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【物語は鮮やかに縁は儚く】43話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 弁護士・徐子陵(シュー-ズーリン)は、夜の公園で青梨(チンリー)を元気づけ、彼女は徐子陵といると「本当に楽しくなってきたみたい」と感じ始めました。
  • 青梨は祖父・宋懐安(ソン-ホワイアン)に対し、安安(アンアン)の怪我について依依(イーイー)への警戒を促されますが、「私には対処する方法があります」と、自ら解決する強い決意を示します。
  • その頃、夫・寒洲(ルー-ハンヂョウ)が青梨のオフィスに怒鳴り込み、「どうして安安を傷つけるんだ?」と、安安の怪我の原因が青梨にあると決めつけ、激しく非難しました。
  • 青梨は、「ゴミみたいな可愛い子ちゃん(寒洲と依依のこと)に憎しみを抱く価値があるとでも?」と嘲笑し、「私は安安を傷つけていない」と完全否定します。
  • さらに青梨は、寒洲に対し「もしこれ以上、狂犬みたいに噛みついてくるなら、容赦しないから、気をつけて」と、冷たく最後通告を突き付けました。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第43話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、娘・安安の怪我を自分のせいだと決めつけ怒鳴り込んできた寒洲に対し、「容赦しない」と冷たく言い放った青梨。 第43話は、その続き、青梨が突き付けるあまりにも残酷な「交換条件」と、それを受け入れてしまう寒洲の弱さ、そして、その裏で周到に仕組まれた沈依依の卑劣な罠が描かれます。

寒洲の見当違いな要求「安安に謝罪しろ!」

青梨のオフィス。 「俺に容赦しない? どう容赦しないつもりだ?」 寒洲は、青梨の警告を嘲笑うかのように、さらに彼女に詰め寄ります。 彼はデスクに手をつき、青梨に顔を近づけると、一方的に要求を突き付けました。 「教えてやる。安安がお前のオフィスで負った怪我だ、お前は彼女に謝罪しなければならない!」 彼は、安安の自作自演の可能性など微塵も疑わず、完全に青梨が加害者であると断定しています。

青梨は、書類から目を離さず、冷ややかに問い返します。 「もし私が断ったら?」 その態度に逆上した寒洲は、青梨の腕を掴もうとします。

青梨の残酷な交換条件「私たちの写真を消したら」

しかし、青梨は素早く立ち上がり、寒洲の手を振り払いました。 「私に手を上げさせるな」 彼女は、かつて愛した男を、今は憎しみと軽蔑を込めて睨みつけます。 「これがかつて口癖のように言っていた、永遠に私を愛すると言った男?

その言葉に、寒洲は一瞬ためらいます。 青梨は、その隙に寒洲の胸を突き飛ばしました。 よろめく寒洲に対し、青梨は、予想外の提案をします。

「あなたに謝罪してあげてもいいわ。でも、一つ交換条件がある」 「前回と同じか? 今度は何だ? 言え!」 寒洲は、第36話で会社を要求されたことを思い出し、身構えます。

しかし、青梨が要求したのは、会社でも金銭でもありませんでした。 「あなたのスマホにある、私たちのツーショット写真を消したら、安安に謝罪するわ」 それは、寒洲が心の拠り所として、未だ大切に持っているであろう「過去の思い出」そのものを、自らの手で消去しろという、あまりにも残酷な要求でした。

最後の思い出、そして再び捨てられる青梨

「俺たちのツーショット写真を消せだと?」 愕然とする寒洲に、青梨は冷たく言い放ちます。 「そうよ。あなたのスマホにまだ私たちの写真があると思うと、吐き気がするわ

寒洲は苦しげに訴えます。 「あの写真たちは、俺たちの最後の思い出なんだ」 しかし、青梨は「何? 断るの? じゃあ、出て行って」と、一切の情けを見せません。

その時、オフィスのドアの外から、安安の泣き声が聞こえてきました。 「パパ。安安、痛いよ。安安、宋青梨に謝ってほしい」 娘の(おそらくは計算された)泣き声を聞き、寒洲は葛藤の末、苦渋の決断をします。 「わかった」

