【砕かれた7つの約束】36話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 祈年は、婚約破棄を否定した本心を隠すため、「雲舒が結婚したくないと誰が言った?」と話をすり替え、その場を取り繕います。
- 兄弟たちは、雲舒には自分たち以外に結婚相手の選択肢はないと信じ込み、彼女の行動を「気を引くための癇癪」だと結論付けました。
- シャオシャオは、陸蕭に「ネイルをしたから」という理由でエビの殻を剥くよう要求します。
- その言葉をきっかけに、陸蕭はかつて雲舒が「あなたの分は私が全部剥いてあげる」と、無償の愛を捧げてくれていた過去を思い出し、罪悪感に苛まれます。
【砕かれた7つの約束】第36話をネタバレありでわかりやすく解説する
ジャン・シャオシャオの無邪気な要求が引き金となり、兄弟たちの心に突き刺さり始めた、遅すぎた後悔の棘。第36話は、彼らが「束縛」だと思っていたものが、実は顧雲舒(コ・ウンス)からの「守護」であったという、残酷な真実が次々と明らかになる、断罪と後悔の物語です。
失われた優しさと、手に入れた「自由」
「蕭(シャオ)兄さん。どうしたの?」 シャオシャオの声に、陸蕭(ルー・シャオ)は物思いから覚めたように顔を上げます。そして、どこか自嘲するように、こう呟きました。 「ああ…何でもない。俺はエビが剥けないんだ。俺が食べたエビは、いつも顧雲舒が剥いてくれてた」
彼は、剥きかけていたエビを、そっと皿の上に置きます。その手は、もはや動こうとしません。彼の心には、あまりにも重い真実が、ずっしりと圧し掛かっていました。
(そうか。これが、俺が顧雲舒を嫌って手に入れた、自由か)
彼が手に入れた「自由」とは、これまで当たり前のように享受してきた、無償の優しさを失うことと同義だったのです。
知られざる20年間の守護
気まずい雰囲気を察したシャオシャオは、今度は程軒(チョン・シュエン)に羊肉を勧めます。「この羊肉、とても柔らかいわよ。早く食べてみて」。しかし、その親切は、さらなる悲劇の引き金となりました。
程軒の脳裏に、かつて雲舒に厳しく叱られた記憶が蘇ります。 「食べちゃダメ!軒兄さん、よく見て。これは羊肉よ。あなたは羊肉アレルギーなのよ。少し見てないと、危うく大変なことになるところだったわ」
回想から戻った彼は、静かに箸を置きました。 「俺は羊肉は食べられない。小さい頃から、ひどい羊肉アレルギーなんだ。もし食べ過ぎたら、命の危険がある」
驚いたふりをして「全然知らなかったわ」と謝るシャオシャオに、程軒は俯きながら、衝撃の事実を口にします。 「顧雲舒が料理人に言いつけていたから、20年間、羊肉を食べたことがなかったんだ」
彼の心に、雷に打たれたような衝撃が走ります。 (そうか…俺を20年間縛り付けていたこの束縛は、顧雲舒が俺を、20年間人知れず守ってくれていたことだったのか)
彼がずっと不自由に感じていた食生活の「束縛」。それは、彼の命を守るための、20年にもわたる、誰にも知られることのなかった雲舒の「守護」だったのです。
連鎖する後悔と、祈年の異変
程軒の絶望的な気づきは、兄弟たちの間に静かに、しかし確実に伝染していきます。 「もし顧雲舒がいたら、彼女は絶対に僕に羊肉を食べさせなかったはずだ」 「そうだな。もし顧雲舒がいたら、俺はエビを剥かなくてもよかったんだな」
陸蕭は、そう呟くと、手元のワインを一気に飲み干しました。彼らが失ったものの本当の価値に、ようやく気づき始めたのです。
その時、これまで黙って成り行きを見つめていた沈祈年(シェン-チーニエン)が、苦しげに胃のあたりを押さえました。すると、近くにいたレストランの店員が、慣れた様子で彼に声をかけます。
「沈(シェン)さん。また胃が痛むんですか?」
その言葉に、祈年は驚いて顔を上げます。「俺を知ってるのか?」。当たり前のように自分の体調を気遣う店員の存在が、この偽りの祝宴の裏で、彼が一人で抱えていた秘密を、静かに暴き出そうとしていました。
【砕かれた7つの約束】36話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、派手なアクションや罵り合いはないものの、静かに、しかし確実に兄弟たちの心が崩壊していく様が描かれた、非常に重く、そして見ごたえのある回でした。陸蕭の「これが、俺が手に入れた自由か」というモノローグには、胸が締め付けられました。彼らが雲舒から解放されたと感じていたものは、実は彼女の優しさという名のセーフティネットだったのですね。
そして、程軒の羊肉アレルギーの件。これは衝撃でした。「束縛」だと思っていたものが、実は命を守るための「守護」だった。この構図は、彼らと雲舒の関係性の全てを象徴しているように感じます。彼らは、彼女の愛情を、ずっと窮屈な束縛だと勘違いし続けてきたのです。その罪の重さに、言葉もありません。
シャオシャオの浅はかな親切が、次々と兄弟たちの過去の罪を暴いていく。この展開は、本当に皮肉が効いていますね。彼女は良かれと思ってやっている(フリをしている)のでしょうが、それが結果的に、兄弟たちの心をえぐり、雲舒の本当の価値を浮き彫りにしていく。最高のピエロ役です。
最後の祈年のシーンも、非常に気になります。店員が彼の胃痛を当たり前のように知っているということは、彼はこのレストランの常連で、そしておそらく、一人で食事に来ることが多かったのではないでしょうか。シャオシャオや兄弟たちといる時ではなく、一人でいる時にだけ、彼は心労から胃を痛めていた…?彼の抱える孤独や秘密が、ここから明らかになっていくのかもしれません。
【砕かれた7つの約束】36話のネタバレまとめ
- 陸蕭は、シャオシャオにエビを剥くよう頼まれたことで、雲舒の無償の優しさを思い出し、彼女を失って手に入れた「自由」の虚しさを痛感します。
- 程軒は、シャオシャオに勧められた羊肉をきっかけに、自分が羊肉アレルギーであり、20年間食卓に羊肉が出なかったのは、雲舒が自分の命を守るために指示していたからだと気づきます。
- 兄弟たちは、これまで「束縛」だと思っていたものが、実は雲舒からの「守護」であったという事実に、次々と気づき始め、後悔に苛まれます。
- 祈年が胃の痛みに苦しんでいると、レストランの店員が慣れた様子で声をかけ、彼がこの店の常連であり、何か秘密を抱えていることが示唆されました。
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