復習モノ

【物語は鮮やかに縁は儚く】59話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 青梨(チンリー)は自宅で突然意識を失い、依依(イーイー)の復讐を誓う安安(アンアン)の実父・程楓(チェン・フォン)に拉致されました。
  • 廃倉庫で目覚めた青梨の前には、同じく縛られた元夫・寒洲(ルー-ハンヂョウ)がおり、程楓は「お前たちに依依の道連れになってもらう」と復讐を宣言します。
  • 程楓は、娘・安安が母(依依)を失ったショックで家を飛び出し、車に轢かれて亡くなったことを告白し逆上、「お前ら全員、死ぬべきだ!」と青梨に襲いかかります。
  • 負傷した寒洲が足にしがみつき「逃げろ!」と叫びますが、程楓は寒洲を蹴り飛ばし、倉庫に仕掛けた爆薬の起爆スイッチを押そうとします。
  • その瞬間、弁護士・徐子陵(シュー-ズーリン)が現れ、銃で程楓を撃ち、青梨を救出しました。
  • 倒れた寒洲は、青梨が命の恩人であったことを悟り、「もう一度だけ、許してくれないか?」と最後の願いを伝えます。
  • 青梨は「許すも許さないも、もう何の意味もない」「昔は、本気であなたを愛してた。でも今は、本気でもう愛してない」と冷たく言い放ち、徐子陵と共に去っていきました。
  • 寒洲は一人、廃倉庫に絶望した表情で取り残されました。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第59話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、廃倉庫での死闘の末、青梨を守り重傷を負った寒洲。 そして、青梨は彼に完全な決別を告げ、徐子陵と共にその場を去りました。 長きにわたる愛憎劇【物語は鮮やかに縁は儚く】、ついに最終話となる第58話。 それぞれのキャラクターが迎える結末と、青梨が掴んだ新たな幸せの形が描かれます。

瀕死の息子と、母の懇願

物語は、病院の廊下から始まります。 青梨は、徐子陵に付き添われ、診察(おそらく拉致された際の検査)を終えたところのようです。 「子陵、本当に大丈夫よ。かすり傷だけ」と言う青梨に、徐子陵は「だめだ、心配だよ」と、彼女の身を案じます。青梨も「わかったわ、あなたに従う」と、彼の優しさを受け入れます。

その二人の前に、一人の女性が駆け寄ってきました。姑・陸母です。 彼女は、医師(あるいは徐子陵を医師と勘違いしたのかもしれません)に向かって、必死に懇願します。 「先生! お願いです、息子を助けてください!」 「あの子はまだ若いの、半身不随になんてなれません」 寒洲は、程楓に刺された傷が深く、一命は取り留めたものの、深刻な後遺症が残る可能性が高い状況のようです。 「医療費は、なんとかしますから」とすがりつく陸母に、医師は厳しい現実を告げます。 「全力を尽くします。しかし彼のような状況ですと、今後莫大な治療費がかかります。覚悟しておいてください」

廊下に一人残され、途方に暮れる陸母。 「会社もなくなった。どこでそんなお金を用意すればいいの?」 息子可愛さから犯してきた数々の過ち。その代償が、今、重くのしかかっています。

青梨の決断「陸氏を彼に返して」

その様子を、青梨は静かに見ていました。 そして、彼女は隣に立つ徐子陵に、一つの決意を告げます。 「子陵。一つお願いがあるの」 「いいよ」と即答する徐子陵に、青梨は予想外の言葉を続けました。

君が陸氏(の会社)を陸寒洲に返すのを手伝うよ」 なんと、青梨が口にする前に、徐子陵が彼女の心を読み取り、そう提案したのです。 驚く青梨。「どうして私が陸氏を陸寒洲に返したいって分かったの?」

徐子陵は、愛おしそうに微笑みます。 「ばかだな。だって、僕は君の夫だからだよ」 (※第37話でプロポーズを受け入れましたが、正式な夫婦となった描写です) 彼は、青梨の心の奥底にある、寒洲への複雑な感情(憎しみだけではない、かつて愛した者への最低限の情け、あるいは完全な決別ゆえの無関心)を理解し、彼女が望むであろう選択肢を先に提示したのでした。 その深い理解に、青梨もまた、穏やかな微笑みを返します。

新たな門出、結婚写真と入籍

場面は変わり、明るい写真スタジオ。 そこには、純白のウェディングドレスに身を包んだ青梨と、タキシード姿の徐子陵が、幸せそうに結婚写真を撮影している姿がありました。 「新郎新婦さん、もう少し寄って」「いいですよ、そのまま」 カメラマンの声に合わせて、二人は仲睦まじくハートマークを作って微笑み合います。 過去の苦しみから解放され、彼女はついに本当の幸せを掴んだのです。

