【癒やしのお隣さんには秘密がある】24話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 藤子は蒼真を拒絶しドアを閉めますが、彼は踏まれたことさえ喜びに感じていました。
  • 翌日、藤子は会社で上の空。蒼真からの接触が続く恐怖の日常を、同僚には嘘をついて隠します。
  • 警察への通報をためらう中、藤子は自分の独り言を蒼真が知っていたことから、「盗聴」の可能性に気づき、さらなる恐怖に襲われます。
  • 絶望の中、藤子は先輩の坂本が「家電屋さんの息子」であることを思い出し、彼に助けを求めることを決意しました。

【癒しのお隣さんには秘密がある】第24話をネタバレありでわかりやすく解説する

絶望の淵で、藤子がつかんだ一本の蜘蛛の糸。それは、先輩・坂本の実家が「家電屋」であるという、ささやかな事実でした。彼こそが、この悪夢から自分を救い出してくれる唯一の希望かもしれない。藤子は、震える手でその糸をたぐり寄せます。

スマホに綴られた、恐怖の告白

仕事終わりのオフィス。藤子は、人目を忍んで坂本に相談を持ちかけます。周囲に聞かれることを恐れ、彼女はスマホのメモ帳に事の経緯を打ち込み、彼に見せました。 画面に綴られた「盗聴」という二文字。それを見た坂本の表情は、一瞬で険しいものへと変わります。 『今も盗聴されてんの?』 坂本が打ち返した問いに、藤子は『わかりません、でも自宅では盗聴されていると思います』と返信。すると、坂本は頼もしい一言を打ち返します。 『俺の実家には発見器がある』 その言葉に、藤子はただ頷くことしかできませんでした。

束の間の安堵と、明かされる全貌

坂本の実家へ向かう車の中。まずは、藤子の持ち物に盗聴器が仕掛けられていないか、発見器を使って確認します。 「鞄や服にはなかった」 坂本からのその報告に、藤子は張り詰めていた緊張の糸が切れ、涙を流しながら「良かった…ありがとうございます!」と感謝を述べます。坂本は、そんな彼女の頭を優しくポンポンと撫で、安心させるのでした。

そして、藤子はついに、これまでの全てを坂本に打ち明けます。隣に引っ越してきた仁科蒼真が、実は5年前からのストーカーだったこと。盗撮、盗聴、異常なコレクション…。信じがたい事実に、坂本は「はぁ?マジで言ってんのかよ?」と、怒りをあらわにします。

その時、藤子のスマホが鳴り響きました。画面に表示されたのは「仁科蒼真」の名前。昨日から何度もかかってきているその電話を、藤子はただ無視することしかできません。 「警察に相談してないの?」 坂本の当然の問いに、藤子は「しないといけないとわかっているんですけど…」と言葉を濁します。

「仁科さんのこと好きなの?」

「まさか脅されてるのか」と心配する坂本に、藤子は、ストーカー行為を指摘した際に蒼真が見せた、泣きそうな顔のことを話しました。その一言で、坂本は全てを察します。 「お前お人好しにも程があるぞ」 そして、彼は核心を突く質問を投げかけました。

「蓬田って仁科さんのこと好きなの?」

その問いに、藤子は激しく動揺します。 「えっ、えーと前は好きだったけど…ストーカーとかがわかって、それでそういうのは一瞬で消えたかな」 「百年の恋も冷めるわな」と納得する坂本。しかし、だからこそ早く警察に連絡すべきだと、彼は正論を突きつけます。

おおごとにしたくない、雑誌にも載るような彼を大ニュースにしたくない、そして、泣きそうな顔をされたら心が痛む。藤子が並べる言い訳は、彼女の優しさであり、同時に弱さでもありました。 「このままストーカーされんのか」 「自宅に帰るのも怖いんですから」 八方塞がりの状況に、藤子の心は追い詰められていきます。

藤子の「切り札」

その時、再び藤子のスマホが鳴り響きます。蒼真からの着信。 「俺が電話に出て止めるように言おうか?」 坂本の申し出は、非常に心強いものでした。格闘技が趣味だという彼の腕っぷしの強さも、藤子は知っています。 しかし、藤子の頭に浮かんだのは、それとは全く別の、ある一つの「作戦」でした。

彼女は、鳴り続けるスマホには目もくれず、隣に座る坂本の服の袖を、くいっと小さく引っ張ります。そして、まっすぐに彼の目を見つめ、決意を秘めた声で、こう尋ねたのです。

「坂本さんって彼女いますか?」

それは、この絶望的な状況を打開するための、藤子が考えうる、唯一にして最大の切り札でした。

【癒しのお隣さんには秘密がある】24話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、藤子が絶望的な状況の中で、自らの足で立ち上がろうともがく姿が描かれ、読んでいて手に汗握る展開でした。坂本先輩、期待通りの頼もしさで、もはや彼がヒーローにしか見えません。「俺の実家には発見器がある」なんて、都合が良すぎる!と思いつつも、この安心感はたまりませんね。

そして、藤子の複雑な心境が、非常にリアルに描かれていたのが印象的でした。ストーカーだと分かって恋心は冷めたはずなのに、相手の悲しい顔を思い出すと通報をためらってしまう。この「お人好し」な部分こそが、藤子というキャラクターの魅力であり、同時に彼女を危険に晒す弱点でもあるのでしょう。

坂本先輩の「仁科さんのこと好きなの?」という質問に対する、藤子の「前は好きだったけど…」という答えも、非常に切なかったです。つい先日まで、人生で一番の恋をしていたはずなのに。その幸せが一瞬で悪夢に変わってしまった彼女の心中を思うと、本当に胸が痛みます。

ラストの、藤子からの「彼女いますか?」という逆質問!これはもう、そういうことですよね!?彼氏のフリをしてください、というお願いに違いありません。絶体絶命のピンチに、彼女が思いついた起死回生の一手。この作戦が、狂気のストーカーに通用するのか。物語は、新たな対決の局面へと突入しました。

【癒しのお隣さんには秘密がある】24話のネタバレまとめ

  • 藤子は会社の先輩である坂本に、仁科蒼真から盗聴されているかもしれないと相談する。
  • 坂本は藤子を車で実家へ連れて行き、道中、発見器で彼女の所持品に盗聴器がないことを確認し、安心させる。
  • 藤子は坂本にこれまでの経緯を全て打ち明けるが、蒼真への同情心から警察への通報をためらってしまう。
  • 坂本が蒼真に電話で直接話をしようかと提案した矢先、藤子は彼に「彼女はいますか?」と意味深な質問を投げかける。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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