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【物語は鮮やかに縁は儚く】11話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 夫・寒洲(ルー・ハンヂョウ)は「助けたかったのは君だ」と謝罪しつつも、「安安(アンアン)が無事でよかった(君も悲しむから)」と自分の行動を正当化しました。
  • 青梨(チンリー)が「私と依依(イーイー)どっちを選ぶ?」と問い詰め、寒洲が「君だ」と答えたため、「じゃあ依依を訴える」と切り返すと、寒洲は「彼女は何もしてない」と即座に拒否します。
  • 逆上した青梨は寒洲を平手打ちし「出てって!」と叫び、寒洲は「君は情緒不安定だ」と言い残し去っていきました。
  • 寒洲は、依依を罰しない理由を「彼女は俺の命の恩人だ」からだと部下に明かしますが、部下はその事実に疑問を持ちます。
  • 一人残された青梨は、体調不良を訴え診察を受け、医師から「ご懐妊です」と衝撃の事実を告げられました。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第11話をネタバレありでわかりやすく解説する

絶望のどん底で、夫の裏切りと娘の悪意に打ちのめされた青梨。 しかし前回、そんな彼女に「ご懐妊です」という、信じがたい奇跡が告げられました。 第11話は、この「奇跡」が青梨に新たな希望を与えた矢先、夫・寒洲がその希望すら踏みにじる、さらなる絶望の展開が描かれます。

神様がくれたプレゼント、奇跡の妊娠

物語は、青梨が医師から検査結果(エコー写真)を受け取る場面から始まります。 「妊娠6週目です。順調ですよ」 医師の言葉に、青梨は信じられないという表情で涙を浮かべます。

彼女は、過去の事故を思い出していました。 寒洲が事故に遭った時、私は彼を助けてケガした。 その結果、「医者には一生 子供は作れないと言われた」のです。 「子供を産めない体」になったことこそが、彼女がこの家で苦しみ続けた原因の一つでした。 その彼女が、今、新しい命を授かった。 青梨は喜びと安堵の涙を流し、お腹にそっと手を当てます。

「赤ちゃん。神様がくれたプレゼントね」

この奇跡は、彼女の迷いを完全に断ち切りました。 「明日にはここを出て一人になる」 この子と共に、夫のいない場所で生きる。 青梨は笑顔を取り戻し、この吉報を祖父に知らせようと携帯電話を手に取ります。

夫の来訪、その目的は「沈依依の捜索」

しかし、その束の間の幸福は、病室のドアが乱暴に開く音によって打ち破られます。 入ってきたのは、夫・寒洲。 彼の表情は、怪我をした妻を案じるものではなく、怒りと焦燥に満ちていました。

青梨の笑顔が凍りつきます。 寒洲は、青梨のもとへ詰め寄ると、衝撃的な言葉を口にしました。 「沈依依をどこへやった?」

彼は、青梨の体調を心配しに来たのではありません。 本妻である沈依依が、どこかへ姿を消したようです。 そして、寒洲は青梨が彼女を隠したと疑い、問い詰めるためだけに、この病室へやって来たのです。

「痛い!放して!」 寒洲は青梨の腕を強く掴み、痛みに顔を歪める彼女を無視して続けます。 「言えば放してやる」 「あの件は事故だ。彼女に過失はない。許してやれないのか?」 彼は、安安が故意に起こした事故すら、青梨が依依を憎んでいるせいだと思い込んでいるようです。

「がっかりしたよ」― 歪んだ愛情と責任転嫁

青梨は、怒りと呆れを込めて夫を睨みつけます。 「夜中にわざわざ訪ねてきて、私を問い詰めるの?」 「彼女の居場所は知らない。仮に知ってても、話す気はないわ」

すると寒洲は、信じがたい交渉を持ちかけました。 「居場所を教えれば 彼女に土下座させる。どうだ?」 彼は、青梨をなだめる「フリ」をすれば、自分が依依の居場所を知ることができるとでも思ったのでしょうか。 青梨は「どうかしてる」と吐き捨てます。

