【癒やしのお隣さんには秘密がある】19話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • ベランダで自然な流れでキスをした後、パニックになった藤子は自室へ逃げ帰るものの、幸せを噛みしめていました。
  • 翌朝、給料明細が風で蒼真のベランダへ飛んでしまい、藤子は彼が留守だと思い、こっそりと侵入してしまいます。
  • 蒼真の部屋の壁に無数の写真が貼られているのを発見し、好奇心から部屋の中へと足を踏み入れてしまいました。
  • 壁一面の写真は、すべて藤子自身を盗撮したものであり、彼がストーカーだったという衝撃の事実を知るのでした。

【癒しのお隣さんには秘密がある】第19話をネタバレありでわかりやすく解説する

癒やしのお隣さんの部屋で、藤子が見つけた真実。それは、彼女のささやかな恋と日常を、根底から覆すほど恐ろしいものでした。甘い恋物語は、この瞬間、音を立ててサイコホラーへと変貌します。

5年という歳月のストーキング

壁一面に貼られた、自分の写真。そのどれもが、カメラ目線ではない、日常を切り取ったものばかり。それは紛れもなく盗撮でした。 藤子は、一枚の写真に記された日付に気づき、愕然とします。 「これ、日付け…5年前のものまである」 何で、何でこんなものが。仁科さんがこんなことをするはずがない。藤子の心は、信じたい気持ちと、目の前の現実との間で引き裂かれそうになります。

その時、机の上に置かれた一冊のノートが、彼女の目に入りました。恐る恐るそのページを開いた藤子は、そこに記された内容に、全身の血が凍りつくのを感じるのでした。

狂気に満ちた、愛の観察日記

ノートに書かれていたのは、日記でした。藤子の弟・利宗が遊びに来た日のことが、克明に、そして異常な視点で綴られていたのです。

『透き通るような白い肌を持つ藤子さんとは違って、利宗君はやや色黒で…色黒なお父様の遺伝か』 (何で私のお父さんが色黒なことを知ってるの?)

『利宗君のために買ったサッカーシューズ…喜んでくれたみたいで安心した』 (もらったものじゃなくて、わざわざ買ったものだったの?)

息が苦しくなり、肩が震えだす藤子。ページをめくる手が止まりません。別のページには、藤子が着ていたカーディガンのこと、そして坂本の話をした夜のことが、歪んだ愛情と共に記されていました。

『藤子さんのあの桜の花びらの如く可愛らしい唇から、他の男の名前が出るだけで苦しいのに…』 『初めて藤子さんが僕に触れた、胸が爆発するかと思った…一度肌が触れると欲望が渦巻く、もっと藤子さんに触って欲しい、藤子さんに触りたい、藤子さん、藤子さん、藤子さんこの漢字までもが愛おしい』

びっしりと書き連ねられた、狂気的なまでの愛情表現。棚には、同じような日記帳が何冊も並んでいました。一番古いものは、やはり5年前。どのページを開いても、必ず「私」の名前がある。 (これって本当に、あの仁科さんが書いたものなの?) あの優しい笑顔の裏に隠されていた、底知れぬ執着心。藤子は、言いようのない恐怖に支配されていました。

引き出しの中に隠された「宝物」

日記を読んでいた藤子は、ある記述に気づきます。 『初めて藤子さんが僕に触れた時に使用したタオル』 まさか、と思いながら、藤子は部屋の棚の引き出しに手をかけます。

そこにあったのは、藤子の想像を絶する光景でした。 彼女が使ったスプーン、当たり付きのアイスの棒、そして、あの日彼の手を拭いたタオル。それらが、一つ一つ丁寧にビニール袋に梱包され、まるで**「宝物」**のように並べられていたのです。

『お粥を食べた時に使用したスプーン』 『藤子さんの髪の毛』 『藤子さんがファミレスで落としたレシート』 『コインランドリーに置き忘れた藤子さんのブラカップ付きのキャミソール』

袋ごとに、ご丁寧にもマジックで内容物が記されていました。気持ち悪い。その一言しか、藤子の頭には浮かびません。手にしたアイスの棒を、思わず床に落としてしまいます。

涙と共に崩れ落ちた「恋」

壁一面の写真、狂気的な日記、そして異常なコレクション。全てのピースが揃った時、藤子の心の中で、一つの残酷な答えが導き出されます。 「仁科さんって…私のストーカーだったの?」

脳裏に浮かぶのは、あの人懐っこい、少年のような笑顔。その笑顔も、優しい言葉も、全てが自分を欺くための演技だったというのでしょうか。信じていた全てが、ガラガラと音を立てて崩れ落ちていきます。藤子の瞳からは、絶望の涙がとめどなく溢れ出すのでした。

【癒しのお隣さんには秘密がある】19話を読んだ感想(ネタバレあり)

これは…もう言葉になりません。ただただ、怖い。前回のラストで「サイコサスペンスだ」と感じましたが、今回の内容は、その想像を遥かに超えるレベルの狂気でした。

特に、日記の内容が生々しくて、読んでいて鳥肌が立ちました。「他の男の目にあの藤子さんの白い肌が晒されると考えるだけで僕は苦しくなる」という一文は、彼の独占欲と支配欲の異常さを象徴しています。藤子を「癒やし」と見ていたのではなく、完全に自分の「所有物」として監視していたのですね。

そして、極めつけは引き出しの中のコレクション。スプーンや髪の毛ならまだしも、「コインランドリーに置き忘れたキャミソール」は完全に犯罪の領域です。彼がこの5年間、どれだけ藤子のプライベートに侵食していたのかを物語っており、心底ゾッとしました。

藤子の気持ちを考えると、本当に胸が痛みます。やっと本当の恋だと自覚した相手が、実は5年前からのストーカーだった。この絶望は、計り知れません。彼女が積み上げてきたささやかな幸せも、彼との思い出も、全てが恐怖に塗り替えられてしまいました。これから藤子は、この悪夢からどうやって抜け出すのでしょうか。もはや、ただの引越しで済む問題とは思えません。物語は、最も甘い瞬間から、最も恐ろしい悲劇へと突き落とされました。

【癒しのお隣さんには秘密がある】19話のネタバレまとめ

  • 蒼真の部屋の壁一面の写真は、5年前にまで遡る藤子の盗撮写真だった。
  • 机の上にあった日記には、藤子への異常な執着心と、彼女の個人情報(父親の特徴など)まで知っていることが記されていた。
  • 他の日記には、坂本への嫉妬や、藤子に触れた際の狂気的な欲望がびっしりと綴られていた。
  • 棚の引き出しからは、藤子が使ったスプーンやタオル、髪の毛、さらにはコインランドリーで盗んだ下着などが、丁寧に保管されているのが見つかる。
  • 全ての証拠を目の当たりにし、藤子は蒼真が自分のストーカーだったという残酷な真実を受け入れ、絶望の涙を流す。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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