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【灼かれる血と骨 ~絶縁された令嬢~】60話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説|ナタリーの最後は?【Good short】

ずっちー

59話では、ナタリーとダミアンが山火事で行方不明になったという絶望的な状況下で、これまで言葉を発せなかった祖母(キャサリン)が、かすかな声でナタリーの名前を呼びました。この一言が、物語のクライマックスにおける大きな転換点となりました。

【灼かれる血と骨 ~絶縁された令嬢~】第60話をネタバレありでわかりやすく解説する

祖母が明かす真実:「ナタリーは本当の娘」

祖母のキャサリンが発した「ナタリー」という一言は、父のアイザックにとって大きな衝撃でした。 アイザックはすぐさま「母さん、なんて言いたいの?」と問いかけますが、祖母の口から出たのは、パーソンズ家を根底から揺るがす真実でした。 祖母はか細い声で、ナタリーこそが「あんたの娘よ」 と告白したのです。

アイザックは「え? 何言ってるんだ?」 と、その言葉を理解できずに混乱します。なぜならば、彼はナタリーを「取り違えられた偽物」だと信じ、2年もの間、虐待の末に絶縁していたからです。こうした父の混乱が続いている中、偶然にもモニカが病室の様子を見に来ました。

祖母は、モニカの姿を視界に捉えると、強い意志をもってさらに決定的な言葉を続けます。「ナタリーは本当の娘。ただ1人の」 祖母の告白は、ナタリーがパーソンズ家の血を引く唯一の存在であり、モニカこそが偽物であったという、最大の「因果応報」を示すものでした。一方で、モニカは祖母の言葉に激しく動揺します。(やめて、やめて。黙れクソババア!) と心の中で叫び、真実の暴露を必死に止めようと試みました。

そして、祖母は最後に、ナタリーの正当性を決定づける言葉を言い放ちます。「…ナタリーこそ、パーソンズ家の本当の後継者よ」 この告白は、ナタリーが家を追われ、腕を失い、さらに政略結婚に利用されかけた全ての不幸が、モニカの劣等感と策略によるものだったことを証明しました。

モニカの破滅と安堵の知らせ

祖母の告白に、病室にいたアイザック、ポーリーン、そしてロバートまでもが、その矛盾する答えを求めるようにモニカを一斉に見つめます。 モニカが「偽物」であり、ナタリーこそが「本物」の後継者だったという事実は、彼女が築き上げた偽りの地位と計画の完全な崩壊を意味しました。モニカのこれまでの行動全てが、自己の劣等感と妬みによる犯罪であったことが、白日の下に晒された瞬間です。

ちょうどその緊迫した最中に、ダミアンの救出チームの部下が病室に駆け込んできました。「山で誰か亡くなったそうです」と報告します。 この報せに、ロバートは「え? 誰が?」と、行方不明のナタリーを案じながら尋ねました。 すぐさまポーリーンも「ナタリーのことは?」と、娘の安否を尋ねます。

部下は家族の不安を打ち消すように、「町の病院にいます。旦那さんも一緒で2人とも無事です」と、ナタリーとダミアンの生存を伝えました。 祖父は「無事なのか?」と改めて確認し、安堵の息を漏らします。 この報告は、パーソンズ家が最終的な破滅を迎える直前の、唯一の救いとも言える知らせでした。

メイド・タミーの動揺と共犯者の死

ナタリーとダミアンの無事の知らせが、病室の安堵を誘う一方で、モニカの実母であるメイドのタミーだけは、その報せに息をのんでいました。 なぜならば、山火事の現場で亡くなった人物は、モニカの共犯者である可能性が高かったからです。

タミーは、恐る恐る部下に尋ねます。「亡くなった男って、足を悪くしてなかった?」 この問いかけは、山火事の現場にいたことが示唆されていたモニカの実父、アンソニー・ブレイク(あるいはトニー・ホームズの仲間)が、以前足を悪くしていたという情報を知っているタミーからの、状況確認でした。部下が「足が? どうしてそれを?」 と驚いて尋ね返したことで、亡くなった人物が、モニカの共犯者の一人であったことが強く示唆されました。この出来事は、モニカが犯した罪が、彼女自身の肉親や仲間を巻き込み、悲劇的な結末へと向かっていることを示しています。モニカの計画は、ナタリーの人生を破壊するだけでなく、彼女自身の周囲をも崩壊させるものでした。

【灼かれる血と骨 ~絶縁された令嬢~】60話を読んだ感想(ネタバレあり)

第60話は、物語の全ての伏線が一気に回収される、まぎれもないクライマックスでした。ついに祖母の口から「ナタリーは本当の娘」 「ただ1人のパーソンズ家の本当の後継者」 という真実が語られた瞬間は、読者にとって最高のカタルシスでした。モニカが過去にDNA鑑定を買収し、ナタリーに罪をなすりつけ、殺人未遂まで犯した全ての動機が、彼女の抱える「偽物」という劣等感とナタリーへの底知れない嫉妬から来ていたことが判明したのです。この告白によって、モニカの嘘が完全に暴かれ、彼女が築き上げた偽りの世界が崩れ去る様子は、圧巻の一言に尽きます。

また、山火事からナタリーとダミアンが無事生還した報せ は、絶望的な展開が続いた後の、読者にとっても心からの安堵となりました。しかし、物語は単なるハッピーエンドでは終わりません。亡くなった男が「足を悪くしてなかったか」 というタミーの問いかけは、山火事の裏でモニカの共犯者、あるいは彼女の実父が命を落としたことを示唆しています。これは、モニカの犯した悪行が「因果応報」として、彼女自身の最も近しい人間関係にまで影響を及ぼし、破滅的な結末を招いていることを示しており、非常に恐ろしい余韻を残しました。全ての真実が明らかになり、ナタリーがノバック家という強大な後ろ盾を得た今、モニカに対する裁きと、パーソンズ家の没落は避けられない運命となりました。

【灼かれる血と骨 ~絶縁された令嬢~】60話のネタバレまとめ

  • モニカの実母であるメイドのタミーが、亡くなった男の特徴を尋ねたことで、モニカの共犯者(あるいは実父)が山火事か報復によって命を落とした可能性が強く示唆されました。
  • 祖母(キャサリン)が意識を回復し、「ナタリーは本当の娘」「パーソンズ家の本当の後継者」であるという最大の真実を、家族全員の前で告白します。
  • モニカは、自らの嘘が暴かれたことに激しく動揺し、アイザックら家族全員がモニカに疑いの目を向けました。
  • 部下から、山火事に巻き込まれたナタリーとダミアンが「2人とも無事」であるという、安堵の報告が入ります。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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