【復讐の王子様】11話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【復讐の王子様】第11話をネタバレありで解説する
第10話にて、美馬響(みま ひびき)に導かれるままキャバクラで働かされ、警察のガサ入れに遭うという最悪の事態に陥った柳萌絵(やなぎ もえ)。第11話では、そのたった一夜の過ちが、彼女の人生の全てを破壊していく、まさに地獄絵図のような転落劇が描かれます。
社会的制裁と信用の失墜
響が仕掛けた罠は、萌絵の想像を遥かに超える規模で、彼女の日常を侵食していきます。
瞬く間に拡散される「不祥事」
警察に連行される萌絵の姿は、野次馬のスマートフォンによって撮影されていました。 そして、その写真は「キャバクラにめっちゃ来てたw」 、「写真にのってる女は や○ぎ医院の娘っぽいな」 といったコメントと共に、瞬く間にSNSで拡散されてしまいます。 個人の過ちは、デジタルタトゥーとなって、一瞬で世間の知るところとなったのです。
病院への大打撃と家族の怒り
この不祥事は、萌絵個人の問題では済みませんでした。彼女の実家である「やなぎ医院」には抗議の電話が殺到し、病院の信用はガタ落ちに。 警察署に迎えに来た父親は、怒りに顔を歪ませ萌絵を平手打ちし、「なんてことしてくれたんだ!!」「お前のせいでっ!!」と怒鳴りつけます。 さらに、萌絵が身分証として盗み出した運転免許証の持ち主である姉も、「アンタ!私の運転免許証盗んだでしょ!」と激しく彼女を詰るのでした。
全てを失うということ
家族からの信頼を失った萌絵を待っていたのは、社会的な孤立でした。
勘当、そして退学処分
家庭内で「この恥晒しが!!」「お前とは縁を切る!!」と父親から勘当を言い渡された萌絵。 さらに、「学校もやめろ!」「働いて金が貯まったらすぐ出ていけ!!」と、家からも追い出されることが決定します。 翌日、私物をまとめるために登校した彼女を待っていたのは、退学処分という現実と、クラスメイトたちの好奇と侮蔑の視線でした。
親友からの最後通告
そんな萌絵に追い打ちをかけたのは、他ならぬ親友・玲奈でした。彼女は萌絵を呼び止めると、「オヤジとヤったんだって?」と下劣な噂をぶつけ、嘲笑します。 萌絵が「いつも萌絵がお金だしてあげてたのに…」 と訴えても、玲奈は「金のないアンタなんか用なしよ」「アンタと一緒にいたら私のレベルが落ちるでしょ」 と言い放ち、彼女たちの友情が金銭だけで成り立っていたものだったことを証明しました。
絶望の淵に響く声
家族、学校、友人、そしてお金。全てを失い、完全に孤立無援となった萌絵。
途絶えた連絡と募る不安
この一連の騒動の間、萌絵が心の支えとしていた響からの連絡は、一切ありませんでした。 彼も学校に来ておらず、萌絵の不安は募るばかりです。
「ようやく舞台が整った」
誰もいない自室で、「なんで萌絵ばっか責めるわけ!?」と理不尽を嘆く萌絵。 その時、鳴らないはずの彼女のスマートフォンが着信を告げます。相手は、ずっと連絡が取れなかった「響♡」でした。 震える手で電話に出る萌絵に、響は静かに、そして冷たく告げます。 「ようやく舞台が整った」 「お待たせ、萌絵」 その声は、萌絵を救う天使のものではなく、彼女を地獄の底へと突き落とす、悪魔の囁きでした。
まとめ【復讐の王子様】11話を読んだ感想
第11話は、まさにジェットコースターのような転落劇で、読んでいて息が詰まる思いでした。響が仕掛けた罠が、SNSでの拡散、家族の崩壊、退学、友人からの絶縁と、完璧なコンボとなって萌絵の人生を木っ端微塵にしていく様は、恐ろしくも見事としか言いようがありません。
特に印象的だったのは、玲奈の裏切りです。萌絵が全てを失った瞬間に、手のひらを返して彼女を侮辱する姿は、人間の醜さを凝縮したかのようでした。しかし、これも響の計算の内。彼は萌絵が社会的に孤立するだけでなく、精神的にも完全に一人になるよう仕向けていたのです。
そして、最も鳥肌が立ったのが、全ての破壊が終わった、まさにそのタイミングでかかってきた響からの電話です。彼はずっと、萌絵が味わう苦しみの全てを、どこかで見聞きしていたのでしょう。そして、彼女が最も絶望した瞬間に現れるのです。
最後の「ようやく舞台が整った」というセリフは、これまでの出来事すべてが、彼が描く復讐劇の「前準備」に過ぎなかったことを意味しています。家族も友人も失い、社会から抹殺された萌絵に、彼はこれから何をさせようというのでしょうか。本当の地獄は、まだ始まったばかり。そう感じさせる、あまりにも秀逸で残酷な引きでした。
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