復習モノ

【物語は鮮やかに縁は儚く】55話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 夫・寒洲(ルー-ハンヂョウ)は、自ら手配したDNA鑑定により、娘・安安(アンアン)が自分の子供ではないことを確信し、本妻・依依(イーイー)を「このクズ女が」と罵倒しました。
  • 事実を知った姑・陸母は激昂し、依依に掴みかかり激しく殴打します。
  • 安安が止めようとすると、陸母は安安を突き放し「あんたなんかどこの馬の骨とも分からないガキだよ!」と暴言を吐きました。
  • 殴られながらも、依依は寒洲に対し「私があなたの命の恩人だって免じて、許して」と最後の切り札を使いますが、寒洲の心は揺らぎます。
  • まさにその時、寒洲の部下が現れ、「あなたの命の恩人が誰だか判明しました」と告げます。
  • 部下は、7年前の事故の本当の命の恩人は、宋青梨(チンリー)であったこと、さらに事故の加害者は沈依依であり、その事故で青梨は重傷を負い妊娠しにくい体になったことを明らかにしました。
  • 全ての嘘を知った寒洲は激怒し、依依を蹴り飛ばし「青梨が受けた苦しみを、10倍にして返してやる」と宣告。離婚協議書を要求し、依依と安安を家から追い出しました。
  • 追い詰められた依依は、「あなたが宋青梨を不幸にしたのよ」と寒洲を激しく罵倒し、寒洲は「俺が俺の愛を壊したんだ」と悟り、泣き崩れました。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第55話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、全ての嘘が暴かれ、夫・寒洲からも姑・陸母からも完全に見捨てられ、家を追い出された依依と安安。 第54話は、その直後、絶望的な状況の中で依依を襲う更なる悲劇と、その一部始終を冷ややかに見つめる青梨、そして彼女を支える徐子陵(シュー-ズーリン)の姿が描かれます。

路上に倒れる依依、失われる命

物語は、夜、陸家から追い出された依依が、よろめきながら階段を降りる痛々しい場面から始まります。 彼女の額や口からは血が流れ、腹部を押さえて苦しんでいます。 姑・陸母からの激しい暴力は、妊娠中の彼女の体に深刻なダメージを与えていたのです。 ついに依依は力尽き、階段の下の路上に倒れ込んでしまいます。

そこへ、家から出てきた娘の安安が、倒れている母を発見します。 「ママ? ママ! どうしたの? ママ!」 泣き叫ぶ安安の声。 依依は、自分の足元に広がる血溜まりに気づき、愕然とします。

「子供… 私の子供が…」 彼女は、激しい腹部の痛みと共に、お腹の子を失いつつあることを悟ります。 「誰か私の子を助けて…」 意識が遠のく中、依依は必死に助けを求めますが、そばには泣き叫ぶ安安しかいません。

車窓から見つめる青梨「ようやく子供を失う辛さを味わったわね」

その頃、一台の車が、倒れている依依のそばを通りかかります。 車内には、青梨と弁護士の徐子陵が乗っていました。 青梨は、車窓から、路上で血を流し苦しむ依依の姿を、冷たい目で見つめていました。

沈依依もようやく子供を失う辛さを味わったわね) かつて、依依の策略と寒洲の命令によって我が子を失った青梨。 彼女の心には、依依への同情ではなく、むしろ因果応報だという冷ややかな感情が浮かんでいました。

そして、彼女の思考は、別の疑問へと移ります。 (実はあの時、事故が起きた区間は監視カメラの死角だったの) (陸寒洲の部下は、どうやって目撃者を見つけたのかしら?) 第53話で、寒洲の部下が7年前の事故の「目撃者」を見つけたと報告していました。 しかし、事故現場は監視カメラの死角だったはず。青梨はその矛盾に気づいたのです。

徐子陵の告白「私が彼に手がかりを提供したんだ」

その疑問に答えたのは、隣に座る徐子陵でした。 「私が彼にいくつか手がかりを提供したんだ」 驚く青梨。「あなた… どうしてそんなことを?」

徐子陵は、青梨の手を優しく握り、真摯な瞳で彼女を見つめます。 「君に伝えたかったんだ。君のことは、私のことでもあると」 彼は、青梨の復讐を陰ながらサポートし、寒洲が真実にたどり着く手助けをしていたのです。 「青梨。君のそばには頼れる肩がある。悪いことはすべて過ぎ去るさ」 彼は、青梨が一人ではないこと、そして自分が彼女を守ることを、改めて伝えました。 そして、少し照れたように付け加えます。 「今、私のことを考えてくれてもいいのでは?」

