【本物のファンは私だけ】3話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

2話では、麻衣がグッズコンプリートのためにアヤをコラボカフェに利用しようと企むところから物語が始まりました。しかし、アヤが自力で鷲尾くんのコースターを3枚も引き当て、麻衣に無償で譲るという「女神」のような行動を見せます。その帰り道、麻衣はアヤのスマホに、自分が苦労して手に入れた鷲尾くんの(偽の)LINEアカウントと同じ通知が表示されるのを目撃し、疑惑を抱き始めました。そしてアヤを尾行した麻衣は、鷲尾くんがアヤと同じマンションに入っていくという決定的な瞬間を見てしまい、二人の関係を知ることになります。

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舞台挨拶と麻衣の激情

物語は、舞台「戦ミュ」のカーテンコールから再開します。客席には、鷲尾直也と彼の恋人であるアヤの姿があります 。舞台上では、紫電役の鷲尾直也が「本日はご来場いただき本当にありがとうございます」と挨拶をしています 。麻衣も同じ客席にいますが、彼女の心中は穏やかではありません。

前話でアヤと鷲尾くんが同棲している事実を知ってしまった麻衣は、舞台上の彼を見つめながら、暗い感情に囚われていました。(あの女と 同棲してるの?)(・・・付き合ってるの?)という疑念が、怒りへと変わっていきます 。彼女は、(今まで応援してきた ファンの時間とお金は?)(鷲尾くんは 私みたいな ファンのものなのよ)と、自分の歪んだ所有欲を爆発させます

一方で、麻衣の隣にいる友人たちは、純粋に舞台の余韻に浸っていました。「やっぱ 鷲尾くん ビジュ強・・・」「他メンバーと 段違いだわ」と彼のルックスを褒め、「ファン想いで 作品への リスペクトがある いい役者・・・」と、彼の姿勢を絶賛しています 。この称賛の声すら、今の麻衣には届いていないようでした。

カフェでの建前と本心

終演後、麻衣は友人たちとカフェでお茶をしています。そこで友人から、「ねえ もしも 鷲尾くんに 女がいたら・・・ どうする?」という話題が振られました 。真実を知ってしまった麻衣にとって、これ以上ないほど核心を突く質問です。

しかし、麻衣は自分の本心を隠し、「私はガチ恋じゃ ないけど 心配しちゃうのよね」「やっぱ そーゆーことあると お仕事に影響 しちゃうし?」と、あくまでも「ファンとして」彼を心配しているという建前を崩しません

友人たちは(舞香さん ガチ恋勢では・・・?)と薄々感づいていますが、口には出しません 。さらに別の友人が、「でも鷲尾くんなら 真剣に お付き合いしてそう」「結婚したとしても 相手によるけど 祝福しちゃいますね〜」と無邪気に語ります 。この言葉に、麻衣は「へえ」と冷たく低い声で応じました 。彼女は心の中で、(推しの結婚を 応援するのが 本物のファンだと 思ってるんだ?)と、友人たちを見下していたのです

アヤへの宣戦布告

友人たちと別れた麻衣は、アヤへの攻撃準備を始めます。彼女はまず、「匂わせがないか」とアヤのSNSアカウントを徹底的に調査しました 。しかし、アヤのアカウントは開設から3ヶ月も経っておらず、疑わしい投稿は一切見つかりません 。麻衣は(同棲してるから 余裕ってこと?)と、むしろアヤの「匂わせをしない」態度に、さらなる怒りを募らせます

麻衣はアヤに対し、「沿線近いし、オタ活関係なく aya さんとお友達になりたいし」と、あくまで友人として近づくふりをしたダイレクトメッセージを送りました 。これに対して、アヤからは「・・・すみません」「実は今度引っ越す予定なんです それでもよければ・・・」という、遠慮がちな返信が届きます

この返信を、麻衣は自分から逃げるための口実だと解釈しました。

決定的な証拠とアヤの動揺

麻衣は、アヤをカフェに呼び出すことに成功します。そして、核心に触れる質問を投げかけました。「アヤさんが住んでる 中目黒って 鷲尾くんが住んでる 噂もあったのよ」「鷲尾くんを 見かけたこと ある?」

アヤは激しく動揺し、「・・・・・・な いですよ・・・」と、かろうじて否定の言葉を口にします 。麻衣は、アヤが嘘をついていると即座に見抜きました。(この女 はぐらかし やがった)

そして麻衣は、決定的な証拠を突きつけます。「実は私 この前中目黒で 鷲尾くんを 見かけたんだよね」 。そう言ってアヤに見せたスマートフォンの画面には、麻衣が尾行した際に撮影した、鷲尾くんがアヤの住むマンションのエントランスに入っていく写真がはっきりと写っていました。

