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【物語は鮮やかに縁は儚く】6話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 夫・寒洲(ルー・ハンヂョウ)は、記念日に「最高のサプライズ」を用意すると予告しましたが、青梨(チンリー)は「もう十分驚かされた」と冷たくあしらいました。
  • 青梨は、七年前に自分が寒洲に対し「もし騙したら、あなたの世界から完全に消える」と警告していたことを思い出します。
  • 六年前の結婚記念日にも、寒洲が「緊急会議」という嘘をついて(依依(イーイー)の元へ?)行っていた予兆があったことを悟ります。
  • 青梨は、決意を固め、これまで大切にしてきた「自分と寒洲、安安(アンアン)の(偽りの)家族写真」を全て燃やし、過去と決別しました。
  • その瞬間、オフィスにいた寒洲は強烈な胸騒ぎを感じ、青梨の身を案じてホテルを飛び出しました。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第6話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、過去の幻想すべてに火を放ち、完全な決別を誓った青梨。 第6話は、いよいよ運命の結婚記念日当日。 夫・寒洲が用意した「最高のサプライズ」という名の盛大な茶番劇と、その裏で進んでいた本妻・沈依依と娘・安安の巧妙な策略、そして青梨が突き付ける「本当のサプライズ」が描かれます。

安安の策略「サプライズが台無しよ」

物語は、第5話で青梨が写真を燃やした瞬間に胸騒ぎを感じた寒洲が、「青梨のところへ。心配で」と、今すぐ帰ろうとします。

しかし、それを沈依依と娘・安安が巧みに引き留めます。 「何かに気づいた気がする」と寒洲は不安を抱き、「もし心配なら、今すぐ航空券を予約するわ」と、彼を試すような行動に出ます。 すると、娘の安安が慌てて駆け寄り、完璧なアシストを入れました。

「ママ、パパの航空券を予約しないで!」 「私たち家族、やっと一緒にいられるのに」 「パパ、青梨ママにサプライズを用意したんでしょ? 今戻ったら、サプライズが台無しよ」

この「家族」と「サプライズ」という二つの言葉で、寒洲の足は完全に止められます。 依依が「もう帰りの便はないわ」「結婚記念日に戻ればいい」と追い打ちをかけ、寒洲は「安安の言う通りだ。今戻れば、サプライズが台無しだ」と、その場に残ることを決断してしまいました。 娘・安安の、子供とは思えない巧妙な策略が、寒洲を青梨から引き離したのです。

夫の歪んだ葛藤「青梨。会いたい」

依依と安安が「また一緒に遊びに行こう」と部屋の奥へ行く中、一人残った寒洲はスマートフォンを取り出します。 その画面に映るのは、青梨と幸せそうに笑う過去の写真。 彼はその写真を見つめ、小さくつぶやきました。

「青梨。会いたい」 「白髪になるまで一緒にいよう」

本妻と子供たち(依依と安安)と過ごしながら、別の女性(青梨)に「会いたい」「白髪になるまで」と誓う。 彼のこの言葉が本心だとしたら、彼は二つの家庭を両立できると本気で信じている、恐ろしく歪んだ思考の持ち主であることの証拠です。

記念日当日の決別「もうあなたの芝居には付き合わない」

そして、3日後の結婚記念日当日。 自宅のソファで虚ろな表情を浮かべる青梨。 彼女はスマートフォンを取り出すと、連絡先アプリを開きます。 そして、「老公(夫)」と登録されていた寒洲の名前を、冷たく「陸寒洲」というフルネームに打ち替えて保存しました。 彼女の決意は、もう揺らぎません。

そこへ、寒洲が赤いバラの豪華な花束を持って帰宅します。 「ただいま、結婚7周年おめでとう」 感情のこもらない声で「ありがとう」と返す青梨。 彼女の心の中は「結婚証明書は偽物、何が結婚記念日よ」という冷めた言葉で満たされています。

青梨は花束を受け取ると、寒洲の目をまっすぐ見て言い放ちます。 「陸寒洲。もうあなたの芝居には付き合わないわ」

一瞬戸惑う寒洲ですが、すぐに笑顔を取り戻し「サプライズを見に連れて行くよ」と、まだ茶番を続けようとします。 青梨は「いいわ」とだけ答えると、寒洲に背を向け、受け取ったばかりのバラの花束を、無造作にソファへ投げ捨てました。 その光景を見た寒洲は、驚きと困惑の表情で固まります。

偽りの「愛の博物館」

寒洲が用意した「最高のサプライズ」会場は、青と白の電飾で幻想的に飾られたパーティー会場でした。 そこには、二人の学生時代の写真や、寒洲が青梨に送ったおびただしい数の手紙が「展示」されています。

