【未来のムスコ~恋人いない歴10年の私に息子が降ってきた!】2話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説|まーくんは誰?

第1話では、28歳の売れない劇団員・汐川未来の前に、突然「ミライからきた」という彼女の息子・颯太が現れました。戸惑いながらも、未来は颯太の誕生日をコンビニのプリンで祝い、『だんない』という魔法の言葉を通じて、彼を息子として受け入れるまでが描かれました。
【未来のムスコ~恋人いない歴10年の私に息子が降ってきた!】第2話をネタバレありでわかりやすく解説する
母親になる覚悟と突然の訪問者
第2話は、未来が颯太のために新しい服を買い与えるシーンから始まります。 しかし、子供服のサイズ感など分かるはずもない未来が選んだ服は、案の定、颯太には大きすぎました 。袖から手が出ず、「てがでてこなーい おばけー」 と無邪気に部屋を走り回る颯太の姿。未来は(まあだんない だんない すぐぴったりになるわ) と、どこか他人事のように思いながらも、少しだけ「母親」らしい感想を抱きます。
その一方で、彼女の心には無視できない現実的な不安が、重くよぎっていました。 (いやちょっと待って 万が一この子が未来に帰れなかったとしたら 現在の私が育ててくわけよね…?) 。 (何の心構えもできてないんだけど!? 今更) 。 昨日までの自分とは全く違う、「母親」という役割を突然突きつけられた彼女の焦りが、痛いほど伝わってきます。
そんな未来の葛藤を遮るかのように、アパートのインターホンが鳴り響きました 。 「はーい」と気のない返事をしながら未来が玄関を開けると、そこに立っていたのは、華やかな雰囲気の友人・沙織でした 。 「おっはよー 未来!」 と明るく挨拶する沙織に対し、未来は「あっ…」「今日だっけ!」 と、遊ぶ約束をすっかり忘れていたことに気づくのでした。
友人・沙織への告白と突きつけられた現実
沙織は、未来の背後、部屋の中にいる颯太の姿をすぐに見つけます。「あんた…」「親戚の子?預かってんの?」 と尋ねる彼女に、未来は言葉を濁します。 「いや親戚っていうか…」「私の息子…なんだよね」 。 この衝撃的な告白に、沙織は「えっ!?」「いつの間に!?」「相手誰!?どんな男!?」 と、当然ながら激しく動揺します。 未来は「誰ともしてないから!」 と必死に否定し、場所を近くの公園に移して、昨夜からの出来事をすべて打ち明けました。
「タイムスリップ!?」 。 未来から語られた突拍子もない話に、沙織は「あんたそれ本気?」「演劇とかじゃなくて?」 と、最初はまったく信じられない様子です。 しかし、未来が「颯太は間違いなく私の未来の息子なの」 と、かつてない真剣な表情で訴えると、沙織は今度は最も現実的な問題を、未来に突きつけます。
「それに身元が証明できないんじゃ どの道 施設行きでしょ」 。 未来が「あの子には今 私しかいないのに」 と感情的に反論しても、沙織の冷静な指摘は続きます。 「仮に息子だとしてもよ 子供ひとり養うだけの余裕ある?」 。 「仕事もある 芝居もある中で 親の役割 全うできんの?」 。 沙織の言葉は、未来が心のどこかで目を背けようとしていた「育児」という現実の重みを、容赦なく明らかにしていきます。「せめて父親が分かれば…」 「まーくんだっけ 心当たりないの?」 という最後の望みに対しても、未来は「まったくない」 と力なく首を振るのでした。
颯太のための節約と保育園という希望
公園で落ち込んだままの未来を、沙織はスーパーマーケットへと連れて行きます。 「つって悩んでたところで 時間が止まってくれるわけじゃないんだし」 。 「とりあえずはちゃんと食わせないと!」 。 現実的でありながらも、未来を突き放さない沙織の優しさに、未来も少しずつ前を向こうとします。
未来は、明日に控えた芝居の稽古の間、颯太にひとりで留守番ができるか尋ねました 。 颯太は「できるーっ」 と、元気いっぱいに返事をします。 未来が「そういや未来ではひとりの時間 何してたの?」 と、未来での颯太の生活について尋ねると、彼は「いつもは ほいくえん いってるよ」 と答えました。 「あーそっか 保育園ねー」 。
この颯太の何気ない一言で、未来の頭に「保育園!!!!」 という希望の光が閃きました。 すっかり忘れていた、と未来は早速スマートフォンを取り出し、「保育園 検索」 を始めます。 画面には「幼児教育・保育の無償化」 という、今の未来にとっては何とも魅力的な文字が。「えっ 無償ってマジ!?」 と、一瞬にして未来の表情が明るくなります。 しかし、沙織は「いやでも雑費だ何だって色々かかるよね こういう場合」 と、ここでも冷静に現実を指摘します。
