【宮廷鍵師、【時間停止(ロック)】と【分子分解(リリース)】の能力を隠していたら追放される】3話をあらすじから結末までわかりやすくネタバレ解説!

【宮廷鍵師、【時間停止(ロック)】と【分子分解(リリース)】の能力を隠していたら追放される】第3話をネタバレありでわかりやすく解説する
S級冒険者アストリアからのスカウト、そして温かい家族との食卓。第2話でユーリの周りの環境は大きく動き出しました。和やかな食事の席で、ユーリの母は「ユーリを冒険者に?」と問いかけます。この記事では、ユーリが自身の進むべき道を見出し、冒険者としての大きな一歩を踏み出す第3話の物語を、ネタバレ満載でご紹介します。
家族の応援と、冒険への第一歩
元冒険者の母が押す背中
食卓での会話中、ユーリの母から驚きの事実が語られます。 「実は私も昔冒険者だったのよ」
なんと、母も若い頃は冒険者としてダンジョンに潜っていたというのです。危険な仕事であることを身をもって知っているからこそ、彼女はただ心配するだけではありませんでした。ユーリの気持ちを尊重し、「あなたのやりたいことをしなさい」と優しく、そして力強く彼の背中を押してくれます 。
まだ冒険者になる決意を固めきれていないユーリですが、アストリアと母によって、着々と外堀が埋められていきます 。
「装備もないのよね?私のお古でよければ使って」
母のこの一言で、一行は冒険の準備を整えるため、大通りの武器屋へと向かうことになりました 。
武器屋での実演、鍵魔法【閉めろ】の真価
S級冒険者の装備姿と、初心者向けのナイフ
武器屋で、アストリアはユーリの母から借りた装備を見事に着こなします 。その凛々しい姿に、思わず「似合うかな?」とはにかむアストリア 。彼女の普段とは違う一面に、ユーリも少しどぎまぎしている様子です。
アストリアは、戦闘経験のないユーリに、初心者でも扱いやすいという理由でナイフを勧めます 。しかし、ユーリは高価なナイフを手にしても、その実力に半信半疑の表情を浮かべていました 。
常識を覆す一撃と、明かされる能力の真実
ユーリの疑念を晴らすため、アストリアは「ナイフでも使えるところを見せてあげよう!」と、店主に許可を取って試し切りを始めます 。彼女が斬りかかったのは、極めて硬い金属であるミスリルで作られた鎧 。誰もが不可能だと思う中、アストリアはなんと、そのミスリル鎧を小さなナイフ一本で真っ二つに断ち割ってしまいました。
店主も「おおっ!!すげぇ」と驚愕するこの結果。しかし、誰よりも驚いていたのは、張本人であるアストリアでした。 「
最初に振ったときと感覚が違う…」
「そもそも私の技量でも ミスリルを斬るなど不可能だ」
彼女は、魔法が発現した形跡も、詠唱もなかったことから、ユーリが何かをしたことを見抜きます 。そして、改めて問いかけました。「ユーリくん 君は一体何者なんだ?」 。
ここでユーリの口から、鍵魔法【閉めろ】の驚くべき真価が語られます。この魔法は単に物体の動きを止めるだけでなく、「物体の組成を極限まで結合させる」効果を持っていたのです 。つまり、彼は無意識のうちにナイフの強度を、ミスリルさえ容易く切り裂くレベルにまで引き上げていたのでした。
星空の下で明かされる、S級冒険者の悲痛な過去
久しぶりに見る星空
武器屋からの帰り道、空はすっかり夜の帳に包まれていました 。アストリアは夜空を見上げ、ぽつりと呟きます。
「星を見るのは久しぶりだ」
地層世界の第2層以降は、分厚い岩盤に阻まれて星が見えなくなります 。だからこそ、長く下層に潜る冒険者は、無性に星が見たくなるのだと彼女は語りました 。
世界最強パーティ「円卓」の崩壊
公園に立ち寄り、アストリアは自身の壮絶な過去をユーリに打ち明け始めます。彼女はかつて、メンバーの全員がS級冒険者で構成された世界最強パーティ「円卓」に所属していました 。
しかし、その栄光は、仲間の一人の裏切りによって脆くも崩れ去ります 。パーティは壊滅し、アストリア以外の仲間たちは呪いの武具を装着させられ、仲間同士で殺し合いを強要されたというのです 。
アストリアは、その惨劇の最中に、奇しくも「ウィンドホーン」と呼ばれる巨大な風穴に落下し、ただ一人だけ難を逃れることができました 。
求められる力、そして本当の冒険の始まり
悲痛な過去を語ったアストリアは、涙ながらにユーリへその手を差し伸べます。
「君の鍵魔法が必要だ…!」
「私の仲間を助けてほしい…!!」
呪いを解くことができるユーリの力こそが、囚われた仲間たちを救う唯一の希望でした。
彼女の魂からの叫びは、ユーリの心を強く打ちます。彼は、宮廷で誰からも必要とされず、ただ言われた仕事をこなすだけだった日々を思い出していました 。
しかし、今、目の前には自分の力を心から必要とし、助けを求めている人がいる 。
ユーリの迷いは、完全に消え去りました。彼はアストリアの手を固く取り、真っ直ぐな瞳で告げます。
「アストリアさんの仲間を助けに行きましょう」
この一言は、彼が自身の意志で冒険者としての道を歩み始めることを決意した、力強い宣言でした。
まとめ【宮廷鍵師、【時間停止(ロック)】と【分子分解(リリース)】の能力を隠していたら追放される】第3話を読んだ感想(ネタバレあり)
第3話は、物語が大きく、そして深く動き出した回でした。【閉めろ】の本当の能力が明かされたシーンには、鳥肌が立ちましたね。ただの防御魔法かと思いきや、「物質の強度を極限まで高める」という、とんでもない強化能力だったとは。ナイフ一本でミスリル鎧を両断する光景は圧巻でした。この能力があるなら、どんな安物の武器でも最強の神具になり得るわけで、今後の戦闘シーンでの応用に無限の可能性を感じます。
そして、アストリアの過去。ただ強くて美しいS級冒険者というだけでなく、仲間を裏切られ、殺し合いをさせられるという壮絶な悲劇を背負っていたことに胸が締め付けられました。彼女が星空を見上げて故郷や仲間を想う姿は、とても切なく、彼女のキャラクターに一気に深みを与えました。
この物語の核心は、ユーリの成長にあると改めて感じます。宮廷では誰からも求められなかった彼が、初めて「君の力が必要だ」と涙ながらに懇願される。その経験が、彼の心を動かし、自らの意志で立ち上がる決意をさせたのです。「誰かのために自分の力を使いたい」。そう決意したユーリの表情は、これまでの彼とは別人のように頼もしく見えました。 ただ追放されてチート能力で無双するだけでなく、「誰かを救う」という明確な目的を得たことで、物語は一気に熱を帯びたように思います。ユーリとアストリア、二人の本当の冒険が、ここから始まる。そう確信させてくれる、感動的な第3話でした。
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