【婚約式は修羅場の始まり】15話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 宝石を破壊され絶望するアレッシアに対し、ソフィーは次のターゲットが彼女のお腹の「赤ちゃん」であることを冷酷に示唆しました。
  • 恐怖に駆られたアレッシアは必死に周囲に助けを求めましたが、ソフィーの親族は「ソフィーがデュカ夫人になるため」という身勝手な理由を掲げ、犯罪を隠蔽することを決めました。
  • 周囲の取り巻きたちは、アレッシアを「赤ちゃんを使ってのし上がろうとする金目当ての女だ」と決めつけ、さらに下劣な言葉で侮辱しました。
  • 完全に孤立無援となったアレッシアに対し、ソフィーたちはついに、彼女のお腹の子に危害を加えるという、最も非道な暴行を開始しようとしていました。

【婚約式は修羅場の始まり】第15話をネタバレありでわかりやすく解説する

大切な家宝を破壊され、次のターゲットが自らのお腹の子だと宣告されたアレッシア。第15話では、我が子を守るため、彼女が最後の望みをかけた絶望的な取引と、それが最悪の形で裏目に出てしまう悲劇が描かれます。追い詰められた母の最後の告白が、悪魔たちに非道な行いを許可する「免罪符」となってしまうのです。

絶望的な取引と逆効果となった告白

ソフィーの親族たちが、アレッシアに危害を加えようと迫ります。その瞬間、アレッシアは母として、最後の交渉を試みました。

最後の命綱「このことは忘れるわ」

「待って!もし私の赤ちゃんを傷つけないなら、今日のことは全て、何もなかったことにしてあげる」 それは、母としてのプライドも、デュカ家の人間としての尊厳も全て捨て去った、魂からの懇願でした。しかし、ソフィーは「何もなかったことにしてあげるですって?自分が何様のつもり?」と、その提案を一笑に付します。

究極の告白「この子はロレンツォの子じゃない」

追い詰められたアレッシアは、この状況を打開できる唯一の真実を口にします。それは、彼女にとって究極の切り札でした。 「聞いて。これはロレンツォの赤ゃんじゃないの。あの子は、私の赤ちゃんと何の関係もないわ」 ソフィーたちが恐れているのは、この子が「デュカ家の後継者」になること。ならば、その可能性を完全に否定すれば、この狂気の沙汰は収まるはず。それがアレッシアの最後の望みでした。

しかし、その望みは、ソフィーの悪魔のような一言によって無残にも打ち砕かれます。 「それなら、なおさら好都合だわ」 ソフィーは、歪んだ笑みを浮かべてこう続けました。 「あなたのそのお腹のクソガキがロレンツォの子かもしれないと心配していたのよ。もし私がこの子を始末したら、彼が大騒ぎするかもしれないでしょう?でも、今やこの子を生かしておく必要はなくなったわね」 アレッシアの最後の告白は、皮肉にも、ソフィーに「ロレンツォに気兼ねなく、この子を殺せる」という大義名分を与えてしまったのです。

悪魔に下された代理執行

全てを失ったアレッシアの瞳から、懇願の色が消えました。代わりに燃え上がったのは、復讐の炎でした。 「もし私の赤ちゃんに何かしたら、絶対にあなたを許さない。必ず報いを受けさせてやるわ」 その気迫に一瞬たじろいだソフィーたちでしたが、すぐに母親が「彼女を早く押さえつけなさい!」と指示を出します。

「兄さんにやらせなさい」

ソフィーが自らアレッシアに手をかけようとしたその時、母親がそれを制止しました。 「待ちなさい、ソフィー。今日はあなたの大事な日よ。自分の手を汚す必要はないわ。兄さんにやらせなさい」 母親は、娘の婚約という体面を守るため、その汚れ仕事を息子に押し付けたのです。前に進み出た男は、アレッシアを見下し、嘲るように言いました。 「痛くしないようにするぜ、クソ女」 それは、これから始まる残虐な行為を予告する、非情な言葉でした。

【婚約式は修羅場の始まり】第15話を読んだ感想(ネタバレあり)

第15話は、人間の善意や理性が、悪意と狂気の前でいかに無力であるかを見せつけられる、絶望的な回でした。アレッシアが我が子を守るために絞り出した「ロレンツォの子ではない」という告白。それは、彼女のロジックの中では完璧な解決策だったはずです。しかし、相手がそもそも論理の通じる人間ではなかった。彼女の最後の希望が、逆に最悪の悲劇への引き金となってしまう展開は、あまりにも残酷で、脚本の巧みさに戦慄しました。

特に印象的だったのは、ソフィーの母親の立ち回りです。彼女は娘の暴走を止めるどころか、それを肯定し、さらに「手を汚させない」という配慮まで見せます。娘の未来(デュカ家との縁組)のためなら、殺人すらも厭わない。その姿は、この物語の真の黒幕であり、最も邪悪な存在であることを改めて示しているようでした。

そして、最後に登場した「兄」。女性たちによる陰湿ないじめの段階は終わり、ついに男性による直接的な暴力が始まろうとしています。妊娠中の女性に対して、大人の男性が暴力を振るう。これ以上ないほど胸糞の悪い状況で物語が終わり、アレッシアの無事を祈ると同時に、この愚かな加害者たちへの怒りが頂点に達しました。

【婚約式は修羅場の始まり】第15話のネタバレまとめ

  • アレッシアは、お腹の子を助けるため、「今日のことは全て忘れる」という絶望的な取引を持ちかけたが、一蹴された。
  • 最後の手段として、アレッシアは「この子はロレンツォの子ではない」という究極の真実を告白した。
  • しかしその告白は逆効果となり、ソフィーに「ロレンツォに気兼ねなく子供を始末できる」という免罪符を与えてしまった。
  • アレッシアが復讐を誓うと、ソフィーの母親は自分の息子(ソフィーの兄)に暴行の実行を命じた。
  • ついに男性の暴力が加わろうとする、最も絶望的な状況で物語は次へと続く。

◁前の記事はこちらから

あわせて読みたい
【婚約式は修羅場の始まり】14話あらすじから結末まで全てネタバレ解説
【婚約式は修羅場の始まり】14話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

▷次の記事はこちらから

あわせて読みたい
【婚約式は修羅場の始まり】16話あらすじから結末まで全てネタバレ解説
【婚約式は修羅場の始まり】16話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
記事URLをコピーしました