復習モノ

【物語は鮮やかに縁は儚く】16話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 寒洲(ルー・ハンヂョウ)は青梨(チンリー)の病院へ行こうとしますが、依依(イーイー)と安安(アンアン)が巧妙な連携プレーで「パパとママといたい」「安安が怖い思いをしたから」と泣きつき、引き留めました。
  • 寒洲は「子供が母親を慕うのは天性だ」と自分を納得させ、依依が数日間、家に泊まることを許可してしまいます。
  • 一方、病院の青梨は、医師から「失血過多」に加えて「内臓損傷」という重傷を負っており、数日の入院が必要だと告げられました。
  • 一人になった病室で、青梨はエコー写真が添付された診断書を胸に抱き、「赤ちゃん。ママがあなたを守れなかった」と泣き崩れます。
  • しかし、その悲しみはすぐに冷たい怒りへと変わり、「ママがあなたの仇を討つから」「悪い奴らに代償を払わせる」と、復讐を強く誓いました。
  • 決意を固めた青梨は、スマートフォンを手に取り、どこかへ電話をかけ始めました。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第16話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、我が子の仇を討つことを固く誓い、どこかへ電話をかけた青梨。 第16話は、彼女が起こした最初の「反撃」と、その行動が夫・寒洲の「権力」と「無理解」によって、いとも簡単につぶされてしまう、あまりにも無力で絶望的な現実が描かれます。

警察の訪問、青梨からの「通報」

物語は、陸寒洲の家のリビングから始まります。 第15話で依依と安安の宿泊を許可した後、寒洲は青梨の病院には行かず、家に留まっていたようです。 依依と安安がソファに座る中、寒洲は麺料理を運んでいます。

その時、玄関のドアが開く音がしました。 寒洲は「まさか青梨が帰ってきた?」と、血相を変えて立ち上がります。 この反応から、彼が青梨に依依たちの同居を秘密にしていることが明らかです。 「早く! 安安を連れて物置に隠れろ!」「青梨に見つかったら怒る」 寒洲が二人を必死に隠れさせようとした、その瞬間。

リビングに入ってきたのは、青梨ではなく、二人の警察官でした。 彼らは、青梨からの通報を受けて来たのです。 「陸先生。宋青梨さんからの通報です」 「あなたと沈依依が、故意に傷害を加えた件について」 第15話の終わり、青梨がかけた電話の相手は、彼女の実家の祖父ではなく、警察だったのです。

寒洲の冷酷な反論「青梨による誹謗中傷だ」

「青梨が通報した?」 寒洲は、驚きと怒りを隠せません。 警察官は淡々と続けます。 「宋さんは、あなた方に殴られ重傷を負いました」 「沈依依は今どこにいますか?」

この「重傷」という言葉を聞いても、寒洲の認識は、例の廃倉庫での出来事には至りません。 彼は、青梨があのパーティー会場で、フォトフレームが倒れて額に怪我をした件で、依依を逆恨みしているのだと思い込んでいるのです。 青梨の「私たちの子を殺した!」という絶叫は、彼の中では「情緒不安定なヒステリー」として処理されていました。

寒洲は、警察官に対して激しく反論します。 「重傷だと? 青梨はフォトフレームが落ちてきた件で、どうしても依依を傷つけたいのか?」 「何の証拠がある?」 「もし彼女に証拠がないなら、それは意図的な誹謗中傷だ」 彼は、青梨の訴えを「嘘」だと断言し、「この件は誤解だ」「私の弁護士に言ってくれ」と、その権力をもって警察官を追い返してしまいました。

物置から出てきた依依が「奥様はきっと私を恨んでいるわ。怖い…」と被害者を演じると、寒洲は彼女を抱きしめ、「安心して。彼女に君を傷つけさせはしない」と誓います。 しかし、その表情は、依依を愛おしむものではなく、青梨が警察沙汰にしたことへの苛立ちと動揺が入り混じった、複雑なものでした。

警察からの無情な通知「証拠不十分で立件不可」

場面は変わり、夜の病院。 青梨のもとに、警察から無情な電話がかかってきます。 「宋さん。現在、沈依依が故意に傷害を加えたと証明する証拠はありません」 「我々は立件できません」

