【砕かれた7つの約束】33話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 雲舒と謝謹の親密な様子を目撃したにもかかわらず、兄弟たちはそれを「自分たちを騙すための芝居」だと結論付け、現実から目を背けます。
- 病院に戻った彼らは、シャオシャオの演技に騙され、彼女の誕生日であることを思い出します。
- 彼らは、シャオシャオの誕生日を忘れていたことすらも「全て雲舒のせいだ」と責任転嫁し、彼女への怒りを募らせました。
- 資金がないにもかかわらず、彼らは雲舒への当てつけのために「シャオシャオの誕生日を盛大に祝い、雲舒を挑発して折れさせる」という、見当違いな計画を立てるのでした。
【砕かれた7つの約束】第33話をネタバレありでわかりやすく解説する
自分たちの勘違いが生んだ、あまりにも滑稽な復讐計画。第33話は、その計画に乗り、悪女の涙にまんまと騙され続ける兄弟たちの愚かな姿と、その一方で、リーダーである沈祈年(シェン・チーニエン)の心に静かに芽生え始めた、後悔の念が描かれます。
悪女の涙と、甘い約束
病院の病室に戻った兄弟たちを、ジャン・シャオシャオは完璧な悲劇のヒロインとして出迎えます。 「祈年兄さん、どうしてみんな来たの?お姉さんに会った?彼女、あなたたちを許してくれた?」
そして、涙を浮かべながら、さも自分が全ての元凶であるかのように続けます。 「全部私のせい。もしお姉さんが私のせいで、あなたたちを許してくれなかったら、私、今すぐ顧家に行ってひざまずく。お姉さんが許してくれるまで」
その健気な(ように見える)姿に、兄弟たちの単純な庇護欲は完全に火が付きました。沈祈年は優しく彼女を制すると、「明日、君のために埋め合わせをするよ。いいね?」と、昨日祝えなかった誕生日を改めて約束します。
「本当に?」と嬉しそうに顔を輝かせるシャオシャオに、他の兄弟たちも「兄さんたちが全部叶えてやる」と笑顔で応えます。彼女が「ご馳走を食べて、街をぶらぶらして服を買いたい」と甘えると、「問題ない、シャオシャオはみんなのお姫様だ」と、彼らは無一文であることも忘れ、安請け合いをするのでした。
その様子を見て、シャオシャオは心の中で勝ち誇ります。 (邪魔者の顧雲舒がいなくなれば、彼らの私への寵愛だけで、私はきっとすぐに、あの7人を手に入れられるわ)
彼女の筋書き通りに、全てが進んでいると信じて疑わないのでした。
蘇る記憶、本当の「小さなお姫様」
兄弟たちがシャオシャオを囲み、「お姫様」とちやほやする、その光景。その甘ったるい茶番劇を、祈年は少し離れた場所から、どこか冷めた目で見つめていました。そして、彼の脳裏に、遠い過去の、温かい光景が蘇ります。
それは、まだ誰もが純粋だった頃の、顧雲舒の誕生日パーティー。
「僕たちの小さなお姫様、どんな願い事をしたの?」
幼い兄弟たちに囲まれ、主役の席に座る小さな雲舒。彼女は、ロウソクの炎を見つめ、満面の笑みでこう願いました。
「毎年の誕生日、あなたたちが一緒にそばにいてほしい。毎年、毎月、毎日、あなたたち7人と一緒にいて、永遠に離れないでほしい」
その純粋で、ささやかな願いに、幼い日の自分たちが「うん、うん!」と笑顔で頷いていた、温かい記憶。彼らにとって、本当の「小さなお姫様」は、目の前で嘘の涙を流す少女ではなく、ただ「一緒にいてほしい」と願ってくれた、たった一人の少女だったはずなのです。
遅すぎた後悔の念「昔と同じだろうか?」
回想から戻った祈年の表情は、物憂げで、どこか苦しげでした。目の前で繰り広げられる、シャオシャオを中心とした偽りの家族ごっこ。その光景が、自分たちが失ってしまったものの大きさを、彼に突きつけているかのようでした。
彼の心に、静かに、しかし確かな後悔の念が芽生え始めます。
(いつの頃から、俺たちは顧雲舒の誕生日を一度も祝わなくなったんだろう)
そして、彼は自問します。自分たちが、彼女の誕生日に彼女の傍にいなかった、まさに今日。彼女は、一体どんな願い事をしたのだろうか、と。
(今日の彼女の誕生日の願い事は、昔と同じだろうか?)
その問いの答えが、もはや「ノー」であることを、彼は心のどこかで理解し始めているのかもしれません。しかし、その真実に直面するには、彼はあまりにも多くのものを失いすぎていました。
【砕かれた7つの約束】33話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、祈年の心にようやく変化の兆しが見え始めた、非常に重要な回でしたね。もちろん、前半のシャオシャオと兄弟たちの茶番劇には、相変わらず呆れるばかりですが。無一文のくせに「全部叶えてやる」なんて、彼らの見栄とプライドは、本当に底が知れません。
しかし、今回のハイライトは、なんと言っても祈年の回想シーンです。幼い雲舒の「永遠に離れないでほしい」という、あまりにも純粋で健気な願い。この願いを、自分たちの手で無残に踏みにじってしまったという事実に、祈年は今、気づき始めているのですね。本当の「小さなお姫様」が誰だったのかを思い出すシーンは、切なくて、胸が締め付けられました。
シャオシャオという偽物のお姫様をちやほやしながら、本当のお姫様のことを思い出す。この皮肉な状況が、彼の罪の深さを物語っています。最後の「今日の彼女の誕生日の願い事は、昔と同じだろうか?」というモノローグは、彼の遅すぎた後悔と、雲舒への断ち切れない想いが凝縮された、非常に印象的なセリフでした。
しかし、もう遅いのです。彼女の隣には、20年間彼女を想い続けた本物の王子様がいます。彼らがこれから、自分たちの犯した罪の重さと、失ったものの本当の価値にどう向き合っていくのか。物語は、新たなフェーズに入ったように感じます。
【砕かれた7つの約束】33話のネタバレまとめ
- 兄弟たちは、シャオシャオの悲劇のヒロイン演技に完全に騙され、資金もないのに、翌日彼女の誕生日を盛大に祝うことを約束します。
- シャオシャオは、雲舒がいなくなったことで、兄弟たちを完全に手中に収められると、心の中で勝ち誇りました。
- 兄弟たちがシャオシャオを「お姫様」とちやほやする姿を見て、祈年は、かつて雲舒が「永遠に一緒にいたい」と願っていた、本当の「小さなお姫様」の誕生日を思い出します。
- 祈年の心に、雲舒を祝わなくなったことへの後悔の念と、彼女が今、何を願っているのかという、断ち切れない想いが芽生え始めるのでした。
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