【癒やしのお隣さんには秘密がある】12話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 蒼真は、助けた藤子と田辺を自分の車で家まで送り届け、その道中で藤子を助手席に誘いました。
  • 「危険な時は警察より早く駆けつける」と約束し、二人はこの日初めて連絡先を交換します。
  • 蒼真は藤子を「大事なお隣さん」と呼びつつも、「僕が護りたいのは1人だけ」という意味深な言葉を残しました。
  • 季節が変わり寒くなってもベランダでの会話は続き、藤子はその習慣を「中毒」だと感じるほど、蒼真の存在に依存していました。

【癒しのお隣さんには秘密がある】第12話をネタバレありでわかりやすく解説する

街が少しずつクリスマスの装いに変わり始める頃、藤子と蒼真の穏やかな関係にも、はっきりとした恋の色が灯り始めます。それは、彼の隠しきれない独占欲という形で、突然藤子の目の前に現れるのでした。

寒くても続く、二人の日課

仕事からの帰り道、藤子のスマホに嬉しいメッセージが届きます。半年ぶりに弟が泊まりに来るというのです。何を作ってあげようかと考えるだけで、自然と顔がほころびます。

そして、家に帰り着いた藤子を待っているのは、もう一つの幸せな時間。カーディガンを一枚羽織ってベランダに出ると、そこには案の定、先にビールを片手にくつろぐ蒼真の姿がありました。 「お帰りなさい、藤子さん」 「ただいまです」 寒さなど気にならないほど、このベランダでの会話は、二人にとってかけがえのない日課となっていたのです。

蒼真は、藤子が着ているカーディガンを「凄く似合っていますね」と褒めてくれます。しかし、その一言が藤子の心を曇らせました。それは、高校生の時に着ていた毛玉だらけのお古。母から送られてきたもので、外出時には着られないと思っていた服でした。 (ベランダに出たら仁科さんに会うとわかっていたのに!) うっかり着てきてしまった自分に、藤子は恥ずかしくなりテンションが下がってしまいます。

坂本の名前が引き起こした波紋

そんな藤子の内心を知らない蒼真は、いつものように「今日はどうでしたか?」と優しく尋ねます。藤子は、苦手だった同僚・柏木と初めて仕事以外の話で盛り上がったことを嬉しそうに報告しました。 以前、高圧的だった柏木の態度が軟化したのは、どうやら坂本が叱ってくれたおかげらしい、と。

「坂本さんってたまにムッとしちゃう時もあるけど、なんだかんだで良い人だなぁと、今日改めて思いました」

藤子が屈託のない笑顔でそう語った、その瞬間でした。

缶ビールが示した、彼の嫉妬

蒼真が持っていたビールの缶が、「バコッ!」という鈍い音を立てて握り潰されます。勢いよく溢れ出したビールが、彼の手とベランダを濡らしました。 「ビチョビチョじゃないですか!?」 突然の出来事に驚き、慌てる藤子。

「待ってて下さいタオル持ってきます!」 そう言って部屋からタオルを持ってきた藤子は、濡れた蒼真の手に自分のタオルをそっと当て、優しく拭き始めます。その予期せぬ接近に、蒼真は恥ずかしそうに顔を赤らめ、「ありがとうございます」と小さくお礼を言うのが精一杯でした。

「突然どうしたんですか?」 藤子が尋ねると、蒼真は藤子の顔にぐっと自分の顔を近づけ、じっとその瞳を見つめながら、はっきりと言いました。 「なんていうか…嫉妬?」

「嫉妬?」- 縮まる二人の距離

至近距離で見つめられ、藤子の心臓は今にも張り裂けそうです。 「藤子さんが坂本さんの話をする時、楽しそうに笑うので」 そう続ける蒼真に、藤子は「楽しいとかじゃなくて、お世話になってるなぁという感謝みたいな…」と、しどろもどろに弁解します。

「本当に?」と念を押され、これ以上この話題は危険だと感じた藤子は、「タオル戻して来ますね!」と、その場から逃げ出そうとしました。しかし、蒼真はそれを引き止め、「拭いてくれたお礼に僕が洗いたいんです」と言って譲りません。 「拭いてくれたのが嬉しかったので」 そう言って微笑む彼の表情に、藤子の心は完全に射抜かれてしまうのでした。

弟との対面を約束して

これ以上心臓がもたない。そう思った藤子は、高鳴る鼓動を落ち着かせようと、必死に別の話題を探します。 「あ、そうだ!」「実は明日仕事のあとに、私の弟が家に来るんです」

その話に、蒼真は意外な反応を見せました。 「僕もお会いしたいな」 いつもお世話になっているから挨拶がしたい、という蒼真の申し出を、藤子が断る理由はありません。 (お姉ちゃん何この超イケメンは?ってビックリしそうだなぁ) 弟の驚く顔を想像しながら、藤子は蒼真との約束を交わすのでした。

【癒しのお隣さんには秘密がある】12話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、待ちに待った蒼真くんの嫉妬が大爆発する回で、読んでいて思わず声が出てしまいました!坂本先輩の名前が出た瞬間に、缶ビールを握り潰すなんて、行動が雄弁すぎます(笑)。いつもは穏やかでポーカーフェイスな彼が、こんなにも分かりやすく感情を露わにするなんて、それだけ藤子のことが大切だということですよね。

そして、その後の「嫉妬?」というまさかの自己申告。あまりにもストレートな言葉に、藤子と一緒に心臓を撃ち抜かれました。顔を近づけて見つめながら言うなんて、確信犯すぎます!からの、タオルを洗わせてほしいという可愛らしいおねだり。この甘さと激しさの緩急が、仁科蒼真という男の最大の魅力なのだと改めて感じました。

また、弟くんの登場フラグが立ったのも大きなポイントですね。家族という第三者が関わることで、二人の関係はどう変化していくのでしょうか。蒼真くんが「挨拶したい」と言った真意も気になります。これはただの礼儀なのか、それとも、藤子の家族に自分を認めてもらいたいという、彼なりのアピールなのか…。

藤子が坂本先輩を「良い人」と評したことが引き金になった今回の事件。蒼真くんの嫉妬は、藤子と坂本の距離が縮まっていることへの焦りの表れでもあるのでしょう。癒やしだけではない、ピリッとした独占欲が二人の関係に新たなスパイスを加え、物語はますます面白くなってきました!

【癒しのお隣さんには秘密がある】12話のネタバレまとめ

  • 街がクリスマスムードになる中、藤子の弟が泊まりに来ることが決まる。
  • ベランダでの日課の中、藤子が先輩の坂本を褒めたことに、蒼真は嫉妬を露わにし、ビール缶を握り潰してしまう。
  • 蒼真は、藤子が坂本の話をすると楽しそうだから「嫉妬」したのだと、顔を近づけてストレートに告白する。
  • 濡れた手を拭いてくれたお礼に、蒼真は藤子のタオルを洗わせてほしいと申し出るなど、二人の距離はさらに縮まる。
  • 翌日、藤子の弟が家に来ることを知った蒼真は、「挨拶がしたい」と自分から会うことを提案する。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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