【癒やしのお隣さんには秘密がある】22話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 蒼真視点で、彼がストーカー行為をしながらも、藤子への純粋な愛情を深めていった経緯が語られました。
  • 蒼真は自身の行為を「ストーカー」だと自覚した上で、藤子に告白し、ストーカー行為をやめようと決意します。
  • しかし、帰宅した蒼真は自室の様子から、藤子に全ての秘密を知られてしまったことを悟りました。
  • パニックになった蒼真は藤子の部屋を訪ねますが返事がなく、絶望の中で彼女の名前を呼び続けるのでした。

【癒しのお隣さんには秘密がある】第22話をネタバレありでわかりやすく解説する

全ての秘密を知られてしまったストーカーと、全てを知ってしまった被害者。二人の関係が完全なる破綻を迎えた時、恐怖の扉が静かに、しかし確実に開かれます。

恐怖の対峙、チェーン越しの攻防

「藤子さん…藤子さん…」 ドアの前で崩れ落ち、ただ愛しい人の名前を呼び続ける蒼真。見られたのかもしれない、嫌われたのかもしれない。その恐怖が、彼の心を支配していました。 その時、ガチャリと音がして、ドアがわずかに開きます。しかし、その隙間はドアチェーンによって固く閉ざされたまま。チェーンの向こうから、藤子が蒼真のことを見ていました。

「藤子さん?」 一瞬、嬉しそうな表情を浮かべる蒼真。しかし、彼に向けられた藤子の瞳には、もはや昨日までの親愛の色はありませんでした。そこにあるのは、恐怖と嫌悪、そして深い幻滅。その表情から、蒼真は全てを悟ります。 (やっぱり僕の部屋を見たのかな?)

藤子の顔は恐怖で強張り、声は震えていました。それでも、彼女を見つめる蒼真は、狂気の淵でこう呟くのです。 「…美しい」

歪んだ愛情問答と、狂気の笑顔

「これは返します!」 藤子は、彼から借りていたマグカップを突き出し、すぐにドアを閉めようとします。しかし、そのドアは蒼真の力強い腕によって、ガッと阻まれました。 「待って!待って下さい」 必死に引き留める彼の行動に、藤子の心臓は恐怖で跳ね上がります。

そして、蒼真は信じられない質問を口にしました。 「マグカップ洗いましたか?」 突拍子もない問いに一瞬戸惑う藤子でしたが、すぐに「当たり前じゃないですか!」と怒りを露わにします。すると、蒼真は心底残念そうに「そうですか…」と肩を落とすのでした。

「もう用事はありませんので、お引き取り下さい」 藤子の拒絶の言葉に、蒼真は一度ドアから手を離します。しかし、藤子がドアを閉めようとした次の瞬間、彼はその隙間に自らの足を差し込み、再びドアが閉まるのを防いだのです。 そして、彼は満面の笑みで言いました。 「藤子さん僕の部屋を見たんですね?」

「純粋に想っているだけ」という名のストーキング

「見てないですよ」 必死に嘘をつく藤子ですが、蒼真はもはや聞く耳を持ちません。 「僕は純粋に藤子さんを想っているだけなんだけど」 彼の口から紡がれる言葉は、もはや藤子には理解できない、独りよがりの愛の言葉でした。

「あれのどこが純粋なんですか?犯罪ですよね?警察に通報しますよ!」 藤子の悲痛な叫びに、蒼真は「警察だけは止めて下さい」と懇願します。 「仁科さん自分が何をしているかわかってますか?盗撮ですよ、ストーカーです!」 藤子がそう突きつけると、彼はうつむきながら、あっさりとそれを認めました。 「もちろんわかっていますよ、僕が気持ち悪いストーカーだってことは」 しかし、彼は続けます。 「でも警察だけは…藤子さんの傍にいられなくなってしまう」 泣きそうな表情でそう訴える彼の姿は、もはや正常ではありませんでした。

「両想い」という、恐ろしい勘違い

そして、蒼真は決定的な、そして最も恐ろしい一言を口にします。 胸に手を当て、自信に満ち溢れた表情で、彼はこう言ったのです。 「両想い同士なんだから、何か問題がありますか」

「何を言ってるんですか!?」 混乱の極みにいる藤子に、蒼真は追い打ちをかけます。 「藤子さん僕のこと好きだと言ったじゃないですか」 目に涙を浮かべながら、彼は昨日盗聴した事実を、悪びれる様子もなく突きつけるのでした。 「昨日キスしたあとに、言ってたじゃないですか」

【癒しのお隣さんには秘密がある】22話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、蒼真の狂気が完全にリミッターを振り切った、息もつけないほどの恐怖回でした。チェーン越しの対峙というシチュエーションが、二人の心理的な距離と物理的な攻防を見事に表現していて、読んでいて心臓が縮み上がる思いでした。

特に恐ろしかったのが、「マグカップ洗いましたか?」という質問です。藤子が使ったそのままの状態で保存したかった、という彼の異常な執着が垣間見え、彼の思考回路がもはや常人には理解できない領域にあることを突きつけられました。そして、自分がストーカーだと認めながらも、「両想いだから問題ない」と結論づける自己中心的な論理。これぞまさしく、ストーカーの典型的な思考であり、フィクションだと分かっていても背筋が凍ります。

最後の、「好きって言ってたじゃないですか」というセリフ。これは、藤子にとって死刑宣告にも等しい言葉でしょう。自分の最もプライベートな、心の中の呟きまで聞かれていた。その事実が、彼女にどれほどの恐怖と絶望を与えたか、想像するだけで胸が苦しくなります。

もはや、話し合いで解決できるレベルの問題ではありません。藤子は、この狂気から逃げ出すことができるのでしょうか。癒やしの物語は完全に終わりを告げ、命がけのサバイバルホラーが幕を開けました。

【癒しのお隣さんには秘密がある】22話のネタバレまとめ

  • 蒼真の呼びかけに、藤子はチェーンをかけたままドアを開け、彼への恐怖と嫌悪を露わにする。
  • 蒼真は藤子の拒絶にも屈せず、足でドアを閉めさせず、秘密の部屋を見たことを笑顔で問い詰める。
  • 自分がストーカーであると認めつつも、「純粋に想っているだけ」「警察だけは止めて」と懇願する。
  • 最後に、蒼真は「両想いなんだから問題ない」と主張し、藤子が布団の中で「好き」と言っていたことを、盗聴していた事実を突きつける。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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