(ここはぐっと我慢だ) 。 未来は、第1話で「最強~!!」とまで言っていたレモンサワー用のレモン を、そっと棚に戻す決意をしました。「レモンなんて贅沢品だしね」「その分肉!肉買おう!」 。 颯太の健やかな成長を願い、未来は母親として、自分自身のささやかな楽しみを諦めるという、最初の「我慢」と「選択」をしたのです。
『いただきます』の約束と親の責任
アパートに戻り、未来は早速「特製肉野菜炒め」 を作って食卓に並べます。 しかし、颯太は皿の中を箸で探りながら「おにく どどこぁ?」 と一言。どうやら、節約のために買ったわずかな肉は、大量の野菜の中にすっかり隠れてしまったようです。
二人が食事を始めようとした時、未来は颯太が「いただきます」 の挨拶を言わずに食べ始めたことに気づきます。 「やれやれ まったく」「親の顔が見たいもんだよ」 。 そう言って未来が呆れた瞬間、ハッとします。(…って私じゃん!!!) 。その「親」が他ならぬ自分自身であることに気づき、一人でセルフツッコミを入れるのでした。
未来は、自分も母親から教わったことだと前置きし、「おはようとか おやすみとか」 「挨拶っていうのはすごく大切な言葉なの」 と、颯太に優しく教えます。 「だから約束」「毎日ちゃんと元気に挨拶」「できる?」 。 未来が小指を差し出すと、颯太は「できる!」「げんきにあいさつする!」 と、満面の笑顔で指切りを交わしました 。 この微笑ましいやり取りの傍ら、未来の手元のスマートフォンには保育園の費用が映し出されており、(子育てってお金かかるなぁ) と、再び現実の厳しさに直面するのでした。
「こころがイタい」の意味
その夜、未来はバスタブに浸かりながら、必死に明日の稽古の台詞を頭に叩き込んでいます 。夢も子育ても、待ってはくれません。 お風呂から上がった颯太は、そんな未来の様子を見て、ふと疑問を口にしました。 「びんぼうって なに?」 。
未来の腕時計型の端末に搭載されているAIアシスタントは、この純粋な質問に言葉を選びながら、「財産や収入が少なくて 生活が苦しいことです」 と、辞書のように説明します。 「くるしいって なに?」 。 颯太のさらなる問いに、「悩みや悲しみ 後悔などで 心が痛んで辛いことです」 と答えを返します。 颯太は、その言葉の意味を自分の中でゆっくりと噛みしめるように、「こころが イタい…」 と、小さくつぶやきました。
颯太の失踪と未来のお金
翌日、未来は劇団の稽古場にいましたが、心はアパートに残してきた颯太のことでいっぱいです 。 (歳の割にしっかりしてる) と自分に言い聞かせますが、不安は募るばかり。
そこへ、沙織から「大変なの!」 と、血相を変えた様子の電話が入ります 。 沙織は、最近近所で「空き巣や強盗が多発」 しており、「ひとりで留守番してた子供も犠牲になった」 という不穏なニュースを聞き、心配になって未来の家を訪ねてくれていたのです。 「居ないのよ 颯太くんが!」 。 「鍵もかかってなかったし 靴もないから」 「ひとりでどっか出かけたんじゃ…」 。
最悪の報せに、未来の頭は真っ白になります。「ごめんっ 早退させて」 と叫ぶように言い残し、稽古場を飛び出します。 (どこか楽観視してたんだ) 。 (素直な子だからって 歳の割にしっかりしてるしって) 。 (颯太が4歳の子供だって 私ちゃんと知ってたのに…) 。 自分の甘さを激しく後悔しながら、未来は息を切らしてアパートへと走ります。
沙織と合流するも、颯太の行き先に心当たりなどあるはずもありません 。 未来が「誘拐とか…」 と最悪の事態を想像し、震えながら警察へ行こうと決意した、まさにその時でした。 目の前の交番から、警察官に連れられた颯太がひょっこりと出てきたのです 。 未来は安堵で崩れ落ちそうになりながら、「ほんっと――に 申し訳ないです!」 と、警官に何度も何度も頭を下げました。
話によれば、颯太は「スーパーに行こうとして迷子になっていた」 とのこと。 沙織が「スーパー? あんたお金なんて持ってないでしょ」 と不思議そうに言うと、颯太はポケットから一枚のお札を自慢げに取り出しました 。 それは、肖像画が「渋沢栄一」 の、真新しい一万円札でした 。 「渋沢栄一? 新一万円札の発行は まだのはず…」と訝しむ警察官に「最近のおもちゃはすごい」と誤魔化し、 未来と沙織は、颯太が本当に「未来から来た」 という動かぬ証拠を目の当たりにし、言葉を失うのでした。
颯太の優しさと母親の決意
