復習モノ

【物語は鮮やかに縁は儚く】56話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 陸家から追い出された依依(イーイー)は、姑・陸母からの暴力が原因で路上で倒れ、**大量出血(おそらく流産)**してしまいます。娘の安安(アンアン)は泣き叫ぶことしかできませんでした。
  • その様子を、車の中から青梨(チンリー)と弁護士・徐子陵(シュー-ズーリン)が目撃します。青梨は「ようやく子供を失う辛さを味わったわね」と冷ややかに思いました。
  • 徐子陵は、自分が夫・寒洲(ルー-ハンヂョウ)の部下に7年前の事故の「手がかりを提供した」ことを告白し、「君のことは、私のことでもある」と青梨への深い想いを伝えます。
  • 青梨は、依依への複雑な感情を抱きながらも、徐子陵に「彼女のために救急車を呼んであげて」と頼みます。
  • 依依は病院に緊急搬送されますが、安安は処置室の前で止められ、一人ぼっちで泣き崩れます
  • その安安の前に、「安安?」と呼びかける謎の男性が現れました。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第56話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、路上で倒れ流産(?)し、病院に運ばれた依依。 一人残された娘・安安の前に現れた謎の男性。 第55話は、その男性の衝撃的な正体と、依依の最期、そして新たな復讐の連鎖を予感させる、悲劇的な回となります。

謎の男、その正体は「本当のパパ」

病院の廊下。 母親が処置室に運ばれ、たった一人でうずくまり泣いていた安安。 そこに、優しく声をかけた男性がいました。 「安安?」

安安は、涙に濡れた顔を上げ、男性を見上げます。 「おじさん、ママの友達? ママのスマホであなたの写真見たことある」 安安は、彼の顔に見覚えがあったようです。

すると、男性は、安安の目を見て、静かに、しかしはっきりと告げました。 「安安。我是爸爸(パパだ)」 「我是亲生爸爸(本当のパパだよ)

彼の名前は程楓(チェン・フォン)。 彼こそが、これまで寒洲の子だと偽られてきた、安安の本当の父親だったのです。 「パパ」という言葉に、安安は驚いた顔で立ち上がります。 「パパ。ママが血をいっぱい流してる」 「安安、怖いのか。泣かないで」 程楓は、初めて会う娘を優しく抱きしめ、「怖くないよ」と慰めます。 そして、彼は処置室のドアを見つめ、「依依は…彼女はどうなんだ」と、愛する女性の安否を気遣います。

依依、最後の告白と後悔「これが私の罰なんだわ」

まさにその時、処置室のドアが開き、医師が出てきました。 医師の言葉は、あまりにも無情なものでした。 「中へ。最後のお別れを

程楓と安安は、衝撃を受けながらも、処置室へと駆け込みます。 ベッドの上には、血を流し、青白い顔で横たわる依依の姿がありました。 「依依!」 「ママ、安安を置いていかないで!」 二人の悲痛な叫び。

依依は、か細い声で安安に語りかけます。 「安安、ごめんなさい」 「妈妈以后… 可能没办法陪你长大了(ママ、もう… 一緒に大きくなってあげられないかもしれない)」 「これからは… パパといい子でいるのよ。わかった?」 「いや、いや! 安安、ママと一緒がいい!」 泣き叫ぶ娘に、依依はもはや何もしてあげられません。

彼女は、傍らにいる程楓に向き直り、最後の告白を始めます。 「程楓。私、後悔してる」 「我不应该为了钱,去冒充陆寒洲的救命恩人(お金のために、陸寒洲の命の恩人のふりなんかしなければよかった)」 彼女は、自分の犯した最大の罪を、死の間際に悔いていたのです。 「お腹の子も… いなくなっちゃった」 「这可能就是我的报应(これが私の罰なんだわ)」 自らの流産を、因果応報だと受け入れているようでした。

