【灼灼風流】30話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 慕灼華は劉衍を追い越州へ向かい、雨の中で待ち続け、彼の固く閉ざした心を動かしました。
  • 劉衍もついに本心を明かし、二人は夕陽の下で「そなたは嫁がず、私も娶らない」という特別な未来を誓い、口づけを交わしました。
  • 慕灼華の懸命な治療により、劉衍の体を長年蝕んできた毒は、ついに取り除かれます。
  • 都では、柔嘉公主が女帝になるという野望のため、沈驚鴻を利用して朝廷改革を仕掛け始めていました。

【灼灼風流】第30話をネタバレありでわかりやすく解説する

心と体を取り戻した劉衍と、彼を支える慕灼華。第30話では、二人の穏やかで甘い療養生活が描かれる一方で、劉衍は都で起きた悲劇の裏に潜む「もう一人の黒幕」の存在に気づき始めます。全ての元凶と思われた皇太后。しかし、彼女さえも駒に過ぎなかったとしたら…?物語は、さらに深い闇の核心へと迫ります。

沈驚鴻の進言と新皇帝の決意

新皇帝となった劉琛の元で、沈驚鴻は大胆な改革案を進言します。それは、国の真の弊害となっている恩蔭制(おんいんせい:高位高官の子孫が無試験で官吏になれる制度)の撤廃でした。彼は、無能な貴族たちが民を苦しめている現状を熱く説き、劉琛の若き正義感に火をつけます。その言葉に強く影響された劉琛は、国を蝕む貴族勢力の一掃を決意。新たな政治闘争の嵐が、都に吹き荒れようとしていました。

薬浴のひとときと「もう一人の黒幕」

その頃、越州では、慕灼華が回復途中の劉衍のために薬浴の準備をしていました。湯気に包まれる中、彼女は彼の背中に刻まれた無数の古傷にそっと触れます。「これまで、どれほど多くの死地をくぐり抜けてこられたのでしょう…」。彼の壮絶な半生に想いを馳せ、その痛みを分かち合うように、彼女の目には涙が浮かんでいました。穏やかな時間の中で、二人は将来、官職を辞し、共に静かに暮らす未来を夢見るのでした。

しかし、その夜、劉衍は悪夢にうなされます。脳裏に蘇るのは、皇太后との対決と、腕の中で息絶えた兄・皇帝の姿。彼は、悲しみと怒りの中で思考を巡らせるうち、ある一点の違和感にたどり着きます。「皇太后は、どうやって薛笑棠に北涼の密偵の情報を伝えたのだ?」。そして、遺言書のすり替え。皇太后一人の犯行にしては、あまりにも計画が緻密すぎる。彼女の背後で糸を引いていた、もう一人の黒幕がいる。劉衍は、その存在を直感していました。

「時期尚早だ」――定王の帰還

真相を確かめるため、劉衍は都へと帰還します。彼が不在の朝議では、皇帝・劉琛が恩蔭制の改革を巡って貴族たちと激しく対立していました。まさに一触即発のその時、議場に劉衍が現れます。

その改革は、陛下や南宸のためか。それとも、己の身を守るためか?

彼の静かだが重い一言で、私利私欲のために反対していた貴族たちは沈黙します。しかし、劉衍は皇帝の改革案にも与しませんでした。「今は時期尚早です」。急進的な改革が朝廷に更なる混乱を招くことを見越した彼の冷静な判断は、若き皇帝の暴走を食い止めるのに十分でした。

噛み跡が示す真犯人

劉衍は、真の黒幕の正体を問いただすため、幽閉されている皇太后の元を訪れます。しかし、柔嘉公主に薬で声を奪われた彼女は、もはや言葉を発することができません。もどかしさから劉衍が彼女に詰め寄ったその時、皇太后は最後の力を振り絞るように、彼の腕に強く噛みつき、深い歯形を残したのでした。

屋敷に戻った劉衍の腕の傷を見た慕灼華は、ハッと息をのみます。彼女の脳裏に、以前見た光景が鮮やかに蘇りました。柔嘉公主の腕にも、よく似た歯形があったことを。

「これは…言葉を話せない皇太后が、命懸けで伝えた暗号…!」。

さらに、先帝の死後に自害した大総管が、柔嘉公主の亡き生母と親しかったという事実。点と点が繋がり、全ての線が、一人の人物を指し示します。遺言書のすり替えも、拒馬河の悲劇も、全てを裏で操っていたのは、聖女の仮面を被ったあの復讐者――柔嘉公主こそが、真の黒幕だった。二人がその恐るべき真実にたどり着いた瞬間、物語は最終決戦へと向けて大きく舵を切るのでした。

【灼灼風流】第30話を読んだ感想(ネタバレあり)

第30話、前半の甘い雰囲気から一転、後半の怒涛の謎解きパートには鳥肌が立ちっぱなしでした!慕灼華と劉衍の薬浴シーンは、これまでの緊張感から解放されたような穏やかさで、見ているこちらも幸せな気持ちになりました。彼の背中の傷に触れる慕灼華の姿は、彼の過去の痛みごと、全てを受け入れようとする彼女の深い愛情の表れですよね。

しかし、その平穏を打ち破るようにして明かされた「真の黒幕」の正体!まさか、皇太后の噛み跡が、柔嘉公主を指し示す決定的なヒントだったとは…。ミステリーとして、あまりにも見事な伏線回収で、脚本の巧みさに唸らされました。

聖女だと思っていた柔嘉公主が、全てを裏で操っていたという展開は、衝撃的でありながら、どこか納得できる部分もあります。彼女が抱えてきたであろう、想像を絶する憎しみの深さを感じずにはいられません。彼女に利用されているとも知らず、理想の国づくりのために突き進む沈驚鴻が、本当に不憫でなりません…。

ついに全ての敵が見えた今、慕灼華と劉衍が、この巨大な悪にどう立ち向かっていくのか。最終決戦の始まりを告げる、最高にスリリングな回でした!

【灼灼風流】30話のネタバレまとめ

  • 新皇帝・劉琛は、沈驚鴻の進言を受け、国の弊害である恩蔭制の改革を進めようとし、貴族たちと対立する。
  • 療養中の劉衍は、皇太后の背後に「真の黒幕」がいることに気づき、真相を確かめるため都へ帰還する。
  • 劉衍は朝議に登場すると、皇帝の急進的な改革を制止し、見事な手腕で朝廷の混乱を収める。
  • 劉衍は幽閉されている皇太后から、彼女の腕を噛むという謎の行動で、真犯人に関するヒントを得る。
  • 慕灼華はその噛み跡が、以前見た柔嘉公主の腕の傷と一致することに気づき、二人はついに、全ての事件を裏で操っていた真の黒幕が柔嘉公主であったという真相にたどり着く。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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