青梨の選択「彼女のために救急車を」

徐子陵の温かい言葉。 しかし、青梨の視線は、再び車窓の外、苦しむ依依へと向けられていました。 彼女は、静かに徐子陵に頼みます。 「彼女のために救急車を呼んであげて

あれほど自分を陥れ、我が子を奪った相手。 しかし、青梨は、依依を見殺しにすることを選びませんでした。 それは、同情なのか、憐れみなのか、あるいは、復讐を果たした後の空しさなのか。 徐子陵は「わかった」と頷き、すぐに救急車を手配します。

病院での孤独な安安、現れた「謎の男性」

場面は再び、海市第一医院。 依依はストレッチャーで緊急搬送され、処置室へと運ばれていきます。 「ママ! ママ!」 安安は泣きながら追いかけますが、処置室の前で止められてしまいます。

父親(と信じていた寒洲)には捨てられ、母親は生死の境をさまよい、頼れる祖母(陸母)からも拒絶された安安。 彼女は、病院の廊下で、たった一人、泣きながらうずくまるしかありませんでした。 その孤独で小さな背中に、不意に声がかかります。

安安?」 聞き覚えのない、穏やかな男性の声。 安安は、涙に濡れた顔を上げます。 物語は、この「謎の男性」の登場という、新たな展開を予感させて幕を閉じます。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第55話を読んだ感想(ネタバレあり)

第54話は、依依の悲惨な末路と、青梨の中に残る複雑な感情、そして徐子陵の深い愛情が描かれた回でした。 まず、依依。 姑に殴られ、路上で流産(おそらく)し、血まみれで助けを求める姿は、自業自得とはいえ、あまりにも悲惨でした。 彼女が青梨にしてきたことの「報い」が、あまりにも早く、そして残酷な形で返ってきた、ということなのでしょう。 「子供… 私の子供が…」と泣き叫ぶ姿は、第14話で同じように子供を失った青梨の姿と重なり、皮肉な対比を感じさせました。

そして、青梨。 車窓から依依を見下ろす彼女の「ようやく子供を失う辛さを味わったわね」という心の声は、正直ゾッとしました。 しかし、最終的に「救急車を呼んであげて」と頼むあたりに、彼女の中に残る、人間としての最低限の情け(あるいは、依依に生きて罪を償わせたいという別の計算?)を感じました。 彼女の復讐は、単なる憎しみだけではない、もっと複雑なものなのかもしれません。

徐子陵の告白も、素敵でしたね。 寒洲の部下に「手がかりを提供した」という、まさかのファインプレー! 彼は、ただ青梨を慰めるだけでなく、彼女の復讐を具体的な形でサポートしていた。 「君のことは、私のことでもある」という言葉は、彼の深い愛情と覚悟を感じさせます。 「今、私のことを考えてくれてもいいのでは?」という、少し積極的なアプローチも、二人の関係が進展する兆しでしょうか。

最後の、謎の男性の登場。 「安安?」と呼びかける声は、どこか優しげでした。 一体誰なのでしょうか? もしかして、安安の「本当の父親」…? あるいは、依依の過去に関わる別の人物? 安安の孤独な状況に現れたこの人物が、今後の物語にどう関わってくるのか、非常に気になります。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第55話のネタバレまとめ

  • 陸家から追い出された依依(イーイー)は、姑・陸母からの暴力が原因で路上で倒れ、**大量出血(おそらく流産)**してしまいます。娘の安安(アンアン)は泣き叫ぶことしかできません。
  • その様子を、車の中から青梨(チンリー)と弁護士・徐子陵(シュー-ズーリン)が目撃します。青梨は「ようやく子供を失う辛さを味わったわね」と冷ややかに思います。
  • 青梨は、寒洲(ルー-ハンヂョウ)の部下が7年前の事故の目撃者を見つけた方法に疑問を持ちます。
  • 徐子陵は、自分が寒洲の部下に「手がかりを提供した」ことを告白し、「君のことは、私のことでもある」と青梨への深い想いを伝えます。
  • 青梨は、依依への複雑な感情を抱きながらも、徐子陵に「彼女のために救急車を呼んであげて」と頼みます。
  • 依依は病院に緊急搬送されますが、安安は処置室の前で止められ、一人ぼっちで泣き崩れます
  • その安安の前に、「安安?」と呼びかける謎の男性が現れました。

◁前の記事はこちらから

あわせて読みたい
【物語は鮮やかに縁は儚く】54話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説
【物語は鮮やかに縁は儚く】54話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

▷次の記事はこちらから

あわせて読みたい
【物語は鮮やかに縁は儚く】56話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説
【物語は鮮やかに縁は儚く】56話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
記事URLをコピーしました