復讐モノ

【未来は私の言う通り 復讐の占い師】23話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 7年前、飛び降りた美都と亜子は一命を取り留めるも、亜子は足に重い障害を負い、一生車椅子での生活を余儀なくされる
  • 病院に見舞いに来た両親は、姉妹を「迷惑だ」「死ねばよかった」と罵倒し、治療費の支払いを拒否する
  • その後、両親は「金がかかるし面倒」という理由で、病院に姉妹を置き去りにして失踪した
  • 全てを奪われ、絶望の淵に立たされた美都は、両親への復讐を固く誓うのだった

【未来は私の言う通り復讐の占い師】第23話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、美都が復讐の鬼へと変貌を遂げた、あまりにも壮絶な過去が明らかになりました。第23話では、その誓いを胸に、彼女がどうやって現在の「占い師・美都」になったのか、その知られざる道のりが描かれます。これは、一人の少女が絶望の淵から立ち上がり、恐るべき力を手に入れるまでの物語です。

全てを失った少女の再起

両親に捨てられた美都は、すぐに高校を中退します。頼れる大人はどこにもいない。たった一人で、足の不自由な妹を養っていかなければならない。その過酷な現実に、彼女は決して屈しませんでした。

「こんな環境に負けてたまるか……」

まだ17歳の少女には、正社員の仕事など見つかりません。彼女は、昼は工場のライン作業、夜はコールセンターと、複数のアルバイトを掛け持ちして、必死に働き始めます。来る日も来る日も、身を粉にして働き、疲れ果てた体で、妹が待つ小さなアパートへと帰る。その繰り返しの日々でした。

妹を守るための「誓い」

笑顔の裏の決意

ボロボロに疲れ果てて帰宅した美都。しかし、車椅子で出迎えてくれる妹・亜子の前では、決して弱音を吐きません。

「お姉ちゃん…疲れてる…よね」 心配する亜子に、美都は満面の笑みで答えます。「何言ってんの 大丈夫よ」。そして、まるで疲れなど感じていないかのように、明るく夕食の準備を始めるのです。

眠りについた亜子の寝顔を見つめながら、美都は静かに、しかし強く誓います。

「大丈夫だからね…」「私が守るから……」

この誓いこそが、彼女を支える唯一の原動力でした。

復讐への道筋

しかし、ただ働く毎日では、心の中の復讐の炎は消えません。美都は、本屋で「占い」や「呪い」に関する本を読み漁り始めます。

彼女の脳裏に浮かぶのは、憎い両親の顔。 (これてアイツらを呪い殺せたら…)

しかし、彼女はすぐにその考えを打ち消します。 (でもそうしたら私は簡単に捕まって 亜子を一人きりにしてしまう…)

直接的な殺害では、復讐は完遂できない。妹を守ることもできない。では、どうすればいいのか。彼女がたどり着いた答えは、あまりにも恐ろしいものでした。

「楽に死なせたくない」「生きたまま地獄を味わわせてやりたい」

占い師「美都」の誕生

呪術の補助としての「占い」

「呪術で食べていける保証なんてない…」。現実的な問題に直面した美都は、呪いの研究の傍ら、その補助的な知識として「占い」を学び始めます。

最初は、ただの生活の足しにするつもりでした。しかし、彼女には天賦の才があったのです。いつの間にか、彼女の占いは「当たる」と評判になり始めます。

芸能人やインフルエンサーが、撮影の合間に彼女の占いを体験し、その的中率に驚愕。「不思議とピッタリ」「核心を突かれて納得」といった口コミがSNSで拡散され、美都の元には、大勢の客が押し寄せるようになったのです。

ついに手にした自分の「城」

口コミの力で、美都はついに自分の店「はちかけ」を持つまでに至ります。彼女は、訪れる客たちの心に潜む、深い「恨み」の感情を目の当たりにするようになりました。

「うちの部長…私を目の敵にしてて…人格まで否定されてて…」 「もう殺したいぐらいです じゃないといつか殺されてしまう」

客の口から語られる、自分と同じような理不-尽な苦しみ。それを見聞きするうちに、美都の心にある考えが浮かびます。

(あれを試す時が…来た…)

最初の呪いと、その代償

ある日、美都は一人の男性客を占っていました。彼は、会社での人間関係に悩み、強い恨みを抱いています。美都は、彼に「呪いは信じる?」と問いかけ、最初の復讐代行を実行に移します。

その結果は、劇的でした。駅のホームで、その男性を罵倒していた上司が、突然バランスを崩して線路へと転落したのです。

「人が落ちたぞー!」

遠くからその光景を確認した美都は、自分の力が本物であることを確信します。「よかった…ちゃんとできた…」。

しかし、その力の行使には、大きな代償が伴うことを、彼女はまだ知りませんでした。呪いを実行した後、美都は強烈な吐き気に襲われ、黒い血を吐き出してしまったのです。

「これが呪い返しか…………」

自分の命を削るという、恐るべき代償。しかし、その痛みは、逆に彼女の力を確信させ、復讐への決意をさらに固いものにしました。「私の力は確実に増していった」。日々の占いを重ねることで、彼女は呪術師として、そして復讐の代行者として、その能力を研ぎ澄ませていったのです。

【未来は私の言う通り復讐の占い師】23話を読んだ感想(ネタバレあり)

第23話は、現在の「占い師・美都」がどのようにして完成したのか、その壮絶な道のりを描いた、非常に重要なオリジンストーリーでした。両親に捨てられた後、たった一人で妹を支えるために身を粉にして働く姿には、彼女の芯の強さと、亜子への深い愛情が感じられて、胸が熱くなりました。

そして、復讐の方法を模索する中で、「生きたまま地獄を味わわせてやりたい」という結論に至るシーンは、彼女のキャラクターを決定づけた、まさに戦慄の瞬間でした。単なる殺害ではなく、相手に最大限の苦しみを与えることに執着する。その歪んでいながらも、ある種純粋な復讐心に、ダークヒロインとしての魅力を感じずにはいられません。

占い師として有名になっていく過程も、非常に興味深かったです。呪術の補助として始めた占いが、皮肉にも彼女に生活の安定と、復讐のための「舞台」を与えた。運命のいたずらのようにも感じられます。

最後の、最初の呪いとその「呪い返し」を経験するシーンは、圧巻でした。自分の力が人を破滅させられることを確信した喜びと、その代償として自らの身を削る苦痛。この光と闇の両方を手にした瞬間こそが、「復讐の占い師・美都」の本当の誕生だったのだと思います。彼女の背負う業の深さと、それでもなお妹のために進み続ける覚悟に、ただただ圧倒される回でした。

【未来は私の言う通り復讐の占い師】23話のネタバレまとめ

  • 両親に捨てられた美都は高校を中退し、複数のアルバイトを掛け持ちして、足が不自由になった妹・亜子の生活を支える
  • 美都は両親への復讐を誓うが、逮捕されて亜子を一人にしないため、「生きたまま地獄を味わわせる」という復讐方法を模索し始める
  • 呪術の研究の傍ら、生活のために始めた占いが「当たる」と口コミで評判になり、ついに自分の店「はちかけ」を持つ
  • ある日、強い恨みを抱く客に、初めての復讐代行として呪いを実行し、成功させる
  • しかし、その直後、美都は黒い血を吐き、呪いには自らの命を削る「呪い返し」という代償があることを知る
  • 代償を知りながらも、美都は妹のため、そして復讐のため、その力をさらに磨き上げていくことを決意した

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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