寒洲は、青梨の強い態度を見て、ついに本性を現しました。 彼は掴んでいた青梨の腕を、ベッドに強く叩きつけます。 そして、最も残酷な言葉を吐き捨てました。

「青梨。いつからそうなった? がっかりしたよ」

全ての元凶である彼が、全ての被害者である青梨に向かって「がっかりした」と言い放ったのです。 青梨が自分の思い通りに「優しく、従順な」妻でなくなったことに、彼は苛立ち、その責任を全て青梨に押し付けました。 寒洲はそう吐き捨てると、病室を出ていきます。 青梨は「寒洲。あなたにもがっかりだわ」と、冷たくつぶやきました。

絶望の底に差し込む光と、新たな影

一人残された青梨。 夫への怒りで震えていましたが、ふと手元にある検査結果(エコー写真)に視線を落とします。 その瞬間、彼女の表情は穏やかなものへと変わりました。 もう、あの男に心を揺さぶられる必要はない。 自分にはこの子がいる。

しかし、その静寂は再び破られます。 病室のドアが、今度はゆっくりと静かに開きました。 青梨が驚いて顔を上げると同時、何者かが背後から彼女の口を強引に覆い隠します。 驚きと恐怖に目を見開く青梨。 彼女の手から、携帯電話が滑り落ち、床に転がりました。 絶望の底でようやく見つけた「希望」が、再び正体不明の「悪意」によって奪われようとしています。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第11話を読んだ感想(ネタバレあり)

第11話は、まさに天国から地獄へと突き落とされる回でした。 冒頭の青梨の妊娠判明シーンは、本当に涙が出ました。 事故で子供が産めなくなり、その負い目から夫の裏切りにも耐えてきた彼女に、ついに神様がプレゼントをくれたのだと。 彼女が「一人になる」と決意したのも、この子がいれば「一人ではない」という確信があったからですよね。

それなのに、夫・寒洲。 彼は、私たちの想像を遥かに超える「クズ」でした。 依依が失踪したからと、怪我をして入院中の(元)妻の病室に怒鳴り込んでくる精神が理解できません。 「がっかりしたよ」というセfリフは、第10話の「君は情緒不安定だ」に続く、最低発言の殿堂入りです。 彼は、青梨が自分の所有物で、永遠に自分に従順であると信じて疑っていません。 青梨の腕をベッドに叩きつける暴力的な姿を見て、青梨が「アカウント削除(離婚)」に踏み切ったのは、本当に正解だったと確信しました。

そして、最後の襲撃シーン。 怖すぎます。 青梨がようやく「赤ちゃん」という希望を見つけ、穏やかな表情になった、まさにその瞬間を狙うとは。 一体誰の仕業なのでしょうか。 普通に考えれば、青梨に全てを暴かれそうになり、追い詰められた依依。 あるいは、依依の失踪で逆上し、青梨が何かを掴んでいると確信した寒洲が、力ずくで情報を奪うために誰かを差し向けたのか。 どちらにせよ、青梨と、彼女のお腹の子の無事を祈るしかありません。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第11話のネタバレまとめ

  • 青梨は、医師から「妊娠6週目」であると告げられます。過去の事故で「子供は作れない」と言われていたため、彼女はこの奇跡を「神様がくれたプレゼント」と呼び、涙を流して喜びます。
  • お腹の子と共に「一人で生きる」と決意を固めた矢先、夫・寒洲が病室に怒鳴り込んできます。
  • 寒洲の目的は、姿を消した沈依依の居場所を青梨から聞き出すことであり、彼は「依依をどこへやった」と青梨の腕を掴み問い詰めます。
  • 青梨が「知らない」と拒絶すると、寒洲は彼女の腕をベッドに叩きつけ、「いつからそうなった? がっかりしたよ」と暴言を吐いて去っていきます。
  • 一人残された青梨がエコー写真を見て穏やかな表情を取り戻した瞬間、何者かが病室に侵入し、青梨の口を塞ぎます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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