【復讐の王子様】49話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【復讐の王子様】第49話をネタバレありでわかりやすく解説する

前話でついに母との再会と外出の約束を果たし、一筋の光が見えた響。しかし第49話では、その希望が、最も残酷な形で打ち砕かれます。物語は最大の悲劇を迎え、復讐の炎が再び燃え盛ります。

束の間の希望、そして突然の悲劇

悪夢の始まりを告げる朝

物語は、響の母・和子が入院する病室の、静かな朝から始まります。いつものように検温に訪れた看護師は、普段なら起きているはずの和子が、呼びかけに全く反応しないことに異変を感じます 。その体は氷のように冷たくなっており、看護師は緊急事態を悟り、慌ててナースコールを押すのでした 。

打ち砕かれた約束

その頃、響は母との外出を心待ちにしていました 。しかし、彼のスマートフォンに病院から着信が入ります。告げられたのは、「お母様の容態が急変しました」「すぐに来てください！」という、信じがたい知らせでした 。「嘘だ」と叫び、彼は夢中で病院へと駆け出します 。

非情な宣告、母の死

受け入れがたい現実

病院に駆けつけた響を待っていたのは、担当医からの「残念ながら回復には至らず…」という、あまりにも非情な宣告でした 。昨日、あれほど元気で、一緒に食事に行く約束をしたばかりだった母の突然の死。響は「だって昨日約束したんですよ!!!」と泣き叫び、現実を受け入れることができません 。医師は、死因が急性心不全による突然死である可能性が高いと、淡々と説明するのみでした 。

悲しみの底で見つけた犯人の「香り」

届かなかった想い

医師を振り払い、母の病室へとたどり着いた響。そこに横たわっていたのは、白いシーツをかけられた、冷たい母の亡骸でした 。彼はその亡骸にすがりつき、「お母さん 目を開けて…」と、ただ泣き崩れます 。ついに本当の姿を明かすことも、共に穏やかに暮らすという夢を叶えることも、もうできません 。

犯人へと繋がる唯一の手がかり

悲しみに打ちひしがれる響は、その時、母の体からふわりと香る、ある匂いに気がつきます 。それは、柑橘系の上品な「ベルガモットの香り」 。その香りをどこかで嗅いだことがある、と記憶を辿った彼の脳裏に、ある人物の顔が浮かび上がります。それは、パーティー会場で対峙した、妃菜乃の香りでした。

「あいつだ」

母の死が、ただの突然死ではないと確信した響の目は、悲しみから憎悪の色へと変わります。彼は真実を突き止めるため、看護師に「お願いします！」「防犯カメラの映像を見せてください！」と、激しく詰め寄るのでした 。

【復讐の王子様】49話を読んだ感想（ネタバレあり）

今回の49話は、物語全体を通しても、最も悲しく、そして最も残酷な回だったのではないでしょうか。母の覚醒という一筋の光が見えた直後に、これ以上ないほどの絶望に突き落とす展開には、本当に言葉を失いました。響が母の亡骸にすがりついて泣き叫ぶシーンは、彼のこれまでの苦悩と、たった一つの願いが打ち砕かれた痛みが伝わってきて、読んでいて胸が張り裂けそうでした。

しかし、この悲劇は、物語を新たなステージへと引き上げる重要な転換点にもなっています。母の死が、妃菜乃による計画的な犯行であったことが示唆されたことで、この物語は単なるいじめへの復讐劇から、母の仇を討つという、より切実なサスペンスへと変貌を遂げました。46話で蘭子が妃菜乃に渡した「ベルガモットの香水」という伏線が、ここで決定的な証拠として機能する構成の見事さには、思わず唸ってしまいます。

唯一の心の支えを奪われた響の怒りと憎しみは、今や頂点に達しているはずです。彼の復讐は、もはや個人的な過去の清算ではありません。許されざる悪に対する、正義の鉄槌を下すための戦いが、今、始まろうとしています。

【復讐の王子様】49話のネタバレまとめ

• 響との外出を楽しみにしていた母・和子が、翌朝、病室で亡くなっているのが発見されます 。
• 病院に駆けつけた響は、医師から母が突然死したことを告げられ、悲しみに打ちひしがれます 。
• 響は母の亡骸から香るベルガモットの匂いをきっかけに、母の死が妃菜乃による殺人であると確信します 。
• 真実を突き止めるため、響は病院の防犯カメラの映像を確認しようと行動を開始しました 。

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コマさん（koma）

野生のライトノベル作家

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社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》