そう、あの廃倉庫での暴行は、寒洲の部下という、彼に絶対服従の人間たちによって行われました。 青梨以外に、真実を証言する者などいるはずがなかったのです。 警察官は、さらに追い打ちをかける言葉を告げます。 「陸さんの意向としては、あなたが沈さんを誹謗中傷しているとのことです」

青梨は、衝撃で携帯電話を落としそうになります。 (私が沈依依を誹謗中傷…?) (陸寒洲… あなたの目には、私はそんなふうに映っていたのね…) 法に訴えるという彼女の最後の希望は、その法を動かすべき「証拠」の隠蔽と、夫の「社会的権力」によって、無慈悲に握り潰されました。

最後の叫び「それでも彼女をかばうの!?」

青梨は、検査結果のエコー写真を見つめます。 あまりのショックと怒りに、唇を噛みしめ、血が滲みます。 彼女は、震える手で、寒洲に直接電話をかけました。 もう、この男に隠しておくことなど何もありません。

「陸寒洲!」 彼女は、怒りと悲しみの全てを込めて叫びます。 「沈依依が殺したのよ、私たちの子を!」 「あなたはそれでも彼女をかばうの!?

初めて寒洲の耳に、はっきりと突き付けられた「流産の真実」。 物語は、この絶叫が寒洲に届いたのか、あるいは、またも彼に無視されるのか、最も緊迫した瞬間で幕を閉じます。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第16話を読んだ感想(ネタバレあり)

第16話は、青梨の反撃と、それに対する寒洲のあまりにも残酷な「無理解」が描かれ、読んでいて本当に苦しかったです。 まず、青梨が警察に通報したという行動力。 これは、彼女が「富豪令嬢」としての権力(祖父)に頼るのではなく、一人の人間として「法」に訴えようとした強い意志の表れであり、大きな一歩だったと思います。

しかし、その一歩を踏みにじったのが、夫・寒洲でした。 彼が依依と安安を物置に隠すシーンで、彼の優先順位がはっきりとわかりました。 彼は「青梨」を失うことよりも、「青梨に、依依たちとの二重生活がバレること」を恐れているのです。

そして、警察に対する「誹謗中傷だ」という彼の発言。 これには、怒りを通り越して絶望しました。 彼は、青梨が「重傷」であること、そして「流産」したことを、全く信じていません。 第12話の廃倉庫での「私たちの子を殺した!」という叫びを、彼は本当に「聞き間違い」か「ヒステリー」として片付けていたのです。 この二人の「認識のズレ」は、もはや修復不可能なレベルに達しています。

警察からの「立件不可」の通知は、青梨にとどめを刺しました。 夫に「誹謗中傷」のレッテルを貼られ、法にも見放される。 そんな絶望の底から、彼女が寒洲に直接「私たちの子を殺した!」と叫ぶシーンは、彼女の最後の訴えだったのかもしれません。 次回、この言葉を突き付けられた寒洲が、どのような反応を示すのか。 ここで彼が真実に向き合わなければ、もう彼らに未来はありません。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第16話のネタバレまとめ

  • 第15話のラストで青梨が電話をかけた相手は、警察でした。彼女は寒洲と依依を「故意傷害」で通報します。
  • 警察が寒洲の家を訪ねますが、寒洲は青梨が「重傷」であることを信じず、「フォトフレームの件を逆恨みした、青梨による誹謗中傷だ」と主張し、警察を追い返します。
  • 依依の宿泊を秘密にしている寒洲は、警察訪問を青梨の帰宅と勘違いし、依依と安安を慌てて物置に隠しました。
  • 警察は、青梨に対し「証拠不十分」と「寒洲の意向(青梨の誹謗中傷である)」を理由に、立件できないと無情な通知をします。
  • 全てに絶望した青梨は、寒洲に直接電話をかけ、「沈依依が殺したのよ、私たちの子を!」「あなたはそれでも彼女をかばうの!?」と絶叫します。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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