アヤは「そっ それは・・・」と言葉を失い、顔面蒼白になります 。アヤの反応を見た麻衣は、自分の推測が正しかったことを確信し、(この反応・・・ やっぱりクロに決まってる!)(クソ女ァ!!)と、怒りを爆発させるのでした

勝利と支配

麻衣の詰問は止まりません。「あのさぁ 彼が今 大事な時期だって わかってない ワケ?」 。彼女は、「鷲尾くんは ドル売り俳優 なんかじゃないわ」と彼自身を擁護しつつ、「でもね 若手俳優にとって 女がいるのは マイナスなの」「鷲尾くんは ファンのものよ」「アンタのものじゃない!」と、自分の理屈を一方的に叩きつけます

麻衣の凄まじい剣幕と、自分が鷲尾くんの「マイナス」になっているという言葉に、アヤは完全に打ちのめされてしまいます。アヤは(この人は きっとすべて 知ってる・・・)と悟り、幼い頃からの直也との記憶を思い浮かべながら、「ごめん なおくんっ・・・!」と心の中で謝罪します 。そして、(なおくんの 夢の邪魔になる くらいなら・・・)と、ある決意を固めました

アヤは麻衣の目を見て、はっきりと告げます。「そうですね」「鷲尾くんに 彼女はいないほうが いいと思います」

アヤが完全に屈服したのを見て、麻衣は恍惚の表情を浮かべ、『勝った・・・!!!』と、心の中で勝利を宣言しました

麻衣は勝ち誇った顔でカフェを後にします。彼女は鷲尾くんの新たな舞台『エリザベス』のビジュアルが公開された通知を受け取り、「皇劇で スポットライトに 照らされる 鷲尾くんが目に 浮かぶわ・・・」と微笑みます

(鷲尾くんの邪魔ものを 消してあげられてよかった)(やっぱり彼に あの女なんていらないのよ) 。麻衣は、自分が鷲尾くんの未来を守ったのだと信じ込み、「鷲尾くんのために 行動できるのは 私だけなのよ」と、歪んだ使命感をさらに強くするのでした

【本物のファンは私だけ】3話を読んだ感想(ネタバレあり)

第3話は、麻衣の狂気がアヤの日常を破壊する、恐ろしくも目が離せない展開でした。前半の舞台挨拶のシーンで、同じ舞台を見ているはずなのに、麻衣の心の中だけが憎悪と嫉妬で渦巻いている対比が鮮やかです。彼女の(鷲尾くんはファンのものよ)というセリフは、彼女の愛情が応援ではなく、完全な支配欲であることを示しています。

しかし、最も心を揺さぶられたのは、アヤが麻衣に屈してしまう場面です。麻衣が突きつけた「若手俳優にとって女はマイナス」という理屈は、ファンの一部が持ちがちな歪んだ論理ですが、アヤはそれを否定できませんでした。それは、アヤが誰よりも直也の夢を大切に思っているからこそ、「自分が彼の邪魔になっているのかもしれない」という麻衣の言葉に心が折れてしまったのだと感じます。

「鷲尾くんに彼女はいないほうがいいと思います」というアヤのセリフは、あまりにも切なく、読んでいて胸が苦しくなりました。麻衣の「勝った…!!」という表情が、アヤの自己犠牲と対照的で、この物語の根深いテーマを突きつけられた気がします。アヤと直也の幸せを願わずにはいられません。

【本物のファンは私だけ】3話のネタバレまとめ

  • 舞台挨拶中、麻衣はアヤと鷲尾くんの関係に怒りを募らせ、「鷲尾くんはファンのもの」という独占欲を強めた。
  • カフェで友人に「推しに彼女がいたら」と聞かれた麻衣は、「ガチ恋ではない」と建前を使いながら、内心で友人を見下した。
  • 麻衣はアヤのSNSを調査するが「匂わせ」を発見できず、逆に余裕のある態度に苛立ちを覚える。
  • アヤをカフェに呼び出した麻衣は、カマをかけた質問をし、動揺したアヤに尾行で撮った決定的な証拠(鷲尾くんがマンションに入る写真)を突きつける。
  • 麻衣は「俳優にとって彼女はマイナス」とアヤを詰問し、精神的に追い詰める。
  • 鷲尾くんの夢の邪魔になりたくないと考えたアヤは、「彼に彼女はいないほうがいい」と麻衣の前で降伏してしまう。
  • アヤを屈服させた麻衣は「勝った」と確信し、自分が鷲尾くんの「邪魔もの」を排除したのだと悦に入った。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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