【工作都市 欲望のワルツ】20話(最終回)をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • ジェヒはインタビューの生放送で「イソルを殺したのは私です」と衝撃の告白を行い、ソンジングループに揺さぶりをかけました。
  • ジェヒはハンスクの「切り札」だったガンヒョン検事総長とジョンホを味方につけ、ソンジン家の機密情報を武器に共闘を誓います。
  • 家族会議でジュンイルが「過ちを正そう」と意見すると、ハンスクは「イソル、ノ・ヨンジュ、ミンソン、すべて私が死に追いやった」と自らの罪を告白しました。
  • ジェヒは、ハンスクの罪を暴くための最後の賭けとして、自ら検察に出頭します。

【工作都市 欲望のワルツ】第20話(最終回)をネタバレありでわかりやすく解説する

自ら検察に出頭するという、捨て身の作戦に出たジェヒ。第20話(最終回)は、彼女の最後の戦いと、あまりにも残酷な結末が描かれます。

ジェヒの逮捕とジュンヒョクの「裏切り」

ジェヒの計画は、自らが贈賄や横領の容疑で検察に拘束されることでした。これは、ソンジングループの人間を参考人として呼び出し、ハンスクの罪を世間に知らしめるための布石です。

しかし、ハンスクはジェヒの想像を遥かに超える力を持っていました。

ハンスクは、ジェヒの行動に激怒する夫ジュンヒョクに対し、「心が広いフリをして説得しても無駄だった」と、彼がジェヒを止められなかったことを責めます。

一方、ハンスクと手を組んでいたミン議員らは、ガンヒョン検事総長がジェヒ側に付き、本家の倉庫(秘密の書庫)を捜査する可能性を恐れ、ハンスクとの連絡を絶ち始めます。

板挟みになったジュンヒョクは、悩み抜いた末、ついに決断します。彼は、妻ジェヒを捨て、母ハンスクの「権力」を選ぶことにしました。

ジュンヒョクの「裏切り」という最大の武器を手に入れたハンスク。彼女は堂々とマスコミの前を通り、参考人として出頭します。そして、取調室でジェヒと対面すると、冷たく勝利を宣言しました。

「努力が報われず残念だが、裁判になる前に終わる。ヒョヌを奪われ、慰謝料ももらえず出て行くことになる」

崩壊する包囲網とジェヒの孤立

ハンスクの言葉通り、事態は最悪の方向へ転がります。ジェヒは「拘束適否審査(逮捕が妥当かどうかを判断する手続き)」という名目で、突然釈放されてしまいました。ハンスクの力が、検察と裁判所の決定を覆したのです。

拘置所の前でマスコミに囲まれ困惑するジェヒ。そこへ、夫ジュンヒョクが迎えに来ます。

その頃、ジョンホは上司であるガンヒョンを責めていました。「なぜ釈放した」「寝返ったのか」と。しかし、ガンヒョンは「裁判所が決めたことだ」と答えるだけ。

「なら何で俺は担当検事を外されたんだ!」

ジョンホの叫びに対し、ガンヒョンは「ジュンヒョクがジェヒを捨て、ハンスクを選んだ。今は一歩引くべきだ」と、自らもハンスク側に寝返ったことを示唆します。

ジェヒは帰宅しますが、家にヒョヌの姿はありませんでした。「ヒョヌを連れ戻して」と叫ぶジェヒに対し、ジュンヒョクは「親権をもてると思っているのか。離婚してやるから、大人しくしてろ」と、冷たく言い放ちます。

捏造された真実と悪魔の勝利

ハンスクによる世論操作は、ここからさらに加速します。

かつてイソルが命をかけて資料を託した後輩記者ドンミン。彼はハンスクの力によってニュースキャスターの座を手に入れ、局長から渡された原稿を読み上げます。それは、**「新生児売買ブローカーの買い手リストに、大統領候補(ジュンヒョク)の妻(ジェヒ)の名前があった」**という、捏造された特ダネでした。

さらに、ガンヒョン検事総長までもが「息子(ヒョヌ)をダシにするとは最低だ」と怒りをあらわにしつつも、ユ教授から「ハンスクを敵に回さず、公捜処長の座を手に入れた方がいい」と説得され、完全にジェヒを見捨てます。

ジュンヒョクはジェヒに、追い打ちをかけるように告げました。

「違法な養子縁組だと知ったイソルが、ジェヒを揺すっていた。金欲しさに、イソルの友人ヨンソプが彼女を殺した容疑で逮捕された」

イソルの死の真相は闇に葬られ、ヨンソプにすべての罪が着せられました。嘘が真実を塗り潰した瞬間です。

ハンスクの猟銃とジェヒの「選択」

「嘘ばっかりついて怖くないのか」と呆れるジェヒ。「本家でヒョヌが、あなた(ジュンヒョク)と同じ目に遭い苦しんでも、なんとも思わないのか」と訴えますが、ジュンヒョクの心には響きません。

