【灼灼風流】33話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 執剣が柔嘉公主の暗殺を試みるも失敗し、慕灼華に諭され復讐を思いとどまりました。
  • 全ての罪を暴かれた皇太后が自害し、長年の因縁に一つの終止符が打たれます。
  • 新皇帝・劉琛は、叔父・劉衍への揺るぎない信頼を示し、彼を「議政王」に任命しました。
  • 慕灼華は、道を踏み外し始めた旧友・沈驚鴻に「初心を忘れないで」と忠告します。
  • 柔嘉公主は、女帝への野望のために、沈驚鴻を利用して朝廷の改革を仕掛け始めました。

【灼灼風流】第33話をネタバレありでわかりやすく解説する

慕灼華と沈驚鴻が掲げた「恩蔭制改革」の炎が、ついに朝廷を焼き尽くす大火へと燃え広がります。第33話では、柔嘉公主の冷徹な計略によって、名門・孫家が一夜にして滅亡。正義を信じたはずの沈驚鴻は、親友を裏切るという最も残酷な形で、その代償を支払わされることになります。

「正義のために」――友情と引き換えにした帳簿

柔嘉公主の野望は、もはや誰にも止められません。彼女は、皇室に伝わる伝説の剣「誅邪剣」を手に入れ、絶対的な権威を確立しようと画策していました。

そのための第一歩として、彼女は沈驚鴻に、貴族の筆頭である孫家の不正を暴くよう命じます。沈驚鴻は、旧友であり、孫家の嫡男である孫雲謙の元を訪れ、苦渋の表情で説得を始めました。

一族の命だけは、必ず私が保証する。だから、南宸の清廉な政治を取り戻すために、協力してくれ

友情と大義との間で激しく葛藤した末に、孫雲謙は国の未来を信じ、一族の罪が記された裏帳簿を親友の手に託すのでした。

「去芜存菁」――改革への新たな視点

その頃、慕灼華は師・商守が遺した「清冗策」の下巻を、一人静かに読み解いていました。そこに記されていたのは、彼女が考えていた以上に深く、そして慎重な改革への道筋でした。師は、「恩蔭制の性急な廃止は、有能な人材さえも失い、かえって国力を弱める」と警鐘を鳴らしていたのです。

慕灼華は、師の真意を悟ります。目指すべきは全面的な廃止ではなく、悪しき慣習を取り除き、守るべき伝統と有能な人材は残す**「去芜存菁(きょぶそんせい)」**の改革なのだと。悲しみを乗り越え、師の遺志を真に受け継いだ彼女は、より現実的で成熟した政治家へと、また一歩成長を遂げたのでした。

友の涙と絶縁宣言

運命の朝議の場。沈驚鴻は、孫雲謙から託された帳簿を証拠として突きつけ、孫氏一族の救済米横領の罪を告発します。そして、友との約束通り、皇帝に彼ら一族の命だけは助けてほしいと懇願しました。

皇帝がその願いを聞き入れようとした、その瞬間。別の重臣・周氏が、新たな証拠を手に進み出ます。「孫氏は、敵国である北涼と通じ、塩や茶を密売しておりました!」。それは、沈驚鴻も全く知らなかった「通敵叛国」という、一族滅亡に値する国家への裏切り行為でした。

激怒した皇帝は、孫氏に斬首を、一族の男衆には流罪という厳罰を宣告。沈驚鴻は、自らの正義が、結果的に親友とその一族を破滅に追いやってしまったという事実に、ただ愕然とするしかありませんでした。

後日、酒に溺れる彼の元に、怒りに震える孫雲謙が現れます。「約束を破ったな!」。固い友情で結ばれていたはずの拳が、沈驚鴻の顔を打ちます。「お前はもう兄ではない。これからは、沈大人(沈様)と呼ばせてもらう」。涙ながらに言い放たれたその言葉は、二人の絆が完全に断ち切られたことを示す、悲しい絶縁宣言でした。

黒幕の微笑みと絶望の連鎖

全ては、柔嘉公主の描いた完璧なシナリオ通りでした。彼女は、沈驚鴻に孫家の不正を暴かせると同時に、裏で周氏に「通敵」という決定的な証拠を渡し、孫家を再起不能なまでに叩き潰したのです。

一方、慕灼華は、劉衍から商守を殺害したのが孫家ではないことを知らされ、一連の事件の裏で糸を引く真の黒幕が柔嘉公主であると、ついに確信します。

その頃、絶望の淵に立たされた孫雲謙は、自ら命を絶ってしまいます。兄の亡骸を前に、泣き崩れる妹の孫紜紜。彼女の悲しみと憎しみは、この悲劇を引き起こした(と彼女が信じる)慕灼華へと向けられます。そして、そんな彼女の前に、柔嘉公主が救いの女神のような顔をして現れるのでした。「あなたの家が滅んだのは、すべて慕灼華のせいよ」。公主は、新たな復讐の駒を手に入れたことに、静かに笑みを浮かべるのでした。

【灼灼風流】33話を読んだ感想(ネタバレあり)

第33話は、柔嘉公主の冷酷な策略が炸裂し、見ているのが本当に辛い回でした。特に、孫雲謙の悲劇には、涙を禁じ得ません。国の未来を信じて親友に全てを託した結果、一族もろとも破滅に追いやられるなんて、あまりにも残酷すぎます。沈驚鴻も、彼が信じた「正義」が、最も大切な友を傷つける刃になってしまった。彼の苦悩を思うと、胸が張り裂けそうです。

そんな絶望的な展開の中、唯一の希望の光は、慕灼華の成長でした。師の死という悲しみを乗り越え、その真意を汲み取り、より深く、より思慮深い改革案を見出した彼女の姿に、この国の未来を託したいと心から思いました。彼女だけが、暴走する柔嘉公主を止められる唯一の存在なのかもしれません。

しかし、その公主は、絶望した孫紜紜をも手駒に加え、さらにその闇を深くしています。正義と友情の狭間で苦しむ沈驚鴻、そして全てを失い復讐の道具にされようとしている孫紜紜。彼らがこの先どうなってしまうのか、心配でなりません。

【灼灼風流】33話のネタバレまとめ

  • 沈驚鴻は旧友・孫雲謙を説得し、国の改革のために、孫家の不正が記された裏帳簿を手に入れる。
  • 慕灼華は、師・商守の遺稿を読み解き、恩蔭制の全面廃止ではなく、優れた部分を残す「去芜存菁」の改革こそが真の道だと悟る。
  • 朝議で孫家の罪が暴かれるが、柔嘉公主の策略により、当初の予定にはなかった「通敵叛国」の罪まで発覚し、孫家は一族滅亡の厳罰を受ける。
  • 結果的に親友を裏切る形となった沈驚鴻は、孫雲謙から絶縁を言い渡され、絶望する。
  • 全てが柔嘉公主の策略であったと確信した矢先、公主は絶望した孫紜紜を新たな復讐の駒として手中に収める。

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コマさん(koma)
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野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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