青梨が「これが私へのサプライズ?」と冷ややかに尋ねると、寒洲は満足げに語り始めました。 「うん。99通のラブレターで君を射止めた」 「君は唯一愛した人だ」 「だから博物館を建てて、僕らの愛を記念するんだ」

会場のゲスト(おそらく寒洲が仕込んだサクラ)からも「これぞ真実の愛」「二人は白髪になるまで一緒よ」と、寒洲の「純愛」を称賛する声が上がります。 全てが、真実を知る青梨にとっては滑稽な茶番劇にしか見えません。

100通目のラブレターと「アカウント削除完了」通知

クライマックス。 寒洲は白い封筒を取り出し、青梨に向き直ります。 「今日、君に贈る、100通目のラブレターだ」 「青梨、君は最初で、唯一の人だ」

周囲のゲストたちが「キスして!」と囃し立てる中、寒洲は笑顔で青梨の肩に手を置き、キスをしようと顔を近づけます。

まさにその瞬間。 青梨の脳裏には一つの光景が思い浮かびます。

スマートフォンの画面が光り、一つの通知が届きました。

「宋女士,您申请的销户已完成。(宋さん、あなたのアカウント削除申請は完了しました。)」

第1話で「システムにあなたの情報がない」と言われた、あの「偽物の戸籍(家族情報)」。 青梨は、この茶番劇のクライマックスに合わせて、その「戸籍=アカウント」の抹消手続きを完了させたのです。 これが、青梨が用意した本当の「サプライズ」でした。 青梨は、キスをしようとする寒洲の顔を冷たく見つめ、わずかに顔をそむけて、そのキスを拒否します。

そして修羅場へ…不敵な笑みの沈依依

青梨の冷たい拒絶に、寒洲は戸惑いを隠せません。 その時、会場の外では、ミントグリーンのドレスを着た沈依依が、安安の手を引き、不敵な笑みを浮かべて会場に向かって歩いていました。 全ての役者が、この偽りの「愛の博物館」に集まろうとしています。 第6話は、最大の修羅場の幕開けを予感させて幕を閉じます。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第6話を読んだ感想(ネタバレあり)

第6話、恐ろしさと痛快さが入り混じる、とんでもない回でした。 まず恐ろしかったのは、娘・安安の策略です。 「私たち家族、やっと一緒にいられるのに」「サプライズが台無しよ」というセリフ。 これが子供の口から出てくるとは思えません。 実母・依依の入れ知恵があったとしても、寒洲の良心(青梨への罪悪感)と父親心(安安への愛情)を同時に突く、あまりにも巧妙な引き留め方です。 青梨が6年間育ててきた娘は、完全な「敵」になってしまいました。

そして、寒洲の「青梨。会いたい」というモノローグ。 これが本気だとしたら、本当に救いようがありません。 彼は「青梨への愛」も「依依との家庭」も、両方本気で手に入れようとしている。 その自己中心的な思考が、全ての元凶であることに気づいていないのが恐ろしいです。

しかし、そんな地獄のような状況の中で、青梨の決意の固さが際立っていました。 スマホの登録名を「老公」から「陆寒洲」に変えるシーン。 バラの花束をソファに投げ捨てるシーン。 彼女の怒りと決別が、静かな行動に現れていて、見ているこちらは「よくやった!」と快哉を叫びたくなりました。

「愛の博物館」という寒洲の自己陶酔の極みのようなサプライズも、滑稽で最高でしたね。 彼は「99通のラブレターを書いた自分」に酔っているだけ。 その茶番のクライマックスで、青梨のスマホに「アカウント削除完了」の通知が届く。 これ以上ない完璧なタイミングです。 「100通目のラブレター」に対し、青梨が叩きつけたのは「戸籍抹消通知」というわけです。 キスの拒否、そして依依の登場。 いよいよ次回、この偽りの博物館で、青梨の本当の反撃が始まりますね!

【物語は鮮やかに縁は儚く】第6話のネタバレまとめ

  • 寒洲は青梨を心配し帰ろうとしますが、娘・安安が「青梨ママへのサプライズが台無しになる」と引き留め、寒洲は帰宅を断念します。
  • 寒洲は、青梨との過去の写真を見て「会いたい」「白髪になるまで一緒にいよう」とつぶやき、二重生活を続ける意志を見せます。
  • 記念日当日、青梨は寒洲の連絡先名を「老公(夫)」から「陆寒洲」に変更し、帰宅した寒洲から受け取ったバラの花束をソファに投げ捨て、決別を態度で示します。
  • 寒洲はサプライズ会場「愛の博物館」で「100通目のラブレター」を青梨に贈り、キスをしようとします。
  • その瞬間、青梨のスマホに「销户已完成(アカウント削除完了)」の通知が届き、青梨は寒洲のキスを冷たく拒否します。
  • 同じ頃、本妻の沈依依が安安の手を引き、不敵な笑みを浮かべて会場に向かっていました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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