彼はスマートフォンを取り出すと、青梨に見せつけるように告げます。 「写真を消せと言うんだな? いいだろう。消す!」 (やはり、彼はまた私を捨てた) 青梨は、心の中で静かに呟きます。寒洲が、自分たちの「最後の思い出」よりも、安安(と依依)を選んだ瞬間でした。

寒洲は、スマートフォンの画面を操作し、青梨とのツーショット写真を一枚、また一枚と削除していきます。 そして、写真フォルダが完全に空になった画面を、青梨に突き付けました。 「終わった。写真は全部消した」 「今すぐ、安安に謝罪しろ! 安安! 入ってこい!」

依依の罠、記者たちの前での「公開謝罪要求」

寒洲の呼びかけに応じ、オフィスに入ってきたのは、安安だけではありませんでした。 安安の手を引き、勝ち誇ったような表情を浮かべる沈依依。 そして、その後ろには、カメラを構えた大勢の記者たちがなだれ込んできたのです。

依依は、青梨に向かって、宣告します。 「宋青梨。記者たちの前で、私の娘に謝罪してもらうわ!」 「そうすれば、あなたが安安を傷つけた件は、水に流してあげる」

これは、依依が仕組んだ巧妙な罠でした。 青梨に安安への謝罪を約束させ、その瞬間をマスコミに報道させることで、「富豪令嬢・宋青梨が、幼い少女(安安)に暴力を振るった」という既成事実を作り上げ、彼女の社会的信用を失墜させようと企んでいたのです。 青梨は、自らが持ちかけた交換条件によって、逆に窮地に立たされることになりました。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第43話を読んだ感想(ネタバレあり)

第43話、息詰まる心理戦と、依依の底知れぬ悪意に震えました。 寒洲が、何の疑いもなく青梨に「安安に謝罪しろ!」と迫るシーンは、彼の愚かさと、依依による洗脳の根深さを改めて感じさせます。 青梨が彼を突き飛ばすシーンは、物理的な攻撃であると同時に、「もう私に触れるな」という精神的な拒絶の表れでもあり、彼女の決意の固さを感じました。

そして、青梨の交換条件「私たちの写真を消したら」。 これは、あまりにも残酷で、しかし効果的な一手でした。 寒洲にとって、あの写真は、失われた過去への唯一の繋がりであり、青梨を取り戻せるかもしれないという淡い希望の象徴だったはずです。 それを自らの手で消させることで、青梨は寒洲の心を完全に破壊しようとしたのでしょう。 安安の泣き声を聞いて、あっさりと思い出を捨ててしまう寒洲の姿は、悲しいというよりもはや滑稽でした。青梨の言う通り、彼はまた彼女を捨てたのです。

しかし、最後の依依の罠! これは予想外でした。 まさか記者まで用意していたとは。 青梨が安安を傷つけていないことは明白なのに、この状況で謝罪すれば、世間は青梨が加害者だと誤解してしまう。 謝罪を拒否すれば、「約束を破った」と非難される。 まさに、八方塞がりの状況です。 依依の悪知恵と執念深さには、本当にゾッとします。 この絶体絶命のピンチを、青梨はどう切り抜けるのでしょうか? 彼女の次の一手に、期待が高まります。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第43話のネタバレまとめ

  • 寒洲は青梨のオフィスに乗り込み、安安の怪我について「お前は彼女に謝罪しなければならない!」と一方的に要求します。
  • 青梨は寒洲を突き飛ばし、「あなたに謝罪してもいいが、交換条件がある」と持ちかけます。
  • その条件とは、「あなたのスマホにある、私たちのツーショット写真を全て消すこと」でした。
  • 寒洲は「最後の思い出だ」と葛藤しますが、ドアの外で安安が泣き叫ぶ(演技の可能性が高い)声を聞き、苦渋の決断で写真を全て削除します。
  • 写真削除を確認した寒洲が安安を呼び入れると、依依と安安と共に、カメラを構えた大勢の記者たちが現れます。
  • 依依は青梨に対し、「記者たちの前で、私の娘に謝罪してもらうわ!」と、青梨を社会的に貶めるための罠を仕掛けました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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