さらに場面は変わり、役所の建物から手をつないで出てくる二人。 その手には、真新しい結婚証明書が握られています。 画面には「领证了!(入籍!)」の文字。 「行こう」「うん」 二人は、確かな未来へと歩き出します。

車椅子からの眺め、寒洲の後悔と青梨の「優しさ」

その頃、役所の外の芝生には、一台の車椅子が停まっていました。 座っているのは、陸寒洲。 彼の足は動かないようで、隣には年配の女性(おそらく、すっかり憔悴した陸母でしょう)が付き添っています。 彼は、遠ざかっていく青梨と徐子陵の幸せそうな後ろ姿を、ただ切なそうに見つめていました。

「母さん」 寒洲は、絞り出すように呟きます。 「俺は本当に青梨を愛してた」 「でも、もう二度とチャンスはない… 彼女の隣に立つことは」 全てを失い、身体の自由すら失った彼は、ようやく自分が犯した罪の大きさと、失ったものの価値を、心の底から理解したのです。

隣に立つ陸母(?)は、静かに息子を諭します。 「寒洲。青梨は優しい子だよ」 「彼女が会社を君に返したのはね、君が早く治療に専念して、一日も早く体を治せるようにだよ」 青梨の最後の行動は、復讐ではなく、かつて愛した人への、そして多くの人を巻き込んだ騒動への、彼女なりの「けじめ」であり、「優しさ」だったのかもしれません。 寒洲は、その言葉を静かに受け止め、深く考え込むように俯くのでした。 物語は、それぞれの未来を示唆しながら、静かに幕を閉じます。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第59話を読んだ感想(ネタバレあり)

ついに最終回。 壮絶な愛憎劇でしたが、最後は静かで、どこか切ない余韻の残る結末でした。 寒洲の結末は、自業自得とはいえ、やはり重いものでしたね。 半身不随(の可能性)という身体的な代償に加え、「もう二度と彼女の隣に立つことはない」という精神的な罰。 彼が最後に「俺は本当に青梨を愛してた」と気づいた時には、もう全てが遅すぎた。 愛を履き違え、多くの人を傷つけた彼の末路としては、ある意味、最もふさわしいのかもしれません。

陸母が、最後に青梨を「優しい子だ」と評し、会社返却の意図を汲み取っていた(ように見える)のには、少し驚きました。 あれほど青梨を罵倒していた彼女が、息子の悲劇を経て、ようやく少しは反省したのでしょうか。 莫大な治療費をどうするのか、という現実的な問題は残りますが…。

そして、青梨と徐子陵。 本当に、本当に幸せになってくれてよかった! 徐子陵の「だって、僕は君の夫だからだよ」というセリフには、胸がキュンとしました。 青梨の心を完璧に理解し、支え、そして未来へと導いてくれる、まさに理想のパートナーです。 結婚写真のシーンや、入籍のシーンは、これまでの苦しみを乗り越えた二人への、最高の祝福のように感じられました。

青梨が、最後に寒洲に会社を返した決断。 これは、単なる「優しさ」だけではないかもしれません。 彼への最後の「情け」であり、同時に「これで完全にあなたとの縁を切る」という、彼女なりの強い決別の意志の表れだったのではないでしょうか。 彼に治療の道を残すことで、彼を生かし、自分の犯した罪と向き合わせ続ける。 それこそが、彼女の最後の「復讐」だったのかもしれない、とも感じました。

多くの悲劇と、いくつかの救い。 愛とは何か、許しとは何か、そして人が再生していくとはどういうことか。 深く考えさせられる、鮮やかで、そして儚い物語でした。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第59話のネタバレまとめ

  • 病院の廊下で、陸母は医師から寒洲(ルー-ハンヂョウ)が半身不随になる可能性と、莫大な治療費がかかることを告げられ、途方に暮れます。
  • その様子を見た青梨(チンリー)は、夫となった徐子陵(シュー-ズーリン)に「陸氏(の会社)を陸寒洲に返すのを手伝って」と頼みます。(徐子陵はそれを予期していました)
  • 徐子陵は「だって、僕は君の夫だからだよ」と、青梨の心を理解し支える姿勢を見せます。
  • 後日、青梨と徐子陵は結婚写真を撮影し、役所で入籍を果たし、幸せな未来へと歩き出します。
  • その頃、役所の外では、車椅子に乗った寒洲が、付き添う陸母(?)と共に、去っていく二人の後ろ姿を切なそうに見送っていました。
  • 寒洲は「俺は本当に青梨を愛してた」「もう二度とチャンスはない」と、深い後悔の言葉を口にします。
  • 陸母(?)は、青梨が会社を返したのは「君が早く治療に専念できるように」という彼女なりの優しさだと諭し、寒洲は静かに俯きました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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