【癒やしのお隣さんには秘密がある】9話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 倒れた藤子を、お隣の蒼真が部屋で看病するというサプライズがありました。
  • 蒼真は、藤子の家に出入りしていた坂本に対し、嫉妬心を隠せない様子を見せます。
  • 翌日、出社した藤子は坂本に、蒼真が隣人であることをなぜ隠していたのか問い詰められます。
  • 満員のエレベーターの中、坂本は藤子に「仁科さんと付き合ってるのか?」と核心に迫る質問をしたところで、物語は終わりました。

【癒しのお隣さんには秘密がある】第9話をネタバレありでわかりやすく解説する

満員のエレベーターという密室で、坂本からの鋭い追及を受ける藤子。彼女の心の内と、蒼真との関係性が、少しずつ明らかになっていきます。

鋭い先輩にはお見通し

「この男面白がっているな!?」 エレベーターの中でニヤニヤと自分を見る坂本に、藤子はそう確信します。彼女は小声で「付き合ってないですよ」と否定し、蒼真が隣に住んでいることは内緒にしてほしいと必死にお願いしました。

坂本はあっさり了承しますが、追及の手は緩めません。なぜ御曹司の彼がボロアパートに住んでいるのか、と尋ねる坂本に、藤子は「人には知られたくない事情があるんだと思います」と、蒼真を庇うように答えます。

すると、坂本は何かを確信したように、藤子の耳元で囁きました。 「最近お前が調子が良さそうだったのは、お隣さんに癒されてたからか」

図星を突かれた藤子は、セクハラだと反論しますが、坂本はさらに畳み掛けます。 「しかも蓬田はそれを誰にも言いたくないらしい」「自分だけのお隣さんてか」 その言葉は、藤子が心の奥底に隠していた独占欲を、完璧に見抜いていました。顔を真っ赤にしてうつむく藤子。鋭い先輩には、何もかもお見通しだったのです。

後輩へのカミングアウトと、まさかの反応

坂本に心を見透かされ、藤子は思います。心配してくれた後輩の田辺にも、本当のことを話さなければならない、と。その日の夜、藤子は田辺を食事に誘い、ついにカミングアウトする決意を固めました。

「以前引っ越してきたお隣さんのことだけど覚えてる?」「その人がね実は仁科さんで」 緊張しながら真実を告げる藤子。しかし、田辺の反応は予想外のものでした。

「仁科さんて誰ですか?」

きょとんとする田辺に、藤子は唖然とします。あんなに雑誌を見て「カッコ良い」と絶賛していたのに、もう忘れてしまったのかと。藤子がイケメン特集の雑誌のことだと説明すると、田辺は「あ~、そういえば…んん?いや顔が思い出せないんですけど」と、全く興味がなさそうな様子。 その反応に、藤子は心からホッとしてしまうのでした。

独占欲を認めた先に芽生えるもの

田辺の意外な反応に安心した藤子は、今まで言えなかった本音を正直に打ち明けます。 「もし2人が会ったら仁科さん田辺さんに興味を持っちゃうんじゃないかなと思っちゃって」

その可愛らしい嫉妬心に、田辺は「あははは!」と大爆笑。 「先輩も可愛いところがあるんだなぁって、むしろ安心しましたよ」 そう笑う田辺に、藤子は恋愛運がなさすぎて諦めの境地にいるだけなのだと、自嘲気味に語ります。

そして、田辺に言わなかったことを改めて謝罪する藤子。そんな彼女に、田辺は力強く言いました。 「そんなの普通のことじゃないですか、だって自分が好きな人が誰かを好きになったりするとか、なんとかしたくなるものじゃないですか人間って」

「好きな人ってわけじゃないんだけど…」 思わずそう否定する藤子ですが、その言葉は、彼女自身が蒼真への特別な感情を自覚し始めている証拠でもありました。癒やされているだけ、まだ知らないことも多い。そう自分に言い聞かせながらも、彼女の心は確かに恋の色に染まり始めていたのです。

深まる謎と「知りたい」という願い

話は自然と、蒼真が古いアパートに住んでいる謎へと移っていきます。御曹司という華やかな経歴と、古びたアパート。その不釣り合いな組み合わせは、誰がどう考えても「訳あり」でした。

「なにか事情があるみたいなんだけど、聞いても教えてくれないの」 そう話す藤子の脳裏には、寂しげな表情で過去を語った蒼真の姿が浮かびます。 私は、仁科さんの抱えるその訳を知りたい。そして、いつか彼が心を開いて話してくれる日が来るのだろうか。 藤子の心の中では、蒼真への興味と、彼をもっと深く理解したいという願いが、静かに、しかし確実に大きくなっていくのでした。

【癒しのお隣さんには秘密がある】9話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、藤子の恋心がじわじわと焙り出されていく、心理描写が巧みな回でしたね。坂本先輩の鋭い指摘によって、藤子自身も気づかないふりをしていた「独占欲」を突き付けられるシーンは、読んでいてドキドキしました。「自分だけのお隣さんてか」なんて、最高のからかい文句です!

そして、緊張のカミングアウトシーンでの、田辺ちゃんのまさかの「誰ですか?」発言には、思わず吹き出してしまいました。あれだけ騒いでいたのに、もう忘れているなんて(笑)。でも、彼女のこの天然さが、結果的に藤子の心を軽くし、本音を話すきっかけを作ってくれたんですね。田辺ちゃん、グッジョブです!

一番印象的だったのは、藤子が蒼真への気持ちを「好きな人ってわけじゃない」「癒されているだけ」と表現したところです。これぞまさに、恋の始まりのリアルな心境ではないでしょうか。まだ「好き」と認めるのは怖いけど、確実に特別な存在になっている。このもどかしい距離感が、たまらなく愛おしいです。

「彼の訳を知りたい」。そう願うようになった藤子。それは、単なる「癒やし」の対象としてではなく、一人の人間として蒼真に向き合いたいという気持ちの表れでしょう。二人の関係が、新たなステージに進む予感がする、静かながらも重要な一歩が描かれた回でした。

【癒しのお隣さんには秘密がある】9話のネタバレまとめ

  • エレベーターで、坂本は藤子が蒼真を独占したいと思っていることを見抜き、からかう。
  • 藤子は秘密を守ってもらう代わりに、蒼真が隣人であることは誰にも言わないと約束する。
  • 藤子は後輩の田辺に、お隣さんが仁科蒼真であることを打ち明けるが、田辺は蒼真のことをすっかり忘れていた。
  • 藤子は安堵し、田辺に蒼真を取られたくなかったという本音を告白。田辺から「好きな人」と指摘されるが、まだその気持ちを認められない。
  • 蒼真が古いアパートに住む「訳」を知りたいと、藤子は彼への想いを深めていく。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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