アパートに帰り、未来は颯太になぜ一人でスーパーへ行こうとしたのかを、改めて真剣に尋ねます。 颯太は、叱られると思ったのか、うつむきながら小さな声で「…レモン」 「かおうと おもって」 と答えました。 「えっ レモン?」 。 「だってママ だいすきなのに ガマンしてたでしょ」 。 「ウチが びんぼうだから」 。
未来は、全身に衝撃が走るのを感じました。颯太が「びんぼう」 と「くるしい(こころがイタい)」 という言葉の意味を正しく理解し、自分がレモンを我慢したことで「心が痛んでいる」と、幼いながらに察していたことに気づいたのです。 (あんた そんなにちゃんと見てたの?) 。 (そんなに考えてくれてたの? 私のことを…) 。
未来は、交番の警官に言われた言葉を思い出していました。 「子供は突拍子もない行動を取ったりしますが 本人の中にはちゃんと理由や要因があります」 。 「しっかり話を 聞いてあげてください」 。 颯太の健気な優しさに胸を打たれ、未来は自分の未熟さを深く反省します。
その夜、未来が作ったオムライス を前に、颯太は昨日交わした約束通り、「いた だき まーすっ」 と、満面の笑みで手を合わせました。 「ママもなんかいもいってるー」 と、嬉しそうに何度も「いただきます」を繰り返す颯太の姿を見て、未来はもう一つの事実に気づきます。 (そっか…) (今まで「いただきます」を言う相手が… いなかったからなんだね) 。 「未来でも 現在でも 私が颯太をひとりぼっちに させてしまってたんだ」 。
未来は「ごめんね 颯太」 と、颯太を孤独にさせてしまった「未来の私」の分と、その孤独に気づけなかった「現在の私」の分 、二つの意味を込めて謝ります。 そして、「これからは颯太をひとりに なんかしない」 「友達もたくさん作ろう!」「ちゃんと育てる」 と、母親としての決意を新たにするのでした。
しかし、その決意をあざ笑うかのように、保育園に電話をかけると、返ってきたのは「空きがないんですよ」 「今入園申請していただいても しばらくは待機となりますね…」 という非情な現実の宣告でした 。 (やっぱり私 自信ないかも) 。 未来の母親としての第一歩は、いきなり「待機児童問題」という、あまりにも高く、現実的な壁に阻まれてしまうのでした。
【未来のムスコ~恋人いない歴10年の私に息子が降ってきた!】2話を読んだ感想(ネタバレあり)
第2話は、第1話の感動的な出会いから一転、未来が「母親」になることの現実的な重みを突きつけられる、非常に中身の濃い回だったと思います。 友人・沙織の存在が、この物語に素晴らしい深みを与えていますね。彼女の「施設行きでしょ」 や「余裕ある?」 といった現実的なツッコミは、夢見がちな未来だけでなく、私たち読者に対しても「育児」という行為の厳しさや責任を明確に示してくれました。
しかし、何と言っても心揺さぶられたのは、颯太が未来のためにレモンを買いに行こうとするシーンです 。 未来が教えた「びんぼう」 と「くるしい」 を、颯太が自分の中で「こころがイタい」 と解釈し、大好きなママの「心の痛み」を取り除いてあげようと、たった一人で行動する 。4歳の子供の、その健気さと想像を超える深い優しさには、本当に涙が出そうになりました。
そして、渋沢栄一の新一万円札 という、タイムスリップの動かぬ証拠がここで提示されたのも、物語として非常に巧みだと感じます。 最後のオチが、現代社会を象徴する「待機児童問題」 というのも、あまりにも現実的で…。『だんない』では済まされない未来の苦労が、まだまだ続くことを予感させ、続きがますます気になります。
【未来のムスコ~恋人いない歴10年の私に息子が降ってきた!】2話のネタバレまとめ
- 未来は颯太との生活に戸惑いながらも、「母親」としての覚悟を決めようとしますが、友人・沙織から育児に関する金銭面、身元保証、時間の問題など、厳しい現実を突きつけられます 。
- 未来は颯太のために節約を決意します 。しかし、未来が「びんぼう」 で「こころがイタい」 のだと察した颯太は、彼女のためにレモンを買いに行こうとして迷子になってしまいます 。
- 迷子になった颯太が、未来(=現代)ではまだ発行されていない「新一万円札(渋沢栄一)」 を持っていたことで、彼が本当に未来から来たという決定的な証拠となります 。
- 未来は、颯太が「いただきます」を言う相手がいなかった ことに気づき、未来でも現在でも彼が孤独であったことを知り 、彼を一人にしないと強く誓います 。
- しかし、決意も束の間、颯太を預けるための保育園に「待機児童」 の壁が立ちはだかり、未来は再び自信を失いかけます 。
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