【婚約式は修羅場の始まり】20話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • ロレンツォが婚約パーティー会場に到着すると、ソフィーたちは慌てて意識のないアレッシアを檻に隠しました。
  • ロレンツォは真っ先に姉の居場所を尋ねましたが、ソフィーの母親は「彼女は来たくなかったようだ」と巧妙な嘘をつき、その場を取り繕いました。
  • ロレンツォはソフィーが不機嫌なのを自分のせいだと勘違いし、婚約式に遅れたことなどを深く謝罪しました。
  • ソフィーはロレンツォを許すふりをしながら、「(問題は)私がもう片付けておいたわ」という、アレッシアを始末したことを示唆する二重の意味の言葉を口にしました。

【婚約式は修羅場の始まり】第20話をネタバレありでわかりやすく解説する

完璧な隠蔽工作によって、つかの間の平穏を取り戻した婚約パーティー。しかし、それは次なる嵐の前の静けさに過ぎませんでした。第20話では、何も知らないロレンツォを陥れるため、ソフィーとその一族による巧妙なガスライティング(心理的虐待)が始まります。全員が「目撃者」であるという嘘の前に、ロレンツォは徐々に追い詰められていきます。

始まったガスライティング「誰のことを見てきたの?」

婚約者であるソフィーの不機嫌な態度を、自分のせいだと思い込み謝罪したロレンツォ。しかし、ソフィーの怒りは収まりません。彼女は、集まったゲストたちの前で、ロレンツォを公に断罪するための芝居を始めます。

全員が目撃者という嘘

「本当に言わせるつもり?あなたが他の誰かと寝たということを、この私にわざわざ言わせるつもりなの?」

ソフィーの言葉に、ロレンツォは心から否定します。

「ソフィー、僕が君を裏切るはずがない。知っているだろう?」

しかし、ソフィーは悲劇のヒロインを演じきります。

「いいえ、私はあなたのことを何も知らなかったみたい。だって、ここにいる全員が、その目で見たんですもの

ロレンツォは混乱します。「誰を見たって?」彼の問いに、しかし誰も答えません。ただ、会場全体が彼を責めるような空気に満ちていました。

「キミを責められない」親族の巧みな話術

ここで、ソフィーの親族が助け舟を出すかのように、二人の間に割って入ります。 「ロレンツォ、きみの気持ちも分かる。きみは若くて才能がある。もっと多くを求めてしまうのも、責められないことよ。でも、大事な婚約式の日に、愛人を連れてくるなんて。少し無神経だったんじゃないか」 その口調は、まるで全てを理解した上で、ロレンツォを諭すかのような慈愛に満ちています。しかし、その言葉の裏には、「あなたの浮気は知っている」という断定と、「皆の前で事を荒立てるな」という脅しが巧みに隠されていました。

追い詰められるロレンツォ

周囲が皆、自分を嘘つきだと決めつけている。そんな異常な状況に、ロレンツォの忍耐も限界に近づいていました。

「一体何の話をしているんだ!」

一体、君たちは何の話をしているんだ!

ロレンツォの怒声が響きますが、誰も彼の言葉を真に受けません。彼らは、自分たちの作り上げた「真実」の中で、ロレンツォがただ言い逃れをしているとしか考えていないのです。

「私の背後でこそこそと…」突きつけられた罪状

「私の忍耐も限界だ。はっきり言ってくれ。君は何を責めているんだ?」

ロレンツォの問いに、ソフィーはついに罪状を突きつけます。

「まだ分からないの?私の背後で、他の女とこそこそと会っていたことについてよ! 次は何て言うつもり?私が狂っているとでも言うの?」

彼女は、ロレンツォが反論することさえも予測し、それを封じ込める言葉を用意していました。完全に包囲網を敷かれたロレンツォは、弁明の言葉すら見つけられずに立ち尽くすのでした。

【婚約式は修羅場の始まり】第20話を読んだ感想(ネタバレあり)

第20話は、集団によるガスライティングの恐ろしさをまざまざと見せつけられる回でした。真実を知っているのはロレンツォただ一人。しかし、「皆が見た」という集団の嘘の前では、その真実がいとも簡単にねじ伏せられてしまう。この状況は、見ているこちらも息が詰まるような閉塞感がありました。

特に巧みだと感じたのは、ソフィーの母親の立ち回りです。彼女は決して感情的にならず、むしろ「あなたの気持ちも分かるわ」と理解を示すことで、ロレンツォをじわじわと追い詰めていきます。この冷静で計算高い manipulative な(人を操るような)話術こそが、彼女の最も恐ろしい武器なのだと感じました。

そして、今回初めて、ロレンツォの視点に深く感情移入しました。これまで絶対的な権力者として描かれてきた彼が、初めて味わう無力感と孤立。愛する婚約者とその家族全員から、理解不能な罪で責め立てられる彼の混乱と怒りは、痛いほど伝わってきました。この悲劇の主人公はアレッシアだけではない。何も知らずに地獄の舞台に立たされているロレンツォもまた、もう一人の悲劇の主人公なのだと改めて感じさせられました。

【婚約式は修羅場の始まり】第20話のネタバレまとめ

  • ソフィーは婚約パーティーの場で、ロレンツォが浮気をしたと公に非難し、「ここにいる全員が目撃者だ」という嘘をついた。
  • ロレンツォは心から否定したが、自分が一体誰と浮気したと責められているのか分からず、混乱した。
  • ソフィーの母親は、物分かりの良い大人のふりをして巧みに会話を誘導し、「浮気は仕方ないが、婚約式に連れてくるのは無神経だ」と、ロレンツォが愛人を連れてきたかのように断定した。
  • 完全に孤立し、追い詰められたロレンツォに対し、ソフィーは「私の背後で他の女とこそこそ会っていたことよ!」と、ついに具体的な罪状を突きつけた。
  • ロレンツォは、婚約者とその家族によって仕組まれた、完璧な心理的包囲網の中に完全に閉じ込められてしまった。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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