大きく覆されてしまったのです。
ストーカーの正体 – 夫・健司の影
最後のピース
由紀子からの裏切りに打ちひしがれる玲子の元へ、何も知らない様子の明日菜が訪れます。彼女は、例のストーカーの件で、警察や弁護士に相談したが全く助けてもらえなかったと不安げに語り 、玲子に一枚の写真を差し出します。「この男がストーカーです」「近くで見かけたら連絡していただけませんか?」 。
その写真に写っていた人物の顔を見た瞬間、玲子の心臓は凍りつきました。そこに写っていたのは、3年前に出所したはずの、10年以上顔も見ていない、夫・健司だったのです 。
「刑務所にいた健司がストーカーできるはずがない…」 「やっぱりあの男は夫だった」
明日菜がストーカー被害を訴えていたのは3年前から 。しかし、夫の健司が刑務所にいたはずの期間と重なります 。矛盾した事実に玲子は混乱しますが、昨夜自分を助けたのが健司であったことを思い出し、彼が自分と明日菜の周辺にいることを確信します。
そして、彼がかつて発した「あいつは危険だ」という警告の言葉が、脳裏に蘇るのでした 。全てのピースが繋がった瞬間、玲子は自らが、さらに巨大で、そして底知れない悪意の渦の中にいることを悟るのでした。
【娘の命を奪ったやつを殺すのは罪ですか】11話を読んだ感想(ネタバレあり)
第11話は、これまでの物語で築き上げられてきた前提や信頼関係が、次々と音を立てて崩壊していく、まさにジェットコースターのような衝撃的な展開でした。
特に、協力者だと思っていた由紀子が、実は優奈を不幸に陥れた元凶の一人であったという事実は、あまりにも衝撃的で、読んでいるこちらの心まで深く抉られるようでした。この物語には、単純な「善」や「悪」など存在せず、誰もが保身のためには平気で他人を裏切る、人間の醜い本質が描かれているのだと、改めて痛感させられます。
そして、死んだはずの娘と瓜二つの女、明日菜の存在。彼女自身に悪意は感じられないものの、彼女をストーキングしているのが玲子の夫・健司であるというラストの展開は、物語を全く予測不能な方向へと導きました。
彼女は一体何者で、なぜ優奈と瓜二つなのか。そして、行方不明だったはずの夫・健司は、なぜ明日菜を追い、そして玲子の前に直接姿を現さず、影で彼女を守るような、不可解な行動を取るのか。彼の口から語られた「新堂幹久は危険だ」という言葉の、本当の意味とは一体何なのか。
これまで、玲子が復讐の主導権を握り、ターゲットたちを翻弄してきましたが、この11話で、その構図が大きく変わったように感じます。玲子自身が、何者かの描いた、さらに巨大で、そして悪意に満ちたシナリオの上で、知らず知らずのうちに踊らされているだけなのかもしれない。
そう思わせるほどの、底知れない恐怖を感じました。全ての謎が、新堂幹久という、まだ底が見えない男に繋がっていく。物語は、ついに真の黒幕との対決へと、大きく舵を切ったと言えるでしょう。
【娘の命を奪ったやつを殺すのは罪ですか】11話のネタバレまとめ
- 玲子の隣の部屋に、死んだはずの娘・優奈と瓜二つの女性、「神尾明日菜」が引っ越してきます 。
- 明日菜は、ストーカー被害に遭っているという身の上話を玲子にし、玲子は彼女に同情し、信頼関係を築いていきます 。
- 玲子は彩と再会し、彼女が新堂や田代と旧知の間柄であったことを知ります 。
- 隠し撮りされていた映像を再確認した玲子は、優奈がケーキをこぼす悲劇の原因となったのが、協力者だと信じていたママ友・由紀子の意図的な妨害であったという、衝撃の事実を発見します 。
- 物語のラストで、明日菜が語っていたストーカーの正体が、玲子の夫・健司であることが判明。明日菜と健司、そして玲子を巡る謎がさらに深まるのでした 。
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