【岩肌の花嫁は愛で溶かされる】2話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【岩肌の花嫁は愛で溶かされる】2話をネタバレありで解説する
第1話で描かれた主人公・岩子(いわこ)の過酷な日常と、謎の軍人・白蘭(びゃくらん)との不穏な出会いは、読者に大きな衝撃を与えました。続く第2話では、岩子のわずかな希望が打ち砕かれ、さらに絶望的な運命が彼女に宣告される、息苦しいほどの展開が待ち受けています。
淡い期待とローズ・ダイヤの輝き
物語は、岩子が密かに想いを寄せる宝石商・西園寺清(さいおんじ きよし)が神代家を訪れる場面から始まります。清は「今日も咲子さんに宝石を?」と問われると、「いや…大事な話で呼ばれたんだ」と意味深な言葉を口にします 。その手には、美しい薔薇の形をしたダイヤモンドの指輪が。清は、この「ローズ・ダイヤ」事業の成功によって西園寺家が莫大な富を得たことを明かし、「この財力をさらに発展させたい」「神の子を産める神の乙女を花嫁に迎え…この大粒のローズ・ダイヤの指輪を贈りたい」と語ります 。
そして、「次会う時にはいい報告ができると思うよ」という言葉を残して去っていく清 。この一連のやり取りを影から見ていた岩子の胸には、「期待してはいけないのに… 清さん… もしあなたと夫婦になれたら…」という、淡く切ない期待が芽生えてしまうのでした 。
残酷な宣告、二つの縁談
清の言葉に希望を抱きかけた岩子でしたが、その期待は無残にも打ち砕かれます。父親が岩子と咲子(さきこ)を呼び出し、「突然だが咲子 岩子 お前たちの縁談が決まった」と告げたのです 。咲子は大喜びする一方で、岩子は清の「いい報告」という言葉を思い出し、まさか自分が選ばれるのでは、という考えが頭をよぎります 。
しかし、そんな岩子の希望を嘲笑うかのように、咲子は「信じられないわ!どうしてこんなバケモノをお姉様を嫁に欲しがる男がいるのよ!」と罵声を浴びせます 。父親は咲子には「これ以上ないお相手が見つかった」と告げ、そして岩子に対しても「ありがたいことに岩子にも縁談があった 先方の強い要望でな」と、まるで厄介払いするかのように言い放つのでした 。
砕かれた夢と「呪われた男」への道
そして、父の口から語られた縁談の相手は、岩子の心を絶望の淵へと突き落とします。咲子の相手は、まさに岩子が想いを寄せていた西園寺清その人でした 。彼の家が宝石事業で大成功し、近い将来この国一番の大金持ちになること、そしてあのローズ・ダイヤの指輪は花嫁となる咲子に贈られることが明かされます 。天にも昇る心地の咲子とは対照的に、岩子はその場で崩れ落ちんばかりの衝撃を受けるのでした。
では、岩子の相手は誰なのか。咲子が「それで岩子お姉様のお相手はどなたなの?もしかして夢見ていたの?自分が花嫁に選ばれるって バケモノのくせに」と追い打ちをかける中、父親が告げた名は、神代家に恐怖をもたらしました 。それは、「神に呪われた男……黒峰白蘭様だ」というものでした 。その名を口にするだけで呪われるとさえ噂される、恐ろしい存在です 。
絶望の淵で見つめる「呪い」
美しく優しい清との結婚という淡い夢は無残に砕け散り、代わりに与えられたのは「呪われた男」の妻になるという、あまりにも過酷な運命。岩子の心は、もはや何の感情も浮かばないほどの深い絶望に沈んだことでしょう。第2話の最後は、「これ以上の苦しみが続くならいっそこの呪われた方の妻になる」という岩子のモノローグで締めくくられます 。これは、全ての希望を失った彼女の諦観なのか、それとも想像を絶する苦しみから逃れるための一種の防衛本能なのでしょうか。
第2話では、一筋の光すら許されない岩子の絶望的な状況が、これでもかと描かれています。彼女の運命は、いよいよ白蘭との出会いへと向かって動き出すことになります。
【岩肌の花嫁は愛で溶かされる】第2話を読んだ感想まとめ
第2話を読んで、まず感じたのは岩子ちゃんに対するあまりの仕打ちに、胸が締め付けられるような思いでした。清さんの言葉に一縷の望みを託した岩子ちゃんの健気さを思うと、その後の展開は本当に残酷です。ローズ・ダイヤの指輪が、希望の象徴から一転して絶望の象徴に変わる瞬間は、読んでいて息が詰まりそうでした。
咲子ちゃんの悪びれない残酷さも、ますます際立っていますね。「バケモノのくせに」という言葉は、姉に対する言葉とは思えず、強い憤りを感じます。そして、父親の非情さも底が知れません。娘たちの結婚を、まるで駒を動かすかのように決定し、特に岩子ちゃんに対しては「先方の強い要望」と、まるで彼女自身の意志など存在しないかのような言い草。家族というより、支配者と奴隷の関係を見ているかのようでした。
そして最後に宣告された「黒峰白蘭」という名。その名を聞いた時の母親の怯えようからも、彼がいかに恐ろしい存在として噂されているのかが伝わってきて、岩子ちゃんがこれからどんな目に遭うのかと、不安でいっぱいになりました。
「これ以上の苦しみが続くならいっそこの呪われた方の妻になる」という岩子ちゃんの最後の言葉は、あまりにも悲痛で、彼女の心の叫びが聞こえてくるようでした。希望を全て奪われた人間が、次に何を選ぶのか…それは諦めなのか、それとも新たな何かへの始まりなのか。第1話の冒頭シーンへと繋がるであろう、白蘭との出会いがどのようなものになるのか、固唾をのんで見守りたいと思います。
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