託された願いと、新たな復讐の誓い

「大丈夫だ。俺たちにはまだ安安がいる」と励ます程楓に、依依は最後の願いを託します。 「私の母さん、子供がすごく好きなの。きっと安安のこと、大事に育ててくれるわ」 「じゃあ君は?」と問いかける程楓。 依依は、自分の命がもう長くないことを悟っていました。

彼女は、最後の力を振り絞り、程楓に懇願します。 「程楓。你不要为了我去报仇(私のために復讐なんてしないで)」 「私は悪い女よ。私のために、そんな価値ないわ」 それが、彼女の最後の言葉でした。 依依の手が、力なくベッドから落ち、彼女は静かに息を引き取ります。

「依依? 依依!」 「ママ… ママ!」 「ママ!」 程楓と安安の慟哭が、処置室に響き渡ります。

程楓は、亡くなった依依の顔をそっと撫でます。 その悲しみに濡れた瞳は、しかし、次の瞬間、燃えるような憎悪の色を宿していました。 彼は、心の中で、二人の名前を刻みます。 (陸寒洲… 宋青梨…) そして、静かに、しかし固く誓うのでした。 (我要你们血债血偿(お前たちを血で償わせてやる)) 依依の最後の願いもむなしく、新たな復讐の連鎖が、今まさに始まろうとしていました。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第56話を読んだ感想(ネタバレあり)

第55話、あまりにも悲しく、そして不穏な余韻を残す回でした。 まず、安安の本当の父親、程楓の登場。 彼の登場によって、依依の嘘が完全に暴かれたわけですが、そのタイミングがあまりにも悲劇的すぎます。 初めて会った娘に「パパだ」と名乗り、その直後に愛する女性の最期を看取ることになるなんて。 安安にとっても、ようやく「本当のパパ」に会えたのに、すぐに「ママ」を失ってしまう。 この親子の境遇を思うと、涙を禁じえません。

そして、依依の最期。 彼女が犯してきた罪を考えると、同情の余地はないのかもしれません。 しかし、死の間際に「後悔してる」「命の恩人のふりなんかしなければよかった」「これが私の罰なんだわ」と、自らの罪を認め、悔いる姿は、哀れでした。 青梨にした仕打ちを考えると、全く足りないかもしれませんが、彼女なりに「報い」を受けた、ということなのでしょうか。 最後に「私のために復讐なんてしないで」と程楓に懇願した言葉は、彼女の中に残っていた、わずかな良心だったのかもしれません。

しかし、その願いもむなしく、程楓は復讐を誓ってしまいました。 彼の憎しみの矛先が、寒洲だけでなく、青梨にも向いているのが気になります。 おそらく、彼は依依から一方的な情報しか聞いておらず、青梨もまた、依依を死に追いやった「加害者」の一人だと誤解しているのでしょう。 依依の死によって、物語は新たな復讐者を生み出してしまいました。 この「血で血を洗う」連鎖が、どこへ向かうのか。 青梨と徐子陵の未来に、新たな暗雲が立ち込めてきたように感じます。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第56話のネタバレまとめ

  • 病院で一人泣いていた安安(アンアン)の前に、一人の男性が現れ、「我是亲生爸爸(本当のパパだよ)」と名乗ります。彼の名前は程楓(チェン・フォン)でした。
  • 医師から「最後のお別れを」と告げられ、程楓と安安は処置室へ。そこには瀕死の依依(イーイー)がいました。
  • 依依は安安に別れを告げ、程楓に対し「お金のために、陸寒洲(ルー-ハンヂョウ)の命の恩人のふりなんかしなければよかった」「これが私の罰なんだわ」と後悔の言葉を口にします。
  • 依依は、自分の母親に安安を託し、「私のために復讐なんてしないで」と言い残し、息を引き取ります。
  • 愛する依依を失った程楓は、悲しみの中で憎しみを募らせ、「陸寒洲… 宋青梨(チンリー)… お前たちを血で償わせてやる」と、新たな復讐を誓いました。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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