復讐モノ

【未来は私の言う通り 復讐の占い師】19話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 亡くなった男性の妻は、夫の無念を晴らすため、美都の呪いに協力することを決意する
  • 妻の憎しみを取り込んだ美都は、犯人である若者たちへの呪いを完成させた
  • 犯人の晴彦たちは、奪った宝くじを換金しようと企み、犯行を武勇伝のように語り合う
  • 美都の呪いが発動し、突風が吹いて晴彦の手から宝くじが奪われ、美都の手に渡る
  • 宝くじが消えたことにパニックになった晴彦は、仲間が盗んだと勘違いし、仲間割れが始まった

【未来は私の言う通り復讐の占い師】第19話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、美都の呪いによって仲間割れを始めた若者たち。第19話では、その呪いがさらにエスカレートし、彼らが互いを傷つけ合う地獄絵図が描かれます。そして、奪われた宝くじは、本来の持ち主の元へと届けられるのです。

制御不能の暴力、自滅する悪党たち

美都の呪いは、若者たちの体を乗っ取り、彼らの意思とは無関係に、仲間同士で殴り合わせるというものでした。

「違う…手が勝手に…」 「お、おい…どうしよう…体が勝手に……」

リーダーの晴彦に殴られた仲間は、そう弁明しながらも、自分の拳が勝手に晴彦の顔面を殴りつけてしまいます。他の仲間たちも同様に、自分の体が言うことを聞かなくなり、互いに暴力を振るい合うしかできなくなっていました。

「ち、ちくしょう…体が言うこときかねぇっ…!」 「くそがぁっ…!!」

彼らがホームレスの男性に向けた理不尽な暴力が、今度はそっくりそのまま自分たちに返ってきたのです。まさに、因果応報。美都は、彼らが男性に与えた苦しみを、身をもって味あわせるのでした。

最後のプレゼント

届けられた宝くじ

場面は変わり、美都は亡くなった男性の妻が暮らすテントへと訪れていました。彼女は、若者たちから取り返した宝くじを、静かに妻に手渡します。

「おじいさんが持っていた物です」

美都は、夫が5000万円の当選を知っていて襲われたこと、そして彼が「これで奥様に恩返しができるって言ってましたよ」と、夫の最後の言葉を伝えました。

その言葉に、妻の目からは涙が溢れます。 「最後のプレゼントだなんて…あの人らしいわ」

大金を手にしたことよりも、夫が最後まで自分のことを想っていてくれた。その事実が、彼女の心を温かく満たしたのでした。

お金よりも大切なもの

「でもこんなお金よりも…」 妻は、そう言って言葉を詰まらせます。彼女が本当に欲しかったのは、お金ではなく、ただ夫に生きていてほしかった。その叶わぬ願いが、彼女の胸を締め付けます。

美都は、そんな彼女の悲しみに、ただ静かに寄り添うのでした。

呪いの後日と、新たな謎の少年

救急車のサイレン

若者たちが仲間割れをしていた現場には、やがて救急車が駆けつけます。彼らがどうなったのかは描かれませんが、自らの暴力によって、相応の報いを受けたことは間違いないでしょう。

そのサイレンの音を遠くに聞きながら、美都は夜道を一人歩いていました。

「私はあの人に生きてもいたかった」

その呟きには、自分の占いが、結果的に彼の死を招いてしまったことへの、深い後悔と無力感が滲み出ていました。

孤独な少年との出会い

美都が自宅アパートに帰ると、階段の隅で、一人の少年がうずくまっていることに気づきます。「お腹空いた……」と呟くその姿は、まるで過去の自分を見ているかのようでした。

美都は、少年に「おかえり!」と声をかけ、家に招き入れようとします。しかし、少年は怯えたように後ずさり、彼女を睨みつけました。

「なんで……」 「なんで僕は お父さんと仲良くできないんだろう…」

そして、彼の脳裏に浮かぶのは、父親から「近づくんじゃねえ このクソガキ」と罵倒される、悲しい記憶でした。

この少年は一体何者なのか。そして、彼の抱える闇に、美都はどう関わっていくのか。新たな物語の始まりを予感させ、第19話は幕を閉じます。

【未来は私の言う通り復讐の占い師】19話を読んだ感想(ネタバレあり)

第19話は、復讐の完結と、新たな物語の序章が巧みに描かれた回でした。前半の、若者たちが自らの暴力で自滅していくシーンは、これ以上ないほどの「ザマァ」展開で、非常に爽快でした。彼らが被害者に与えた恐怖と苦痛を、そのまま自分たちで味わう。まさに、美都らしい、最も残酷で効果的な呪いの形だったと思います。

そして、奥さんに宝くじを届けるシーン。ここでの「最後のプレゼントだなんて…あの人らしいわ」というセリフには、涙腺が緩みました。夫の優しさと愛情が、形を変えて最愛の人の元へ届いた。悲しい結末ではありましたが、そこに一筋の救いが見えた気がします。美都の「私はあの人に生きててもらいたかった」という後悔の言葉も、彼女の人間味を感じさせて、非常に印象的でした。

しかし、この物語は決して読者を安らかな気持ちのままでは終わらせてくれません。最後に登場した、謎の少年。彼が抱える父親との確執は、美都自身の過去とも重なります。彼の「なんで仲良くできないんだろう」という純粋な問いかけは、あまりにも切なく、胸に突き刺さりました。

ホームレスの男性の物語が終わり、一息つく間もなく、また新たな悲劇の影が忍び寄る。この息もつかせぬ展開こそが、この作品の魅力なのだと改めて感じました。この少年は、美都の次の「依頼者」となるのでしょうか。それとも…。今後の展開から目が離せません。

【未来は私の言う通り復讐の占い師】19話のネタバレまとめ

  • 美都の呪いにより、若者たちは自分の意思とは関係なく、仲間同士で殴り合いを始める
  • 彼らは、自分たちが被害者に与えたのと同じ苦しみを味わい、自滅していく
  • 美都は、奪い返した宝くじを亡くなった男性の妻に届け、夫の最後の言葉を伝える
  • 妻は、夫の愛情に涙しながらも、「お金よりも生きていてほしかった」と悲しみに暮れる
  • 美都は、自分の占いが招いた結末に後悔の念を抱く
  • その帰り道、美都はアパートの前で、父親との確執を抱える謎の少年と出会った

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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