復讐モノ

【砕かれた7つの約束】31話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 兄弟たちは、雲舒の心を傷つけたことを「居候としての対価だ」と開き直りますが、家政婦に20年前に交わした約束を突きつけられます。
  • 回想シーンで、幼い兄弟たちが泣いている雲舒を慰め、「海や星を見に連れて行く」と自ら約束していたことが明らかになりました。
  • 家政婦は、「雲舒は嘘をつかない。冤罪に陥れた張本人こそが、真実を知っているはずだ」と、彼らの罪を静かに断罪します。
  • 多くの兄弟がまだ雲舒が悪いと自己弁護する中、祈年だけは捨てられた集合写真を見て、彼女の決別が本物であることにようやく気づき始め、愕然とします。

【砕かれた7つの約束】第31話をネタバレありでわかりやすく解説する

捨てられた思い出の品々を前に、自分たちの過去の罪と向き合い始めた兄弟たち。しかし、第31話で彼らがたどり着いたのは、反省ではなく、あまりにも滑稽で、そしてあまりにも悲しい、最後の希望的観測でした。その脆い幻想が、最も美しい現実によって打ち砕かれる、残酷な夜の物語です。

最後の希望的観測「俺たちが駆けつけるのを待ってる」

夜の闇の中、自分たちの居場所を失った7人の男たちは、顧家の屋敷を見上げていました。その視線の先、雲舒の部屋の窓には、結婚の喜びを意味する「囍」の文字が赤々と飾られています。

「結婚式の部屋まで準備してある」

その光景を、彼らはまたしても自分たちに都合よく解釈し始めます。 「まさか顧雲舒は、今頃一人寂しくベッドの脇に座って、俺たちが駆けつけるのを待ちわびてるんじゃないか?」 「危うくまた彼女に騙されるところだった」

あれだけ拒絶され、追い出されたにもかかわらず、彼らはまだ、雲舒が自分たちを必要としているという幻想から抜け出せずにいたのです。彼女の結婚準備すらも、自分たちを呼び戻すための壮大な芝居なのだと、本気で信じ込もうとしていました。

その頃、本当の寝室では…

しかし、彼らの惨めな妄想が繰り広げられている、まさにその時。雲舒の寝室では、全く別の、あまりにも甘く、幸せな時間が流れていました。

ベッドの上で、雲舒は本物の婚約者である謝謹と、深く、長いキスを交わしています。 「謝さん、少し急ぎすぎじゃない?」 息を切らしながら、幸せそうに微笑む雲舒。彼女の「また明日」という言葉を、彼は「ベッドで会う」という意味だと受け取っていたのです。

そんな彼女を、謝謹は心の底から愛おしそうに見つめます。 (何しろ、この瞬間を、俺は丸20年待ったんだ

彼の心に秘められていた、20年というあまりにも長い歳月。そして、彼は雲舒に、永遠を誓うように告げました。 「どうせ俺たちなら、きっと白髪になるまで添い遂げられる。前もって、自分の権利を使わない理由はないだろ?

その言葉に、雲舒は「いいわ」と答え、二人は再び唇を重ねます。そこにあるのは、兄弟たちが想像するような孤独な待ち人ではなく、真実の愛を見つけた、一人の幸せな女性の姿でした。

打ち砕かれた最後の幻想

一方、屋敷の外では、沈祈年(シェン・チーニエン)が、捨てられた荷物の中から拾い上げたあの写真立てを、まだ手に持っていました。彼は、自分に言い聞かせるように、独り言をつぶやきます。

彼女が早く謝ってさえくれれば、今回は俺たちも、すぐに彼女を許してやろう

この期に及んでもなお、彼は自分が許す側にいると信じて疑いません。その傲慢なプライドを、強く握りしめた、まさにその時でした。

ふと見上げた雲舒の部屋の窓。そのカーテンの向こうに、二つの影が映し出されます。男性の手と、女性の手。その二つの手が、ゆっくりと、しかし確かに絡み合うのが、暗闇の中にシルエットとなって浮かび上がったのです。

それは、どんな言葉よりも雄弁に、彼女がもはや一人ではないという事実を、そして自分たちの居場所はもうどこにもないという現実を、彼らに突きつける、あまりにも残酷で、美しい光景でした。

【砕かれた7つの約束】31話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、もはや芸術の域に達した兄弟たちの「勘違い」と、それを見事に打ち砕く「現実」の対比が、あまりにも鮮やかで最高に痛快な回でした!雲舒の部屋の飾り付けを見て、「俺たちを待ってるんだ!」と盛り上がる兄弟たち。彼らのポジティブシンキングというか、現実逃避能力には、もはや尊敬の念すら抱きます。

そんな彼らの惨めな妄想とカットバックで描かれる、雲舒と謝謹の甘いキスシーン。この構成、悪魔的すぎます!そして、謝謹の「20年待った」というモノローグ。彼の愛情が、ぽっと出のものではなく、本物で、そして非常に根深いものであることが伝わってきて、胸が熱くなりました。彼こそが、雲舒の運命の人だったのですね。

そして、最後のシーン。祈年が「許してやろう」と、最後の最後まで上から目線でいる、その瞬間に、窓に映る絡み合う手のシルエット。これ以上の残酷な仕打ちがあるでしょうか。言葉での説明は一切なし。ただ、一つの映像だけで、彼らの最後の希望とプライドを完全に粉砕する。見事な演出に、思わず鳥肌が立ってしまいました。

自分たちが捨てたものが、他の誰かにとって、20年待ち続けた宝物だった。その事実に、彼らは一体何を思うのでしょうか。彼らの本当の絶望は、ここから始まるのかもしれません。最高の形でクリフハンガーを迎え、次回の更新が待ちきれません!

【砕かれた7つの約束】31話のネタバレまとめ

  • 屋敷の前に戻ってきた兄弟たちは、雲舒の部屋が結婚式のために飾り付けられているのを見て、彼女が自分たちの帰りを待っているのだと、またしても勘違いします。
  • 彼らは、雲舒が謝りに来たら許してやろうと、相変わらず傲慢な態度を崩しませんでした。
  • しかしその頃、部屋の中では雲舒と本物の婚約者である謝謹が、愛を確かめ合うように甘いキスを交わしていました。
  • 謝謹が、この瞬間を20年間待ち続けていたことが、彼のモノローグによって明らかになります。
  • 祈年が「早く謝りにくれば許してやる」と考えていた、まさにその瞬間、兄弟たちは雲舒の部屋の窓に、彼女と謝謹の手が絡み合うシルエットを目撃し、全てを悟るのでした。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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