【娘の命を奪ったやつを殺すのは罪ですか】8話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 新たな復讐のターゲットとして、家庭を顧みず、亡き優奈を「泥棒猫」と罵るなど、悪意に満ちた言動を繰り返していた葛西夫妻が登場しました。
- 玲子は、若い女性を好むという弱点を持つ葛西に計画的に接近するため、ガールズバーで働き始め、その際の源氏名を、亡き娘と同じ、あまりにも悲しい響きを持つ「ユウナ」に設定しました。
- 玲子は、自らが引き取った、虐待されていた少年・陸との間に、疑似的ながらも温かい、確かな親子の関係を築いており、そのかけがえのない存在が、彼女の過酷な復讐計画を遂行する上での、唯一の心の支えとなっている様子が描かれます。
- 玲子は「ユウナ」として、店の客として現れたターゲットの葛西に計画通り接触し、その清純で初々しい魅力を完璧に演じきることで、いとも容易く彼を虜にすることに成功します。
- 復讐計画の最終段階として、玲子は自らの身体を代償に差し出す覚悟で葛西とラブホテルに行き、彼を油断させ、その心を完全に手中に収めることで、破滅へと続く甘い罠にかけることに成功するのでした。
【娘の命を奪ったやつを殺すのは罪ですか】第8話をネタバレありでわかりやすく解説する
前話において、復讐の女神・玲子が、主犯格である真里からその正体を疑われ、絶体絶命の窮地に立たされました。第8話では、その危機的状況から、玲子がいかにして逆襲の狼煙を上げるのか、そして真里というプライド高き女王を、破滅の淵へと突き落としていくのか。二人の女の、息を呑むような最後の頭脳戦と、あまりにも残酷な結末が描かれます。
取引の代償 – 800万円の要求
息子の未来と夫婦の亀裂
物語は、真里の豪華な自宅での、一見すると和やかな家族の食卓から始まります。しかし、その会話の内容は、この家庭に渦巻く歪んだ教育熱と、夫婦間の深い溝を浮き彫りにしていました。夫は息子・正人に対し、「おまえには才能がある」「優秀な友達や仲間に囲まれればより高いレベルを目指せるんだぞ」と、名門私立「光蘭学園」への進学を強く望んでいました。
真里は夫に、息子の裏口入学のための「コネ」があると打ち明けます。「私にツテがあるのよ」。彼女は、玲子が光蘭学園の理事長の愛人であるというスキャンダルをネタに、玲子を動かせるという確信を持っていました。
後日、玲子から真里に電話がかかってきます。玲子は「理事長さんにお話しました。お子さんの力添えをするとおっしゃってます。ただ…ほかの理事たちを説得するために8百万円必要だそうです」と、交換条件として800万円という大金を要求します。
突然の法外な要求に、真里は「ふざけないで!そんなお金あるわけないでしょ!」と激昂。自分が優位な立場にいると思い込んでいる真里は、玲子を脅し返します。「そんなこといえる立場!!あの写真が流出したら再任どころじゃないのよっ」。しかし、玲子は冷静に「この条件でないと例の件はお受けできないと…」と告げ、写真の流出を止めることと800万円が引き換えであることを示唆し、逆に真里をこの無茶な要求を飲まざるを得ない状況へと追い込むのでした。
禁断の選択
800万円という大金を用意できるはずもなく、真里は絶望の淵に立たされます。しかし、「お金さえ出せば正人を光蘭学園に入れられる」という悪魔の囁きは、彼女のプライドと母親としての見栄を強く刺激しました。
夫に相談すると、彼は「馬鹿いうな そんな金出せるわけないだろっ」「だいたい理事長に再任されたら金を返すってそんな保証どこにもないだろ」と、至極まっとうな意見で猛反対します。しかし、真里の耳には、もはや夫の言葉は届いていませんでした。「でも正人の一生に関わる話なのよ」「普通に受験したら受かるわけないでしょ!」と、ヒステリックに叫びます。
