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【物語は鮮やかに縁は儚く】17話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 第15話のラストで青梨(チンリー)が電話をかけた相手は、警察でした。彼女は夫・寒洲(ルー・ハンヂョウ)と本妻・依依(イーイー)を「故意傷害」で通報します。
  • 警察が寒洲の家を訪ねますが、寒洲は青梨が「重傷」であることを信じず、「フォトフレームの件を逆恨みした、青梨による誹謗中傷だ」と主張し、警察を追い返してしまいました。
  • 警察は、青梨に対し「証拠不十分」と「寒洲の意向(青梨の誹謗中傷である)」を理由に、立件できないと無情な通知をします。
  • 全てに絶望した青梨は、寒洲に直接電話をかけ、「沈依依が殺したのよ、私たちの子を!」「あなたはそれでも彼女をかばうの!?」と絶叫しました。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第17話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、法にも見放され、絶望の底から夫・寒洲に最後の叫びを突き付けた青梨。 第17話は、その最後の電話すら、最も残酷な形で裏切られる展開から始まります。 そして、ようやく異変に気付き始めた寒洲と、全てを失った青梨の、決定的なすれ違いが描かれます。

悪魔の囁き「私の夫に何か用?」

青梨が「私たちの子を殺した!」と叫んだ、あの電話。 その電話に出たのは、寒洲ではありませんでした。 「陸寒洲」 電話の向こうから聞こえてきたのは、冷たく落ち着き払った、本妻・沈依依の声でした。

青梨が「私と寒洲は…」と言いかけた言葉を、依依は嘲笑うかのように遮ります。 「あなたの子供? 彼は全く気にしてないわ」 「私の夫に何か用?

依依は、青梨の絶叫に対し、自分こそが「妻」であると高らかに宣言します。 そして、とどめを刺すように、こう続けました。 「ああ、ちょうど終わったところよ。彼はまだシャワー中」

その言葉を裏付けるかのように、電話の向こうから寒洲の声が聞こえます。 「依依、シャワー浴びてこい」 依依は、わざと青梨に聞こえるように「分かったわ、あなた」と甘く応じました。 青梨が病院のベッドで血を流している、まさにその夜に、二人は家で親密な時間を過ごしていたのです。

絶望の底「みんな嘘つき!」

(二人は家に…) 青梨は、力なく電話を切ります。 彼女の脳裏に、第14話で見た(あるいは想像した)、寒洲の家での光景がよみがえりました。 (私の子はいなくなったのに…彼らは家族で楽しく家に…!) (パパが作った麺、いい匂い!) 自分が味わった地獄とは無縁の、幸せそうな家族の笑い声。

「騙子(嘘つき!)」 青梨は、手にしたエコー写真を握りしめ、嗚咽します。 「みんな嘘つき!」 「陸寒洲… 一生あなたを許さない!」 彼女の最後の訴えは、夫に届くことなく、悪魔の嘲笑によってかき消されました。

消えた「青梨の痕跡」

場面は一転し、陸寒洲の家。 寒洲は、娘・安安の髪をドライヤーで乾かしています。 そこに依依が「早く休みましょう」と誘いに来ました。 この時、寒洲は、第16話で青梨からかかってきたはずの電話の存在に、まだ気づいていません。

「さっき誰から電話があった? 携帯が鳴ったような気がしたんだが」 寒洲がそう尋ねると、依依は「いいえ、聞き間違いよ」と平然と嘘をつきます。 彼女は、寒洲がシャワーを浴びている間に、青梨からの着信履歴を全て削除していたのです。

しかし、寒洲は別の異変に気が付きます。 安安の部屋を見渡し、彼は尋ねました。 「安安。ベッドサイドの棚に置いてあった、君と青梨ママの写真立ては? どうして無いんだ?」

安安は「え? サマーキャンプに行く前はここに置いてあったよ」「どうして無くなったの?」と騒ぎ始めます。 さらに「私のバービー人形も無くなっちゃった。青梨ママがくれたバービー人形も無いの!」と続けます。