ジェヒは、ハンスクと最後の対峙をします。ハンスクは「最後まであんたを心配していたイソルを殺したのは、あんただ」と、ジェヒの欲望がすべての元凶であるかのように、彼女の心を徹底的に折りに来ました。

そして、「名誉を守れる最後のチャンスをあげる」と、かつてミンソンが命を絶った時と同じように、ジェヒの前に猟銃を置きます。自殺を強要したのです。

ジェヒは猟銃を受け取ると、ゆっくりと立ち上がり、その銃口をハンスク本人に向けました。

そして、銃声が鳴り響きます。

銃声の結末、そして…

ジェヒはハンスクではなく、その隣にあった高価な絵画を撃ち抜いていました。この行動により、ジェヒは(殺人未遂ではなく器物損壊などで)逮捕されます。

ジュンヒョクは、妻の逮捕を受けて謝罪会見を開きます。

「子供を強く望む妻が、違法な養子縁組という法を犯すほど苦しんでいたことに、気付けなかった」

彼は涙ながらにそう語り、妻の罪を庇い、血の繋がらないヒョヌを立派に育てていくと宣言。この「悲劇の夫」を演じた姿が国民の心を掴み、彼の支持率は過去最高を記録しました。

エピローグ~イソルが残したもの~

数年後、ジェヒは出所します。迎えに来ていたのは、ジョンホでした。

ジェヒは、イソルが住んでいた部屋を訪れます。そこには、彼女がヒョヌのために用意していたであろう、小さなスニーカーが置かれたままでした。

ジェヒが街を歩いていると、ヒョンサン強制撤去の件で、車に乗り込もうとする一人の女性ウニョンを目にします。それは、かつて何も知らずに別荘へ向かったイソルの姿と重なります。ジェヒは彼女の手を掴み、**「無駄だから行くな」**と止めました。

翌日、ジェヒは美術館を訪れます。イソルと語り合った、あの絵画の前。そこに、昨日の女性ウニョンが偶然現れます。

ウニョンは、イソルとまったく同じ言葉で、絵の中の人々の未来を案じます。ジェヒは目に涙を浮かべ、イソルの面影を重ねながら、静かに、しかし強く答えました。

「変われる」

【工作都市 欲望のワルツ】20話(最終回)を読んだ感想(ネタバレあり)

なにこれ……。見終わった後、この言葉しか出てきませんでした。あまりにも救いがなく、あまりにも虚無感が残るエンディングです。

あれだけ人の命を弄び、すべてを操ってきたハンスクが、何一つ罰せられない。それどころか、最も醜悪なジュンヒョクが、「妻を庇い、血の繋がらない子を育てる聖人君子」として最高の支持率を得て、大統領への道を突き進む。

正義はどこにもありませんでした。

イソルの無念は晴らされず、ヨンソプは殺人犯に仕立て上げられ、ジョンホは職を失い、ガンヒョンやドンミンは権力に屈しました。

ジェヒも、ハンスクに銃口を向けたものの、結局は絵画を撃つことしかできず、刑務所へ。彼女が人生の全てを賭けて目指した「大統領夫人の座」は、最悪の形で夫のものとなり、彼女自身はすべてを失いました。

ただ、最後のシーンに唯一の救いがあったのかもしれません。

ジェヒは、イソルと同じように搾取されそうになっていたウニョンを、「無駄だから行くな」と止めました。これは、かつて野望のためにすべてを犠牲にして突き進んできたジェヒ自身が、イソルの死を経て初めて口にできた言葉です。

そして、イソルと同じ言葉を口にしたウニョンに対し、「変われる」と答えたジェヒ。それは、ハンスクたちが支配するこの腐った世界は「変わらない」かもしれないけれど、あなた(ウニョン)や私(ジェヒ)自身は「変われる」という、ささやかな、しかし確かな希望のようにも聞こえました。

欲望の果てにすべてを失ったジェヒが、イソルの無念と、ヒョヌへの想いを胸に、今度は誰かを守るために第二の人生を歩み始める。そう信じたい、あまりにも切なく、重い最終回でした。

【工作都市 欲望のワルツ】20話(最終回)のネタバレまとめ

  • ジェヒの計画は、ジュンヒョクとガンヒョンの裏切りによって失敗に終わります。
  • ジェヒは釈放され、ジュンヒョクから離婚を突きつけられ、ヒョヌも奪われてしまいます。
  • ドンミン記者の捏造報道により、ジェヒは「違法な養子縁組」を行ったと報じられ、ヨンソプがイソル殺害の犯人として逮捕されました。
  • ハンスクはジェヒに猟銃を渡し自殺を強要しますが、ジェヒはハンスクではなく隣の絵画を撃ち、逮捕されます。
  • ジュンヒョクは「妻を庇う夫」を演じて国民の同情を買い、大統領候補として最高の支持率を得ます。
  • 数年後、出所したジェヒはジョンホと再会。イソルの部屋で彼女がヒョヌのために用意した靴を見つけます。
  • ジェヒは、イソルと重なる境遇の女性ウニョンと出会い、イソルと交わしたのと同じ会話をしながら、**「変われる」**と涙を浮かべました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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