夫は「第一この家の頭金を払ったばかりでそんな金ウチにはないだろ」と現実を突きつけますが、真里の決意は揺らぎませんでした。彼女は、自らの見栄と息子の未来(という名の自らの自己満足)のために、禁断の選択、すなわち消費者金融からの借金を決意するのでした。
破滅への取引 – 裏口入学の密約
偽りの約束と現金の受け渡し
真里は、夫を保証人に立て、消費者金融から800万円を借り入れます。そして、その大金を手に、光蘭学園の理事長である細川と、玲子の手引きでカフェで対面しました。
真里は、札束の入ったカバンを前に、「ウチの子を必ず入学させてもらえるんですよね?」と、念を押します。細川は当初、「努力します」と曖昧な言葉を濁しますが、真里は「努力じゃ困ります!」「必ず合格させるとこの場で約束してください」と、鬼気迫る表情で詰め寄ります。
そのあまりの剣幕に押された細川は、ついに「…お子さんを合格させます」「絶対ですね」という、決定的な約束の言葉を口にしてしまいました。真里は、その言葉質を取り、満足げに800万円の入ったカバンを差し出します。この密約の瞬間、玲子の仕掛けた罠は、最終段階へと移行したのでした。
計画の完了 – 全てが暴かれる瞬間
ネットニュースという名の断頭台
後日、幼稚園のママ友たちが、スマートフォンを囲んで騒然としていました。「真理さん、これ!見てくださいよ」。彼女たちが見ていたのは、インターネットのニュース記事でした。
「スクープ!名門学園理事長 裏口入学依頼現場」
そこには、真里と細川がカフェで金銭の受け渡しをしている決定的な瞬間の隠し撮り映像と、二人の会話の音声が、克明に報じられていました。「お子さんを合格させます」「もし万が一ダメだった場合このお金も全額返していただきますから」。自分自身の声と、裏口入学を依頼する醜い姿が世間全体に晒されている。その事実に、真里は血の気が引き、その場に立ち尽くすしかありませんでした。
四面楚歌 – 逃げ場のない絶望
真里は、パニック状態で細川に電話をかけますが、留守番電話に繋がるだけ。「もし例の件が難しくなったのであればすぐにお金を返してください!」。しかし、その願いが叶うことはありません。それどころか、彼女をさらなる地獄へと突き落とす電話がかかってきます。それは、800万円を借りた、あの闇金業者からでした。
「返済日を過ぎてお支払いいただけないと滞納金が膨れ上がりますよ」「1日につきお貸しした額の半額です」。法外な利息、そして保証人である夫の会社にまで連絡するという脅迫。裏口入学は失敗し、世間からの非難を浴び、そして莫大な借金だけが残る。まさに、四面楚歌。彼女の人生は、この瞬間、完全に詰んでしまったのです。
最後の対決 – 公園での惨劇
崩壊する女王と復讐の女神
全てを失った真里は、最後の望みをかけ、玲子に連絡を取ります。「裏の公園で陸君と待ってます」。夜の公園に現れた玲子と陸の姿を見つけた真里は、狂気の形相で駆け寄ります。しかし、玲子は、そんな彼女から陸を守るように、「こないで!」と鋭く言い放ちました。
逆上した真里は、隠し持っていたナイフを取り出し、玲子の首筋に突きつけます。「全部…最初から計算していたんでしょ…」。彼女は、玲子が全ての出来事を裏で操っていたことに、ようやく気づいたのです。「理事長の愛人になったのも、私が正人を光蘭に入学させたがってたのも全部知ってて仕組んだんでしょ!」「アンタ誰なの?」。
「ただのママ友です」- 静かなる終焉
しかし、その狂気じみた問いかけを遮ったのは、意外な人物でした。真里の夫と、息子の正人です。「真理っ やめろ!」。そして、正人は涙ながらに叫びます。「お母さん…僕、私立の小学校なんかいきたくない」「陸くんと一緒の小学校にいきたい…」。
