復讐モノ

【未来は私の言う通り 復讐の占い師】8話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 友梨佳は、母親から「教育」という名の精神的・肉体的虐待を受けていた
  • 唯一の支えだった父親との連絡が母親にバレてしまい、激しい暴力を受け、父親を殺すと脅される
  • 児童相談所にも助けを求めたが改善されず、絶望した彼女は母親への殺意を募らせる
  • 友梨佳は美都に泣きすがり、「母親を呪ってほしい」と復讐を依頼した

【未来は私の言う通り復讐の占い師】第8話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、母親からの壮絶な虐待の末に、占い師・美都に「呪い」を依頼した女子高生の友梨佳。第8話では、彼女の悲痛な決意と、それを受け止める美都の意外な過去、そして呪いがもたらす恐ろしい結末が描かれます。

少女の決意「信じます!」

「呪いは…信じますか?」という美都の問いに対し、友梨佳は一瞬ためらいます。しかし、美都は追い詰めるようなことはせず、静かにこう告げます。

「まあ、信じるも信じないもあなた次第だから……」

その言葉は、友梨佳に最後の選択を委ねるものでした。これまでの地獄のような日々、誰にも理解されなかった苦しみ。目の前のミステリアスな占い師だけが、自分の心を唯一理解してくれた。その思いが、彼女の心を突き動かします。

友梨佳は、涙を浮かべながらも、強い意志を目に宿して叫びました。

「私……信じます!」

それは、藁にもすがる思いで発せられた、魂からの叫びでした。

美都の脳裏に蘇る、虐待の記憶

友梨佳の悲痛な決意に触れた瞬間、美都の脳裏に、封印していたはずの忌まわしい過去の記憶がフラッシュバックします。

それは、幼い頃の美都が、父親と思われる男性から暴力を振るわれている光景でした。

「これは『教育』なんだよ」

そう言ってタバコを押し付けようとする父親。その狂気の表情は、友梨佳の母親の姿と重なります。「お父さん やめっ…!」「いやだ!」と叫ぶ幼い自分の姿。友梨佳が受けてきた苦しみは、美都自身がかつて経験した地獄と、全く同じものだったのです。

この瞬間、美都が友梨佳に抱く感情が、単なる同情ではない、深い共感であることが明らかになります。

破格の代金「学生割引で500円」

過去の記憶から我に返った美都は、友梨佳に優しく語りかけます。そして、提示された呪いの代金は、あまりにも意外なものでした。

「学生割引で500円ってとこかしら」

以前、和香に25万円を請求した時とは全く違う、破格の金額。それは、美都がこの依頼をビジネスとしてではなく、自分と同じ苦しみを持つ少女を救うための「救済」として捉えていることの表れでした。

「ありがとうございます…!」と感謝する友梨佳に、美都は黒い水晶玉を差し出し、儀式を始めます。「ここに呪いたい人を思い浮かべて手を置いて」。

呪いの代償は「死」

友梨佳が恐る恐る黒い水晶に手を置くと、儀式は静かに始まりました。美都は「呪うのはアナタのお母さんでいいわね?」と最終確認をします。友梨佳が頷くと、水晶からは再び禍々しい黒いオーラが立ち上ります。

しかし、儀式を終えた美都は、友梨佳に衝撃的な事実を告げるのです。

「アナタのお母さんは死ぬことになるわ」

これまで曖昧にされていた「呪い」の具体的な結末。それは、対象者の「死」でした。

少女の心変わり

その言葉を聞いた瞬間、友梨佳の表情は恐怖に凍りつきます。憎んでいたはずの母親。しかし、その「死」を目の前に突きつけられた時、彼女の中に残っていた肉親への情が、憎しみを上回ったのです。

「ごめんなさい!」「やっぱりキャンセルで!」

友梨佳は泣きながら頭を下げ、呪いの撤回を懇願します。虐待は終わらせたい、でも、死んでほしいとまでは思っていなかった。それが彼女の本心でした。

美都は、そんな彼女の反応を予測していたかのように、優しく「気にしないでいいから」と告げます。そして、もしまた気が変わったら連絡するようにと、連絡先を交換して、その日は友梨佳を帰すのでした。

【未来は私の言う通り復讐の占い師】8話を読んだ感想(ネタバレあり)

第8話は、美都のキャラクターの深層に触れる、非常に重要な回でした。彼女が友梨佳に自分自身を重ね合わせ、過去の虐待の記憶がフラッシュバックするシーンは、読んでいて胸が張り裂けそうになりました。彼女がなぜ復讐代行などという危険な仕事をしているのか、その根源にあるのが、自分と同じように理不尽な暴力に苦しむ人々への、あまりにも深い共感と怒りなのだと理解できました。

だからこその「500円」という代金。これはもはや商売ではありません。自分と同じ地獄を生きる少女への、美都なりの最大限の救いの手だったのだと思います。しかし、彼女はただ同情するだけではない。最後に「お母さんは死ぬことになる」と告げたのは、友梨佳に「復讐の本当の重み」を問いかける、ある種の試練だったのではないでしょうか。

そして、友梨佳の「キャンセルで!」という叫び。これもまた、非常に人間らしく、リアルな反応だと感じました。憎しみと愛情は紙一重で、特に親子の関係は複雑です。彼女の心変わりは、決して意志が弱いからではなく、彼女の中にまだ優しさが残っている証拠なのだと思います。

美都は、友梨佳が衝動的に取り返しのつかない選択をしてしまわないよう、あえて残酷な真実を告げたのかもしれません。一度立ち止まり、本当にそれが自分の望むことなのかを考えさせる時間を与えた。そう考えると、美都の行動は、冷徹さの中に深い優しさを秘めているように感じられます。友梨佳は、この後どのような選択をするのか。物語は、より深く、より切ない領域へと足を踏み入れたように思います。

【未来は私の言う通り復讐の占い師】8話のネタバレまとめ

  • 友梨佳は、美都を信じて母親を呪うことを正式に依頼する
  • 友梨佳の話を聞いた美都は、自身が父親から虐待を受けていた過去を思い出す
  • 美都は、友梨佳に同情し、「学生割引」として500円で呪いを請け負う
  • 呪いの儀式を終えた後、美都は「呪いの結果、母親は死ぬ」という衝撃の事実を告げる
  • その言葉に恐怖を感じた友梨佳は、泣きながら呪いのキャンセルを申し出る
  • 美都はそれを受け入れ、気が変わったら連絡するよう伝えて友梨佳を帰した

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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