【灼灼風流】17話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 劉衍と慕灼華は北涼の王子から「5年前の裏切り者は薛笑棠だ」という情報を得ました。
- 慕灼華は、劉衍が「心を乱す存在」であると自覚し、官吏としての道に専念するため、彼と距離を置くことを決意します。
- 慕灼華は礼部主事に昇進しますが、江南で発生した蝗害の救済のため、第一皇子・劉琛、沈驚鴻と共に現地へ派遣されることが決まりました。
- 劉衍は劉琛と親しげに話す慕灼華の姿に嫉妬を見せる一方で、二人の間の誤解は解けないまま、すれ違いが続いていました。
【灼灼風流】第17話をネタバレありでわかりやすく解説する
自らの故郷でもある江南の地を襲った未曾有の災害「蝗害」。第17話では、官吏となった慕灼華が、民を救うためにその卓越した知略と行動力をいかんなく発揮します。しかし、彼女の前に立ちはだかるのは、腐敗した地方役人と、私腹を肥やす豪商たち。故郷で繰り広げられる新たな戦いの幕が上がります。
無言の見送りと空っぽの倉庫
江南へと旅立つ日、慕灼華の乗る馬車の前には、見送りに来た劉衍の姿がありました。しかし、彼は一言も言葉を発しません。ただ黙って、遠ざかっていく馬車をじっと見つめるだけ。その寡黙な背中からは、彼女の身を案じる深い憂いと、抑えきれない想いが痛いほど伝わってきました。
長い道のりを経て江南に到着した一行を出迎えたのは、信じがたい光景でした。飢えた民のために用意されたはずの食糧倉庫は、空っぽ。責任者であるはずの県令は「病」を理由に姿を見せず、出迎えた役人たちは、飢饉の地とは思えないほど血色が良く、肥え太っています。
故郷の事情に詳しい慕灼華は、この地の腐敗を瞬時に見抜きます。「ここの県令は荘という男。彼が疲弊しているなど、到底信用できません」。彼女の鋭い指摘に、役人たちは明らかに動揺の色を見せるのでした。
済善堂の奮闘と食糧を巡る攻防
一行は、民衆への炊き出しを行っている柔嘉公主の慈善施設「済善堂」へと向かいます。都から駆けつけた公主と沈驚鴻が必死に粥を配りますが、殺到する民に対し、食糧は圧倒的に不足していました。
この問題の根源は、天災そのものよりも、有力な豪族や豪商たちが穀物を買い占め、独占していることにある。そう分析した慕灼華は、第一皇子・劉琛に進言します。「擒賊先擒王(賊を捕らえるには、まず王を捕らえよ)。まずは、この地を牛耳る者たちを動かさねばなりません」と。彼女の頭の中では、すでに大胆な次の一手が描かれていました。
それぞれの江南入り
その頃、都では劉衍が大きな決断を下していました。5年前に死んだはずの薛笑棠が生きている。そして、彼が柔嘉公主を追って江南へ向かったに違いない。そう確信した彼は、自らも江南へ向かうことを決意します。
しかし、その動きは皇太后の耳にも入っていました。「劉衍より先に見つけ出し、禍根を断て」。彼女は暗殺者たちに、冷酷な密命を下します。
一方、江南の済善堂では、柔嘉公主が人混みの中に、見知った顔を見つけていました。先日、都で手当てをした顔に傷のある男。まさか。「薛笑棠…?」彼女が呼びかけると、男は弾かれたようにその場から逃げ去ってしまいます。「見間違いではない」。彼女の中で、死んだはずの婚約者が生きているという確信は、ますます強くなっていくのでした。
「蔵を開けよ」――民を動かす奇策
どうすれば、私腹を肥やす豪商たちから食糧を放出させられるのか。思案する慕灼華の脳裏に、劉衍の顔が浮かびます。「劉衍様ならどうするだろう…そうだ、頭を押さえればいいのだ」。
彼女は、飢えた民衆を集めると、高らかに宣言します。「朝廷からの救済米だけでは足りぬが、幸いにも、この淮州の商人たちが寄付を申し出てくれた!」。もちろん、それは真っ赤な嘘でした。彼女は、ごくわずかな寄付しかしていない富豪たちの名をあえて読み上げ、その「善意」を賞賛してみせます。
その発表を聞いた民衆の反応は、感謝ではありませんでした。「たったこれだけか!」「我々が飢えているというのに!」。偽りの情報によって焚きつけられた民衆の怒りは、食糧を独占する富豪たちの屋敷へと一斉に向けられます。民衆の力を使って、悪徳商人たちを追い詰める。それは、彼女ならではの鮮やかな奇策でした。
そして、彼女は自らの実家である慕家へと乗り込みます。父・慕栄を前に、彼女は言い放ちます。
「先陣を切って蔵を開け、民を救い、名誉を守るか。あるいは他の商人たちと同じように、民から軽蔑され、信用を失うか。道は二つに一つです」
その堂々たる姿に、父は圧倒されます。しかし、彼は目の前の聡明な女性が、かつて自らが追い詰めた実の娘・慕琦であることには、最後まで気づかないのでした。「どこかで見た顔だ…」と呟く父の横で、全てを察した夫人が呆れた表情を浮かべていたのが印象的でした。
【灼灼風流】17話を読んだ感想(ネタバレあり)
第17話、官吏としての慕灼華の才能が爆発する、最高に痛快な回でした!腐敗した役人や悪徳商人たちを相手に、一歩も引かずに立ち向かう姿は、本当にかっこよかったです。特に、民衆の怒りを利用して豪商たちを自滅に追い込む奇策には、思わず「見事!」と膝を打ちました。劉衍から学んだ「頭を押さえる」という戦術を、早速自分のものにしているあたり、彼女の吸収力の高さと頭の回転の速さを改めて感じさせられます。
そして、実家との対峙シーン。自分の娘に気づかない父親の姿は、滑稽であると同時に、慕灼華が家を出てからどれだけ大きな存在に成長したのかを象徴しているようで、少し切なく、そして誇らしい気持ちになりました。
劉衍が彼女を追って江南に来てくれたことにも、胸が熱くなりましたね。口では色々と言いながらも、結局は彼女のことが心配でたまらない。その不器用な愛情がたまりません。離れていても、同じ目的(薛将軍の捜索)のために動いているという構図も、二人の強い絆を感じさせてくれます。
柔嘉公主と薛将軍の再会も、いよいよ現実味を帯びてきました。彼女の長年の想いがどうなるのか、こちらの物語も目が離せません。慕灼華の故郷である江南を舞台に、全ての物語が大きく動き出した第17話。次回の展開が本当に楽しみです!
【灼灼風流】17話のネタバレまとめ
- 蝗害救済のため故郷・江南に派遣された慕灼華は、地方官吏の腐敗と豪商による食糧独占という問題に直面する。
- 彼女は民衆の怒りを利用して豪商たちを追い詰めるという奇策を講じ、自らの実家である慕家にも蔵を開けるよう迫るが、父親は彼女が実の娘だと気づかない。
- 劉衍もまた、薛笑棠の行方を追って江南へ向かう。その動きを察知した皇太后は、彼を暗殺するために刺客を放つ。
- 柔嘉公主は、民衆の中に死んだはずの婚約者・薛笑棠らしき人物の姿を見つけ、彼が生きていることを確信する。
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