焦る寒洲「彼女はきっと何かに気づいたんだ」

「バービー人形も無い?」 寒洲は、依依を疑うような目で見つめます。 しかし、依依と安安は「私は触ってないわ」「ママは勝手に触らないよ」と、二人で否定しました。

何かを感じ取った寒洲は、慌てて自室へ向かいます。 ドレッサーの引き出しを漁り、彼が愕然としました。 そこにあるはずの、おそらくは青梨と大切にしていた写真立てが、綺麗さっぱり無くなっていたのです。

「写真立ては? どうして何もかも無くなってるんだ!

依依は「もしかしたら青梨が片付けたんじゃない?」と取り繕おうとします。 しかし、この「痕跡の消滅」は、寒洲に別の確信を抱かせました。 「青梨が一番大切にしていた写真だぞ。彼女が片付けるはずがない」 「彼女はきっと何かに気づいたんだ

寒洲は、第16話で警察に「青梨の誹謗中傷だ」と言い放った時とは明らかに違う、激しい焦りに駆られます。 彼は携帯電話を取り出し、自ら、宋青梨に電話をかけ始めました。 青梨が全てを失い、絶望の底にいるとは知らずに。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第17話を読んだ感想(ネタバレあり)

第17話は、依依の狡猾さと、寒洲の愚かさが極まった回でした。 青梨の最後の叫びを、依依が「私の夫に何か用?」とブロックするシーン。 あそこの依依の挑発は、まさに悪魔の所業です。 寒洲が依依を「シャワー浴びてこい」と呼ぶ声を聞かされた青梨の絶望を思うと、本当に胸が痛みます。

そして、寒洲。彼は、警察沙汰になった後も、まだ青梨から電話があるかもしれない、と思っていたのでしょうか。 依依が平然と着信履歴を消すシーンで、この二人の力関係が完全に見えました。 寒洲は、依依の手のひらの上で転がされているだけです。

しかし、そんな寒洲が、ようやく「異変」に気づくきっかけが、「写真立て」と「バービー人形」でした。 彼にとって、青梨はまだ「自分たちの思い出を一番大切にしている」存在だった。 だからこそ、その思い出の品々が消えたことで、「彼女が片付けるはずがない」=「何かが起きた」と焦り始めたのです。 皮肉なことに、第5話で青梨が(偽りの)家族写真を燃やした時には、彼は「胸騒ぎ」を感じるだけでした。 しかし、今回は「彼女はきっと何かに気づいたんだ」と、具体的な焦りに変わっています。

青梨が「一生あなたを許さない!」と絶叫し、全てを諦めた瞬間に、寒洲は「何かに気づいたんだ!」と焦り始める。 この二人の、あまりにも残酷で決定的な「すれ違い」。 寒洲が今さら電話をかけて、一体何になるというのでしょうか。 青梨の心は、もうそこには無いというのに。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第17話のネタバレまとめ

  • 絶望した青梨が寒洲にかけた電話に出たのは、本妻の沈依依でした。
  • 依依は「私の夫に何か用?」「ちょうど終わったところよ」と青梨を挑発し、寒洲が自分を「依依」と親しげに呼ぶ声をわざと聞かせます。
  • 依依は、寒洲がシャワーを浴びている隙に、青梨からの着信履歴を削除し、証拠を隠蔽しました。
  • 青梨は、自分がお腹の子を失った夜に、夫と依依が親密に過ごしていた事実を知り、「一生あなたを許さない」と泣き崩れます。
  • 一方、寒洲は、安安の部屋から「青梨ママの写真立て」や「青梨ママがくれたバービー人形」が無くなっていることに気づきます。
  • さらに、自分の部屋からも大切な写真立てが消えていることを発見した寒洲は、「彼女(青梨)はきっと何かに気づいたんだ」と激しく動揺し、自ら青梨に電話をかけ始めます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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