【岩肌の花嫁は愛で溶かされる】34話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 岩子は鳳条紫苑の軍艦に乗り、白蘭のいる離島へ向けて出発しました。紫苑が白蘭の学友であったことも明かされます 。
- 紫苑は岩子に豪華な客室と三人の女性軍人を世話係として用意し、丁重にもてなしました 。
- 世話係たちは岩子の岩肌を見て「化け物」と拒絶しましたが、岩子はその言葉に傷つかず、白蘭との出会いによって得た心の成長を実感します 。
- 世話係の一人が紫苑に恋心を抱いており、岩子を妬んでいると話しているのを、岩子は偶然聞いてしまいました 。
【岩肌の花嫁は愛で溶かされる】第34話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回のラストで、世話係の女性が抱く紫苑への秘めた恋心を知ってしまった岩子。第34話は、その直後の気まずい場面から始まります。しかし、物語は単なる嫉妬劇では終わりません。白蘭の知られざる過去が明かされる感動的な展開と、それを覆すような紫苑の衝撃的な行動が描かれ、読者は激しく心を揺さぶられることになります。
船上で渦巻く、秘密の恋情
岩子が世話係の女性の手帳を届けようと後を追うと、そこには信じがたい光景が広がっていました。
紫苑の巧みな人心掌握
扉の隙間から見えたのは、紫苑に甘える世話係の女性の姿でした 。二人が恋仲であると誤解した岩子は、その場をそっと立ち去ります 。しかしその直後、紫苑本人が慌てた様子で岩子の部屋に現れ、「一時かくまってはくれないか?」と頼み込んできました 。
彼を追ってきた世話係たちをやり過ごした後、紫苑は一連の出来事を「聞き分けの悪い子たちだ」と一蹴します 。そして、
「女性軍人の士気を高めるのも大変だ」 と、部下との親密な関係が、あたかも上官としての務めであるかのように語るのでした。彼の巧みな言葉に、純粋な岩子は「大佐という立場は大変なのですね…」とすっかり同情してしまいます 。
明かされる白蘭の過去
岩子の純真な反応が珍しかったのか、紫苑は彼女に「軍学校時代の黒峰の話でもしようか」と、意外な提案をします。
軍学校時代の親友
紫苑は、「俺と黒峰は寮で同室だったんだ」 と、白蘭との深い関係性を明かします。彼の語る若き日の白蘭は、常に学年首席で、他人と距離を置き、感情を表に出さない孤高の存在でした 。そのあまりにストイックな姿は、友人である紫苑の目には「異様に映った」といいます 。
20歳で尽きる命の覚悟
ある時、紫苑は白蘭になぜそこまで軍人であることにこだわるのか尋ねました 。お前の頭脳ならもっと楽な生き方ができるだろう、と 。その問いに対し、若き日の白蘭は、曇りのない真っ直ぐな瞳でこう答えたのです。
「20歳までのこの命 国のために使いきりたい」
彼はその頃からすでに、自らの呪いと余命を静かに受け入れ、短い生涯を国のために捧げるという、あまりにも気高い覚悟を決めていました。この話を聞いた岩子の瞳には、愛する人への想いが一層強くあふれるのでした。
豹変する紫苑
感動的な逸話に岩子の心が温まった、まさにその瞬間。物語は奈落の底へと突き落とされます。
親友の妻へ向けられた牙
突然、船が大きく揺れ、体勢を崩した岩子。その体を受け止めた紫苑は、彼女をそのままソファに押し倒します 。それまでの穏やかな表情は消え、彼の瞳には得体の知れない光が宿っていました。彼は、友の妻である岩子を見下ろし、囁きます。
「会ってみたら納得したよ 美しいだけではない女性だと…」
「黒峰には内緒だよ」
そして、彼は岩子の唇に指を添えると、信じられない言葉を告げました。
「今からのことは黒峰には内緒だよ」「あなたは俺に身を委ねていればいい」
味方だと信じていた親友の、あまりにもおぞましい裏切り。紫苑は「今この瞬間を楽しもう」と囁きながら、恐怖に目を見開く岩子に顔を近づけていくのでした 。
【岩肌の花嫁は愛で溶かされる】34話を読んだ感想(ネタバレあり)
言葉もありません。これほどの天国と地獄を一度に見せられるとは…。前半、白蘭様の過去が明かされた場面では、彼の気高さと切なさに涙が出そうになりました。若い頃から自分の運命をすべて受け入れ、国のために生きようと決めていたなんて、彼の魂の美しさに改めて惚れ直してしまいます。
そんな感動的な話をしてくれた紫苑のことを、白蘭様の唯一の理解者なのだと信じかけた、まさにその矢先の裏切り。彼の豹変ぶりには、血の気が引くような恐怖を感じました。あの優しい語り口も、すべては岩子ちゃんを油断させるための芝居だったのでしょうか。それとも、彼の中には屈折した何かがあるのでしょうか。いずれにせよ、彼の行動は決して許されるものではありません。
白蘭様を救うための決死の船旅が、一転して密室の恐怖に変わってしまいました。岩子ちゃんはたった一人で、この危機をどう乗り越えるというのでしょうか。友の妻に牙をむく紫苑の真意とは一体何なのか。物語はこれまでで最も衝撃的で、後味の悪い形で幕を閉じ、次号が気になって仕方がありません。
【岩肌の花嫁は愛で溶かされる】34話のネタバレまとめ
- 岩子は、紫苑と世話係の女性が恋仲であると誤解します 。紫苑はその状況を利用し、部下の士気を上げるためだと嘯いて、岩子を巧みに言いくるめました 。
- 紫苑は、自身が白蘭の軍学校時代の寮の同室であったことを明かし、彼の過去を語り始めます 。
- 若き日の白蘭は、20歳で死ぬ運命を受け入れており、「20歳までのこの命 国のために使いきりたい」と語っていたことが判明しました 。
- 白蘭の気高い覚悟に岩子が感動した直後、紫苑は豹変し、船の揺れを利用して岩子をソファに押し倒します 。
- 物語は、紫苑が「黒峰には内緒だよ」と囁き、恐怖におののく岩子にキスを迫るという、衝撃的な場面で終わります 。
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