【砕かれた7つの約束】37話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 陸蕭は、シャオシャオにエビを剥くよう頼まれたことで、雲舒の無償の優しさを思い出し、彼女を失って手に入れた「自由」の虚しさを痛感します。
- 程軒は、シャオシャオに勧められた羊肉をきっかけに、自分が羊肉アレルギーであり、20年間食卓に羊肉が出なかったのは、雲舒が自分の命を守るために指示していたからだと気づきます。
- 兄弟たちは、これまで「束縛」だと思っていたものが、実は雲舒からの「守護」であったという事実に、次々と気づき始め、後悔に苛まれます。
- 祈年が胃の痛みに苦しんでいると、レストランの店員が慣れた様子で声をかけ、彼がこの店の常連であり、何か秘密を抱えていることが示唆されました。
【砕かれた7つの約束】第37話をネタバレありでわかりやすく解説する
自分たちが「束縛」だと思い込んでいたものが、実は顧雲舒(コ・ウンス)からの深い「守護」であったという事実に気づき始めた兄弟たち。第37話では、リーダーである沈祈年(シェン・チーニエン)自身が、これまで気づくことのなかった、雲舒からのあまりにも健気で、そしてあまりにも深い愛情の形を突きつけられます。
見知らぬ店員と、見慣れた胃薬
レストランで胃の痛みに顔をしかめる祈年。そこに、店員がそっと水と見慣れた胃薬を差し出します。 「俺を知ってるのか?どうして俺が胃が痛いと分かった?それに、ちょうどこの胃薬が、俺の胃痛に一番効くんだ」
不思議に思う祈年に、店員は衝撃の事実を告げました。 「沈(シェン)さん、これがあなた様のお薬ですよ」 「俺の薬?」 「ええ。この胃薬は、彼女が以前、あなた様のために、わざわざ私どもの店に置かれていったものですよ」
彼女——その言葉が指す人物は、一人しかいません。
陰から支え続けた、声なき愛情
祈年の脳裏に、激しい混乱が渦巻きます。その時、店員の口から語られたのは、彼が全く知らなかった、雲舒の献身的な姿でした。
「あなた様がお酒を飲みすぎて、何度もお辛そうにされていたので、顧お嬢様はあなた様が来るたびに、どれだけ待たされたことか」
回想シーンが、彼の記憶の扉をこじ開けます。若い頃の雲舒が、祈年が会食で使うこのレストランで、ただひたすらに彼を待ち続けている姿。彼女は、彼に直接声をかけることはありません。ただ、店員にそっとこう頼むのです。
「すみません、彼にジュースを一杯持って行ってもらえますか。ジュースの中に、胃薬を一錠入れて。彼がお酒を飲みすぎないように」
「どうしてご自分で…?」と尋ねる店員に、彼女はただ寂しそうに微笑むだけ。自分の存在が、彼の負担になることを知っていたから。だから、彼女は決して表に出ることなく、影となって彼を守り続けていたのです。
崩れ落ちる自己認識「痛くならなくなったんじゃなくて…」
店員は、全ての真実を語ります。 「顧お嬢様は、あなた様に見られるのを心配されて、いつも胃薬を私どもの店に預けておられました。毎回、あなた様にジュースをお出しする時に、一錠入れるようにと」
その言葉は、祈年のこれまでの自己認識を、根底から覆しました。 (だからか…だから俺は酒を飲んでも、胃が痛くなくなったんじゃなくて、顧雲舒が、俺をもう痛くならないようにしてくれていたのか)
自分の体が強くなったわけではない。ただ、彼女の深い愛情に、知らず知らずのうちに守られていただけだった。そのあまりにも残酷で、そしてあまりにも温かい真実に、彼はただ衝撃を受けることしかできませんでした。
最後のとどめ、ビデオの真相
そんな祈年の心の動揺を知る由もなく、ジャン・シャオシャオは「私の誕生日は重要じゃないわ」と、健気な妹を演じ続けます。しかし、彼女の白々しい言葉は、もはや祈年の耳には届いていません。彼女は心の中で、(この役立たずの顧雲舒め、なぜいつまでも亡霊のように付きまとうのよ)と毒づきますが、その声もまた、虚しく響くだけでした。
兄弟たちに促され、祈年が上の空で立ち上がろうとした、その時。彼の携帯が鳴り響きます。それは、彼が部下に調査させていた、あの誕生日パーティーでのプライベートビデオの件でした。
「沈社長。ご命令の通り、調査しました。報告書を、すでにお使いの携帯にお送りしました」
祈年が、震える指でスマートフォンを確認する。その画面に映し出されたであろう真実を前に、彼の表情は、これまで見せたことのないほどの衝撃と絶望に染まっていくのでした。
【砕かれた7つの約束】37話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、祈年の心が完全に崩壊する過程が、これでもかというほど丁寧に描かれた、まさに神回でした。胃薬のくだり、本当に泣けます。雲舒の愛情、深すぎませんか?好きな人が苦しんでいるのを、ただ陰から見守り、自分の存在を隠してまで支え続ける。これこそが、本当の無償の愛なのでしょう。
「胃が痛くなくなったんじゃなくて、痛くならないようにしてくれていた」という祈年の気づき。このセリフは、彼と雲舒の20年間の関係性の全てを象徴しているように感じました。彼は、自分の力で立っていると思っていた。しかし、実際は常に彼女の愛情という名の地面に支えられていただけだった。その地面が、今、彼の足元から完全に消え去ってしまったのです。
シャオシャオの白々しい演技が、祈年の絶望をさらに際立たせる見事なスパイスになっていましたね。彼女が健気な言葉を口にすればするほど、雲舒の「声なき愛情」の尊さが浮き彫りになっていく。この対比、本当に見事です。
そして、最後の最後で投下された、ビデオの真相という最大の爆弾。胃薬の件でズタズタになった心に、さらに追い打ちをかけるこの展開、脚本家は悪魔ですね(褒め言葉です)。あのビデオが、シャオシャオの自作自演だったという真実を知った時、彼は一体どうなってしまうのでしょうか。彼の贖罪の道は、想像を絶するほど険しいものになりそうです。
【砕かれた7つの約束】37話のネタバレまとめ
- 祈年はレストランの店員から、自分の胃痛が治まっていたのは、雲舒が店に胃薬を預け、彼の飲み物に密かに入れさせていたからだという事実を知らされます。
- 回想シーンで、雲舒が祈年に気づかれないよう、陰から彼の体を気遣い続けていた健気な姿が明らかになりました。
- 祈年は、「強くなった」のではなく、ただ雲舒に「守られていた」だけだったという衝撃の事実に気づき、愕然とします。
- 全ての真実を知り打ちひしがれる祈年の元に、部下から誕生日パーティーのプライベートビデオに関する調査報告書が届き、彼はさらなる衝撃を受けることになります。
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