【悪いのはあなたです】10話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【悪いのはあなたです】第10話をネタバレありでわかりやすく解説する

病院で鉢合わせてしまった、莉子、タクマ、そしてミカ。最悪の三角関係が露呈した病室で、物語はミカの視点から過去へと遡ります。彼女が抱える、歪んでしまった愛情の根源が、今、明らかになります。

今回はミカの過去を振り返る特別編

この第10話は、莉子の親友でありながら、その恋人タクマと不倫関係にあるミカの過去を振り返るエピソードです。彼女がなぜ、友人の恋人と関係を持つに至ったのか。その壮絶な片思いの歴史が語られます。

タクマとの出会いと、報われない恋

物語は、ミカがまだ23歳だった頃の回想から始まります 。彼女は、大学生の頃からタクマが組んでいたバンドのファンでした 。SNSで彼のバンドが下北沢でライブをすると知ったミカは、すぐさま会いに行き、そこでタクマに恋をします 。

彼女は積極的にアプローチをかけますが、タクマは「えー じゃあ……友だちでもいいなら」と、彼女の好意を真正面からは受け止めません 。

しかし、彼はミカと体の関係を持つ「恋人ごっこ」には応じてくれました 。ミカは、彼が本気になることはないと知りながらも、その曖昧な関係に溺れていきます 。

本命の彼女「莉子」の登場

そんな歪な関係は、タクマの”本命の彼女”である莉子が上京してきたことで、終わりを告げます 。バンド仲間から莉子を紹介されたミカが最初に抱いた感想は、「めっちゃ普通…」という、見下した感情でした 。

「私の方が良くない…？」

自分の方がタクマにふさわしい。その思いとは裏腹に、莉子はタクマの隣で幸せそうに笑っています。悔しさをにじませながらも、ミカはタクマのそばに居続けるために、「友だち」として彼らと関わり続ける道を選びます 。

歪んだ愛情と「投資」

やがてミカは別の男性と結婚しますが、彼女の心がタクマから離れることはありませんでした。夫から子供を望まれても、彼女の頭の中はタクマのことでいっぱいです 。

「私の人生はどうでもいい タクマ以上に愛せる人なんていないし」

自分の幸せを諦めた彼女は、その全ての情熱を「タクマの夢を応援すること」に注ぎます。タクマの人生が輝くことこそが、彼女の唯一の生きがいとなっていたのです。 だからこそ、彼が事故をきっかけに「音楽をやめる」と決意したことが、ミカには許せませんでした 。彼女にとって、それは自らの存在意義が失われることと同義だったのです。

病院での対峙、そして宣戦布告

回想は終わり、物語は再び現在の病室へ。 莉子とタクマの前に現れたミカは、涙を隠し、満面の笑みで「タクマ心配したよ〜！？」と駆け寄ります 。その姿は、事情を知らないタクマから見れば、ただの心優しい友人にしか見えません。

しかし、莉子に向ける彼女の視線の奥には、燃え盛る嫉妬と決意の炎が宿っていました。 彼女は心の中で、莉子に対して静かに、しかしはっきりと宣戦布告をするのでした。

「莉子 あなたにタクマを終わりにさせない」

タクマの夢を終わらせようとする莉子こそが「悪」。彼女は、自分の信じる正義のために、これから莉子の前に立ちはだかることを決意したのです。

【悪いのはあなたです】10話を読んだ感想（ネタバレあり）

今回は、これまで一方的な悪役に見えていたミカさんの内面が深く描かれ、物語にさらなる奥行きが生まれたように感じます。彼女の行動は決して許されるものではありませんが、その根底にあるのは、あまりにも一途で、そして報われない片思いでした。自分の人生を捨ててまで、好きな人の夢を応援し続ける姿は、歪んでいると分かっていても、どこか同情を誘います。

特に、「これは不倫じゃない、投資だもん」というセリフは、彼女のキャラクターを象徴する名言だと思います。そうでも思わなければ、自分を保てなかったのでしょう。彼女にとって、タクマさんはもはや信仰の対象であり、彼の音楽は聖典のようなものだったのかもしれません。 だからこそ、タクマさんが音楽をやめるという決断は、彼女にとって世界の終わりを意味します。最後の「あなたにタクマを終わりにさせない」というモノローグは、もはや恋敵への嫉妬ではなく、信仰を汚す者への怒りのように聞こえ、ゾッとしました。

莉子、タクマ、ミカ、そしてツトム。全員がそれぞれの「正義」と「欲望」を抱え、物語はますます混沌としてきました。単純な不倫劇ではない、人間の業の深さを描いたこの作品から、今後も目が離せません。

【悪いのはあなたです】10話のネタバレまとめ

• 今回は、タクマの浮気相手であるミカの視点から過去が語られる。
• ミカは大学生の頃からタクマのバンドのファンで、彼に恋をしていたが、本命の恋人にはなれなかった 。
• 莉子が登場した後も、ミカは「ファン」としてタクマを応援し続け、結婚後も彼との関係を続けていた 。
• ミカにとってタクマの音楽活動は自らの生きがいであり、彼が音楽をやめることは許せないと考えていた 。
• 現在、病院を訪れたミカは、タクマの夢を終わらせようとする莉子に対し、心の中で宣戦布告する 。

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コマさん（koma）

野生のライトノベル作家

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社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》