【婚約式は修羅場の始まり】19話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 我が子を失ったアレッシアは、憎悪からソフィーに襲いかかり、その首を絞めました。
  • しかし、その反撃はソフィーの親族によって妨害され、アレッシアは背後からガラス瓶で殴られ意識を失いました。
  • 命の危機に瀕したにもかかわらず、ソフィーが最初に口にしたのは、自分の命の心配ではなく「私のドレスが台無しよ」という信じがたい言葉でした。
  • そこへロレンツォから「もうすぐ着く」という電話が入り、焦ったソフィーたちは、彼の到着前にアレッシアをどこかへ監禁するための隠蔽工作を始めました。

【婚約式は修羅場の始まり】第19話をネタバレありでわかりやすく解説する

ついに婚約パーティーの会場に到着したロレンツォ。第19話では、彼の登場によってパニックに陥ったソフィーたちが、絶体絶命の状況下で完璧な隠蔽工作を行う様子が描かれます。何も知らないロレンツォの善意と、全てを知っていながら完璧な婚約者を演じるソフィーの狂気。二人の会話は悲しいほどにすれ違い、アレッシアは深い闇の中へと葬り去られていきます。

完璧な隠蔽工作と弟の疑念

ロレンツォの車が見えた瞬間、ソフィーたちはパニックに陥ります。「彼女を檻に入れなさい!今すぐに!」。意識のないアレッシアが慌ただしく隠される中、物語は怒涛も展開へと転がっていきます。

「姉さんはどこだ?」

「ロレンツォ、来てくれたのね」と、ソフィーの母親は満面の笑みで未来の婿を迎えます。しかし、ロレンツォの関心はただ一人に向けられていました。

姉さんはどこだ?

彼の最初の言葉は、婚約者であるソフィーへのものではなく、姉アレッシアを気遣うものでした。

「来たくなかったみたいよ」ソフィの巧妙な嘘

ロレンツォの問いに対し、ソフィーは待っていましたとばかりに、巧妙な嘘を口にします。

「それが、結局、来たくなかったみたいよ」

ロレンツォは「おかしいな。さっきまで一緒にいたのに」と眉をひそめます。彼が姉を邸宅に送り届けたのは事実。その言葉に嘘がないことを、誰よりも彼自身が知っているからです。しかし、ソフィーたちの完璧な芝居は、その小さな疑念の芽を巧みに摘み取っていきます。

婚約者の前で演じられる悲劇の茶番

ロレンツォは、ソフィーの不機嫌そうな表情を見て、彼女が怒っている理由を勘違いしてしまいます。彼は、自分が婚約式に遅れたこと、そして姉にかかりきりだったことが、彼女を怒らせたのだと思い込んでしまったのです。

罪悪感からの謝罪

姉から「彼女に優しくしてあげて」と言われた言葉を思い出したロレンツォは、罪悪感からソフィーに深く謝罪します。 「遅れてすまなかった。それから、僕がした他の全てのことについても…。どうか許してくれ」 その謝罪は、あまりにも的を外していました。彼は、自分の目の前で、愛する姉がまさに地獄の苦しみを味わったことなど、知る由もなかったのです。

「私が片付けておいたわ」ソフィーの二重の意味

ロレンツォの謝罪に対し、ソフィーは優しく微笑んで答えます。

「いいのよ。私がもう片付けておいたから

その言葉は、ロレンツォには「あなたの遅刻を許してあげる」という甘い囁きに聞こえたことでしょう。しかし、その裏には「あなたの邪魔な姉(アレッシア)は、私がすでに始末しておいた」という、恐ろしい二重の意味が隠されていました。

彼女はさらに、こう付け加えます。

「でも、もしまた愛人が、私たちの家に足を踏み入れたら…」

それは、未来への警告のようでもあり、自らの行いを正当化する独白のようでもありました。それを聞いたロレンツォは「愛人?」「愛人ってなんのこと?」と身に覚えのない疑いにただただ困惑するシーンで幕を閉じます。

【婚約式は修羅場の始まり】第19話を読んだ感想(ネタバレあり)

第19話は、ソフィーとその母親の役者ぶりに、ただただ戦慄する回でした。ロレンツォが到着するまでの数秒間で、血の海を片付け、被害者を監禁し、何食わぬ顔で彼を出迎える。その手際の良さと精神力は、もはや常人のものではありません。特に、ロレンツォの疑念を「姉さんが来たくなかったみたい」という嘘でかわし、彼の罪悪感を煽って謝罪させる母親の操心術は、悪魔的としか言いようがありません。

そして、今回の白眉は、やはりソフィーの「私がもう片付けておいたから」というセリフです。これほど見事なダブルミーニング(二重の意味を持つ言葉)があるでしょうか。ロレンツォを安心させると同時に、自らの犯罪行為を肯定する。この一言に、彼女の狡猾さと、もはや罪悪感など微塵も感じていないであろう異常な精神状態が集約されています。

ロレンツォが、姉を想う優しさゆえに、真実から遠ざかっていく展開も非常に皮肉で、見ていて胸が苦しくなりました。彼が謝れば謝るほど、ソフィーの嘘は真実味を帯び、アレッシアは闇の中へと追いやられていく。この悪循環を断ち切る鍵はどこにあるのか。監禁されたアレッシアの安否はもちろん、ロレンツォがいつこの完璧な嘘に気づくのか、今後の展開から目が離せません。

【婚約式は修羅場の始まり】第19話のネタバレまとめ

  • ロレンツォが婚約パーティー会場に到着すると、ソフィーたちは慌てて意識のないアレッシアを檻に隠した。
  • ロレンツォは真っ先に姉の居場所を尋ねたが、ソフィーの母親は「彼女は来たくなかったようだ」と巧妙な嘘をつき、その場を取り繕った。
  • ロレンツォはソフィーが不機嫌なのを自分のせいだと勘違いし、婚約式に遅れたことなどを深く謝罪した。
  • ソフィーはロレンツォを許すふりをしながら、「(問題は)私がもう片付けておいたわ」という、アレッシアを始末したことを示唆する二重の意味の言葉を口にした。
  • ロレンツォは婚約者の嘘に気づかず、アレッシアがどこかに監禁されていることも知らないまま、物語は次へと続く。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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