復讐モノ

【愛にはどうぞ花を添えて】2話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 主人公のつぼみは、職場のスーパーで客から花の「蕾(つぼみ)」について怒鳴られ、自分のことだと勘違いしてしまう。
  • 仕事終わりには同僚から陰口を叩かれ、職場で孤立している。
  • 帰宅すると、夫の弘から高圧的な態度で迎えられ、夕食について厳しくなじられる。
  • 生活費の困窮を訴えるも聞き入れられず、最後は「”つぼみ”の分際で」という暴言を浴びせられる。

【愛にはどうぞ花を添えて】第2話をネタバレありでわかりやすく解説する

夫からの心ない言葉に深く傷ついたつぼみ。第2話では、彼女が強いられるさらなる屈辱と、そんな日々に差し込む一筋の光が描かれます。

食事の前の「儀式」- 夫からの屈辱

第1話のラスト、夫の弘から「”つぼみ”の分際で」と怒鳴りつけられたつぼみは、力なく「…ごめんなさい」と謝ります 。 すると弘は、冷めた表情で「まぁいい」と呟き、食事の前に衝撃的な命令を下すのです

咥えろ

つぼみは「ご飯…冷めちゃいますよ?」と、かろうじて抵抗を試みますが、弘はそれを一笑に付します

夫に奉仕するのが妻の勤めだろ?

有無を言わせぬその言葉に、つぼみは従うしかありませんでした。 そして行為が終わると、弘は追い打ちをかけるように「いつもの言えよ?」と促します 。 つぼみは、唇を震わせながら、まるで呪文のように決められた言葉を口にするのでした。

役立たずな私と結婚して下さって ありがとうございます

この言葉は、彼らの歪んだ関係性を象徴しています。 満足げな弘は「俺のおかげでいい生活してる事 忘れるなよ」と念を押し、つぼみはただ「…はい」と答えることしかできません 。 彼女は、スーパーでぞんざいに扱われていた花の蕾と自分を重ね合わせ、「捨てられないように努力しないと」と、必死に自分に言い聞かせるのでした

予期せぬ帰り道と一筋の光

場面は変わり、別の日。仕事を終えたつぼみが職場を出ると、またしても同僚たちの陰口が聞こえてきます 。 「ほら見て 昨日と同じ服着てる」 。 そんな言葉に心を痛めながらも、つぼみは「雅弘さんが帰ってくる前に」と、急いで帰路につきます

ところが、いつも使っている近道が工事で「全面通行止」になっていました 。 夫の機嫌を損ねてはいけないと焦るつぼみでしたが、そのとき、スマートフォンに通知が入ります。 それは、弘からの「今日は会議で遅くなる。夕飯はいらない」という珍しい連絡でした

夫の帰りが遅いという事実に、つぼみはほんの少しだけ気持ちが軽くなります。 そして、普段は通らない道を選んで、ゆっくりと歩き始めました

懐かしい花の香りと記憶の扉

いつもと違う道、いつもと違う時間。見える風景の違いが、つぼみに自身の現状を改めて突きつけます

「結婚したら幸せになれると思ってたのに…どうしてこんな毎日を…」

思わず涙ぐんでしまったその時、ふわりと花の香りが漂ってきました 。 香りに誘われるように顔を上げると、そこには「Florist for all」という名前の、これまで全く気づかなかったお洒落な花屋がありました

店先に飾られた色とりどりの花。その中の一つに、つぼみは見覚えがありました。 それは、中学時代に園芸部で一生懸命育てていた花でした 。 懐かしい記憶が蘇りますが、肝心な花の名前がどうしても思い出せません。

運命の再会 – 恩師との出会い

「えっと…なんて言う花だったっけ」 。 つぼみが記憶をたどると、脳裏に優しげな男性の姿が浮かび上がります。 それは、園芸部の顧問だった恩師・皆野先生でした

先生は、花の名前が「ガーベラ」であること 、そしてピンクのガーベラの花言葉が「感謝」や「熱愛」であることを教えてくれました 。 「花言葉を知るとよりお世話が楽しくなりますよ」 。 先生の温かい言葉が、つぼみの心にじんわりと広がっていきます。

懐かしい思い出に浸っていた、その瞬間。カラン、コロンと軽やかな音を立てて花屋のドアが開き、中から一人の男性が現れました

「いらっしゃいませ もしよかったら店内もご覧下さいね」

穏やかな声に顔を上げた つぼみは、息を呑みます。 そこに立っていたのは、学生時代の面影を残している皆野先生その人だったのです 。

【愛にはどうぞ花を添えて】2話を読んだ感想(ネタバレあり)

第2話は、前半と後半のコントラストが非常に鮮やかで、読んでいるこちらの感情も大きく揺さぶられました。前半で描かれる夫からの屈辱的な「儀式」は、身体的なものだけでなく、つぼみの尊厳を言葉で徹底的に奪う精神的な暴力であり、読んでいて本当に息が詰まるようでした。「役立たずな私と…」というセリフを言わせる場面は、この夫婦の関係がいかに歪で、支配的なものであるかを物語っています。

しかし、物語は後半で一転します。夫からの予期せぬ連絡によって生まれた、ほんのわずかな「自由時間」。それがきっかけで、つぼみはいつもと違う道を選び、過去の幸せな記憶の象徴である「花屋」と「ガーベラ」にたどり着きます。絶望的な毎日の中で、ほんの偶然が小さな希望の扉を開くという展開に、少しだけ救われたような気持ちになりました。

そして、ラストの皆野先生との衝撃的な再会。暗闇の中にいたつぼみの世界に、ようやく一筋の光が差し込んだように感じます。彼との再会は、果たして偶然なのでしょうか。この出会いが、夫の支配から逃れ、彼女が自分自身の人生を取り戻すための、大きな一歩になることを心から願わずにはいられません。

【愛にはどうぞ花を添えて】2話のネタバレまとめ

  • 夫の弘は、つぼみに屈辱的な行為を強要し、「役立たずな私と結婚して下さってありがとうございます」と言わせる 。
  • つぼみは、スーパーの花の蕾と自分を重ね、「捨てられないように努力しないと」と心に誓う 。
  • 別の日、仕事帰りに近道が通行止めになっていたが、夫から「夕飯はいらない」と連絡が入り、いつもと違う道で帰ることにする 。
  • 帰り道に見つけた花屋で、中学時代に育てた「ガーベラ」を見つけ、恩師・皆野先生との温かい思い出が蘇る 。
  • 花屋から出てきた店員が、成長した皆野先生であることに気づき、物語は終わる 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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