復讐モノ

【砕かれた7つの約束】23話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 雲舒は家政婦に、兄弟たちの最後の写真立てを捨てるよう命じ、彼らを「若様」と呼ぶことを禁じ、関係を完全に断ち切りました。
  • 病院では、シャオシャオが悲劇のヒロインを演じきり、兄弟たちは彼女に完全に同情して、雲舒への怒りをさらに募らせます。
  • 兄弟の一人が雲舒に電話をかけようとしますが、プライドが邪魔をしてためらいます。
  • しかし、いざかけようとしたところ、「おかけになった電話は現在お繋ぎできません」という自動音声が流れ、雲舒から一方的に連絡手段を断たれていたことを知り、愕然とします。

【砕かれた7つの約束】第23話をネタバレありでわかりやすく解説する

顧雲舒(コ・ウンス)からの完全な拒絶の証を突きつけられ、愕然とする兄弟たち。しかし、第23話で彼らが選んだのは反省ではなく、さらなる勘違いと傲慢さの暴走でした。そして、絶対的な自信を持っていた沈祈年(シェン・チーニエン)のプライドが、ついに木っ端微塵に砕け散ります。

最後の砦、プライドが生んだ醜い勘違い

「顧雲舒の電話が、居然、繋がらない」 一人が繋がらなかったのを皮切りに、他の兄弟も次々と電話をかけますが、聞こえてくるのは無機質な自動音声だけ。しかし、彼らはその事実を素直に受け入れることができません。

この顧雲舒め!俺たちがわざわざ電話してやってるのに、感謝も知らないで俺たちを着信拒否するなんて!

彼らは、雲舒が意図的に電話に出ない、つまり「自分たちの電話を認識した上で無視している」のだと、自分たちに都合よく解釈したのです。この期に及んでもなお、自分たちが彼女の世界の中心であるという、揺るぎない勘違いの中にいました。

その醜い勘違いに、ジャン・シャオシャオが追い打ちをかけます。 「やっぱり、私のせいよ。お姉ちゃんの嫉妬心を煽っちゃった。私、今すぐ顧家に行って、お姉ちゃんに土下座して謝る」

その健気な演技に、兄弟たちの単純な庇護欲はさらに燃え上がりました。

「俺だけは特別」という最後の幻想

兄弟たちの怒りとシャオシャオの涙。その全てを受け止める形で、ついに祈年が動きます。彼は、まるで王様が恩赦を与えるかのように、尊大な態度で言い放ちました。

「行くな。お前が頭を下げて謝るたびに、顧雲舒はいつも、ますます図に乗るだけだ。もういい。今回は俺があいつと大目に見てやる。俺が自ら電話をかけてやる

その言葉に、他の兄弟たちも「そうだ、祈年兄さんがかければ、彼女も出ないわけにはいかないだろ!」「秒で出るさ」と期待の声を上げます。彼らにとって、そして祈年自身にとっても、「祈年だけは雲舒にとって特別な存在である」という事実は、決して揺らぐことのない最後の砦でした。

ブロックされた最後の望み、崩れ落ちるプライド

絶対的な自信と共に、祈年はスマートフォンを取り出し、雲舒の番号を呼び出します。しかし、呼び出し音が鳴ることはなく、すぐに無機質な自動音声へと切り替わりました。

おかけになった電話は、現在お繋ぎできません

信じられないといった表情で、彼はメッセージアプリを開きます。しかし、そこに表示されていたのは、彼のプライドを完全に粉砕する、無慈悲な文字列でした。

あなたはブロックされています

電話に出ないのではない。着信拒否ですらない。彼の存在そのものが、彼女の世界から完全に「ブロック」され、拒絶されていたのです。「俺だけは特別」という最後の幻想が、音を立てて崩れ落ちた瞬間でした。

逆ギレと見当違いの最後の宣告

その事実に、兄弟たちは驚愕し、そして激昂します。 「顧雲舒は狂ったのか!祈年兄さんまでブロックするなんて!」 「上等だ!俺は今から顧家に戻って、あいつを探し出してやる!問いただしてやるぞ、一体どういうつもりなんだ!」

自分たちの過ちを省みることなく、全ての原因を雲舒に押し付け、逆ギレした彼らは顧家へと乗り込むことを決めます。その先頭に立ち、祈年は完全に打ち砕かれたプライドを隠すかのように、傲慢な声で最後の宣告をしました。

俺もお前たちと一緒に行こう。今回は彼女に逃げ道を与えてやる。だが、次はない

それは、雲舒に向けられた言葉であると同時に、もはや「次」などない自分自身に言い聞かせる、虚しい強がりにしか聞こえませんでした。

【砕かれた7つの約束】23話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、勘違いとプライドが暴走した先にある破滅への道を、まざまざと見せつけられた回でした。兄弟たちが「着信拒否された!」と憤慨しているシーンは、もはやコメディの域に達していますね。自分たちがどれだけ彼女にとって「どうでもいい存在」になったのか、全く理解できていない。その滑稽さが、彼らの悲劇性を一層際立たせていました。

そして、今回のハイライトは、なんと言っても祈年のプライドが崩壊する瞬間です。「俺が自ら電話をかけてやる」と、あれだけ自信満々だった彼が、「あなたはブロックされています」という表示を見た時の顔を想像するだけで、笑いが止まりません。20年間、彼が当たり前だと思っていた「雲舒からの無償の愛」という名のインフラが、ある日突然、何の予告もなく断絶された。その衝撃は、計り知れないものがあったでしょう。

最後の「今回は彼女に逃げ道を与えてやる。だが、次はない」というセリフ。これはもう、歴史に残る負け惜しみですね。完全に主導権を失い、相手にすらされていないのに、まだ自分が優位に立っていると思い込もうとする。その惨めな姿に、これまで彼に抱いていた怒りよりも、むしろ憐れみの感情が湧いてきました。

顧家に戻った彼らを待ち受けているのは、もはや自分たちの居場所などどこにもない、という冷たい現実だけでしょう。彼らがその現実を突きつけられた時、一体どんな反応を示すのか。彼らの転落劇は、いよいよ最終章に突入したのかもしれません。

【砕かれた7つの約束】23話のネタバレまとめ

  • 兄弟たちは雲舒に電話が繋がらないことを「気を引くための着信拒否」だと勘違いし、自分たちが優位だと信じ込みます。
  • 祈年は「自分だけは特別」という自信から、自ら雲舒に電話をかけますが、無情にも自動音声が流れます。
  • さらに、メッセージアプリで「あなたはブロックされています」という表示を確認し、自分が完全に拒絶されたという現実に直面し、愕然としました。
  • プライドをズタズタにされた兄弟たちは逆ギレし、真相を問いただすために全員で顧家へ乗り込むことを決めます。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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