息子の悲痛な叫びに、真里の手からナイフが滑り落ちます。彼女を支えていた最後のプライドと執着が、完全に崩れ去った瞬間でした。地面に崩れ落ち、嗚咽する真里は、最後に、力ない声で問いかけます。「…あなた…誰なの?」。それに対し、玲子は、凍てつくような、しかしどこか悲しげな笑みを浮かべ、こう答えるのでした。
「私はただのあなたのママ友です」
哀れな末路 – そして誰もいなくなった
噂話に消える家族
後日、幼稚園のママ友たちの間では、真里の起こした裏口入学事件の噂で持ちきりでした。ニュースで大々的に報じられ、真里は世間の注目の的となりました。そして、彼女の一家は、闇金から借りた800万円を返済するため、新築のマンションを売却し、夜逃げ同然にその街から姿を消したのでした。幼稚園の絶対的女王として君臨していた彼女の、あまりにも哀れな末路でした。
娘への誓い
全ての復讐を終えた玲子は、一人、自宅で娘・優奈の遺影に語りかけます。「身に余る幸せを手にしようとする人って哀れな最期を迎えるのよね」。そして、彼女は改めて、娘への愛と、復讐の誓いを新たにするのでした。「あなたを死に追いやった人間を絶対に許さないからね」。玲子の復讐は、まだ終わってはいなかったのです。
【娘の命を奪ったやつを殺すのは罪ですか】8話を読んだ感想(ネタバレあり)
第8話は、玲子の復讐劇の中でも、特にその計画の巧妙さと、人間の心理を巧みに操る冷徹さが際立った回でした。前話のラストで、真里に弱みを握られ、絶体絶命のピンチに陥ったかのように見えましたが、それすらも全て玲子の計算通りだったという展開には、鳥肌が立つほどの衝撃を受けました。800万円という法外な金額を提示し、相手の欲望とプライドを極限まで煽り、自ら破滅の道を選ばせる。その手口は、もはや悪魔の所業としか言いようがありません。
特に印象的だったのは、真里が夫に裏口入学の資金提供を懇願するシーンです。息子の将来のためと言いながら、その実、彼女を突き動かしているのは、他のママ友に対する優越感や、見栄といった、あまりにも矮小な感情です。玲子は、その人間の最も醜い部分を的確に見抜き、そこを徹底的に突くことで、彼女を破滅へと導きました。これは、単なる復讐劇ではなく、現代社会に蔓延する過度な教育熱や、親の見栄といった問題に、鋭いメスを入れる社会派サスペンスとしての側面も持っているのだと感じさせられます。
そして、最後の公園での対決シーン。全てを失い、ナイフを手に玲子に詰め寄る真里の姿は、哀れで、そして滑稽ですらありました。そんな彼女に、玲子が放つ「私はただのあなたのママ友です」という一言。これほどまでに恐ろしく、そして残酷な決め台詞があるでしょうか。玲子の復讐は、まだ始まったばかり。次なるターゲットは誰なのか、そして、彼女は一体どのような地獄を見せるのか。物語の行く末から、ますます目が離せません。
【娘の命を奪ったやつを殺すのは罪ですか】8話のネタバレまとめ
- 玲子は、真里の弱みである「息子の名門小学校合格」という欲望を利用し、裏口入学の斡旋料として800万円を要求します。
- 真里は、夫の反対を押し切り、消費者金融(闇金)から800万円を借り入れ、玲子の手引きで光蘭学園の理事長にその金を渡してしまいます。
- しかし、これは全て玲子の罠であり、真里が裏口入学を依頼する現場は隠し撮りされ、ネットニュースで拡散。真里は社会的な信用を失墜します。
- 裏口入学は失敗に終わり、闇金からの法外な取り立てに追われた真里は、玲子を公園に呼び出し、ナイフで脅迫しますが、夫と息子に制止され、完全に崩壊します。
- 最終的に、真里の一家は全てを失い、夜逃げ同然に街を去りました。玲子は、主要なターゲットの一人を、社会的に完全に抹殺することに成功したのでした。
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