不倫モノ

【悪いのはあなたです】17話(最終回)あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 芳子に刺されそうになった莉子は、もみ合いの末に反撃し、逆に芳子を負傷させる。
  • 逆上した莉子はハサミを手にし、芳子とツトムを脅迫。絶体絶命の状況で、ツトムは初めて妻の芳子を庇う。
  • ツトムの言葉に芳子は心を動かされ、二人は涙ながらに和解。その隙に莉子は家から脱出する。
  • 後日、ミカと和解した莉子は、タクマの夢を応援するために、自ら別れを切り出す。
  • タクマは莉子の想いを受け入れ、「音楽で成功したら必ず迎えに行く」と約束し、二人は円満に別れる。

【悪いのはあなたです】第17話(最終回)をネタバレありでわかりやすく解説する

7年間という長い月日を共にした恋人との、突然の別れ。それは本当に正しい選択だったのでしょうか。物語は、莉子とタクマが別々の道を歩み始めてからの、長い歳月を描き出します。

7年間の恋との決別

タクマと別れた後、莉子は一人になりました。30歳を手前にして、長年連れ添った恋人を自ら手放したこと。その選択が正しかったのか、彼女の心には迷いが生まれます。 しかし、彼女は信じていました。なんだかんだ言って優しいタクマは、自分がそばにいる限り、きっと自分のことを優先してしまうだろう、と。彼が夢を追うためには、この別れが必要だったのです。

歳月が流れて

別れから月日は流れ、莉子は30歳になります。新しい仕事を見つけ、新宿の職場で働き始めますが、心は満たされません。 31歳の時、電話で母にタクマとの別れを報告すると、母は泣いていました。 33歳になると、かつての親友ミカが双子を産み、幸せな家庭を築いているという噂を耳にします。 35歳。遊ぶ友人もいなくなり、孤独な日々の中で、莉子は植物を育てるという新しい趣味を見つけます。小さな葉が少しずつ大きくなっていく様子を見つめながら、彼女は心のどこかで、まだタクマのことを待ち続けていました。

そして、36歳の時。父親の体調が悪化したことをきっかけに、莉子は東京を離れ、実家に帰ることを決意します。

遠い場所からの応援

実家に戻り、37歳になった莉子。親からは孫の顔が見たいと寂しそうに言われますが、彼女の心は静かでした。 彼女には、誰にも言えない秘密の習慣がありました。それは、今も音楽活動を頑張っているタクマを、陰ながら応援し続けることです。

彼のCDが発売されるたびに3枚ずつ購入し、ライブには行かなくても、心の中でいつも彼の成功を祈っていました。 そんなある日、莉子はタクマが来週、音楽番組に出演することを知ります。その知らせは、彼女の心を久しぶりに高鳴らせました。

約束の時

そして、運命の日。莉子はテレビの前で、夢を叶えたタクマの姿を見届けます。スポットライトを浴びて歌う彼の姿は、昔とは比べ物にならないほど輝いていました。 「嬉しかった 自分のことみたいに…」。莉子は、自分のせいで彼の人生が奪われなくて本当に良かったと、涙を流して喜びます。

その数日後。地元のショッピングモールで花屋として働く莉子は、ふと、タクマとの過去を思い出していました。もう終わったことだと自分に言い聞かせながらも、心の整理はまだついていません。 そんな彼女の前に、一人の男性が現れます。

7年越しの再会

「莉子 久しぶり…」

そこに立っていたのは、すっかり大人の男性になった、タクマでした。彼は莉子の実家を訪ね、彼女の居場所を聞いて、わざわざ会いに来てくれたのです。

「だから莉子 迎えに来たよ あの時の約束通り

突然の出来事に、莉子は涙が止まりません。「もうアラフォーだけど!?」と、過ぎ去った歳月を嘆く彼女に、タクマは優しく微笑みます。 彼は莉子の左手を取り、そこに輝く指輪をはめました。

「今度はちゃんとした指輪買ってきたよ」 「莉子といると楽しいし気楽だし 一緒に年とるなら莉子しか考えられない」 彼は、成功したから迎えに来たのではありません。ただずっと、彼女のことを忘れられなかったのです。

「私もずっとタクマが好きだったよ」

長い回り道の末、二人はようやく素直な気持ちを伝え合います。物語は、海辺で固く手を握り合う二人の姿で、静かに幕を閉じるのでした。

【悪いのはあなたです】17話(最終回)を読んだ感想(ネタバレあり)

壮絶な展開が続いたこの物語が、これほどまでに穏やかで、温かい結末を迎えるとは思いませんでした。最終回は、まるで一本の上質な映画を観た後のような、深い感動と余韻に満ちています。 7年という長い歳月を描いたことで、莉子さんとタクマさん、それぞれの成長が非常に丁寧に伝わってきました。特に莉子さんが、ただ待つだけでなく、自分の人生を静かに歩みながらも、心の中でずっとタクマさんを応援し続けていた姿には胸を打たれました。

そして、約束を果たしに現れたタクマさん。彼はただ成功しただけでなく、一人の人間として大きく成長していました。彼が莉子さんを選んだ理由が、「一緒にいて楽しいし気楽だから」という、ごく自然で温かいものであったことが、二人の関係が本物であることを証明しているように感じます。 派手な成功や、刺激的な非日常ではなく、穏やかで平和な日常の中にこそ、本当の幸せがある。この物語は、その普遍的な真実を、痛みを伴いながらも美しく描き切ってくれました。

「悪いのはあなたです」というタイトルは、物語を通して登場人物たちが互いに問い続けた言葉でした。しかし、最終的に彼らは、誰が悪いのかを問うのではなく、互いを許し、自分自身の足で未来へと歩み始めました。最高の最終回だったと思います。

【悪いのはあなたです】17話(最終回)のネタバレまとめ

  • タクマと別れた後、莉子は一人で静かな日々を送り、36歳の時に父親の看病のため実家に戻る。
  • 莉子は陰ながらタクマの音楽活動を応援し続け、彼が音楽番組に出演し、夢を叶えたことを見届ける。
  • 有名になったタクマは、約束通り莉子を迎えに彼女の地元へやってくる。
  • 彼は「ずっと忘れられなかった」と本心を伝え、莉子に指輪を渡してプロポーズする。
  • 長い年月を経て、二人は再び結ばれ、物語は完結する。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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