復讐モノ

【砕かれた7つの約束】40話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • シャオシャオは、「兄弟たちの名誉を守るためにビデオを流した」という嘘の言い訳で、見事にその場を切り抜けます。
  • 兄弟たちは、シャオシャオの嘘を信じ込み、再び彼女への同情と雲舒への怒りを募らせました。
  • しかし、祈年だけは、これまでの全ての出来事が雲舒のせいにされてきたことに違和感を覚え、静かに疑念を抱き始めます。
  • その頃、シャオシャオが流出させたビデオによって、雲舒の社会的な評判は地に落ち、彼女は新たな苦難に直面していました。

【砕かれた7つの約束】第40話をネタバレありでわかりやすく解説する

ジャン・シャオシャオの巧みな嘘によって、再び真実が闇に葬られた兄弟たち。しかし、沈祈年(シェン・チーニエン)の心に灯った小さな疑念の炎は、まだ消えてはいませんでした。第40話は、地に落ちた顧雲舒(コ・ウンス)の評判を耳にした祈年が、これまで見せたことのない、剥き出しの激情を爆発させる、壮絶な物語です。

地に落ちた評判と、下劣な噂話

物語は、バーのような場所での、男たちの下品な会話から始まります。シャオシャオが流したプライベートビデオの影響は、確実に雲舒の名誉を蝕んでいました。 「顧雲舒(コ・ウンス)のあの体つき、あの顔。この界隈で、どれだけの男が彼女を欲しがってることか」 「もう何年も経ってる。とっくに寝取られているに決まってる!」

彼らは、雲舒を尊敬すべき財閥の令嬢としてではなく、ただ性的な欲望の対象として、好き勝手な噂話に花を咲かせます。その会話には、一人の女性に対する敬意など、微塵もありませんでした。

静かなる怒り、沈黙の鉄槌

その時、噂話に興じる男たちの背後に、静かに現れた影がありました。沈祈年です。彼は、男たちの会話を黙って聞いていましたが、やがてテーブルの上に置かれたワインボトルを、無言で手に取ります。

次の瞬間、甲高い殴打音と、男の悲鳴が店内に響き渡りました。祈年が、噂話の中心にいた男の頭を、ボトルで容赦なく殴りつけたのです。

「頭おかしいのか?よくも俺を殴ったな!」 頭から血を流しながら叫ぶ男。しかし、祈年の瞳には、何の感情も浮かんでいません。ただ、底知れない怒りの色だけが、静かに燃え盛っていました。

止まらない暴力、剥き出しになった庇護欲

その一撃を皮切りに、店内は乱闘騒ぎへと発展します。しかし、それは一方的な蹂躙でした。祈年は、我を忘れ、獣のように男に殴りかかり続けます。

「俺は顧家より金持ちだぞ!お前らを全員一文無しにしてやる!!」

男がどんなに脅そうとも、祈年の拳は止まりません。それは、自分のプライドのためでも、シャオシャオのためでもない。ただ一人、自分たちがさんざん傷つけてきた、顧雲舒という女性の名誉を守るためだけの、純粋な暴力でした。

「やめて!祈年兄さん、やめて!これ以上殴ったら死んじゃう!」

シャオシャオの悲痛な叫び声で、ようやく彼は我に返り、殴るのをやめます。そして、返り血を浴びた手をハンカチで拭うと、それをゴミのように、倒れた男の上に投げ捨てました。

突きつけられた本心「本気で惚れたんじゃないだろうな?」

床に倒れ、血を流しながらも、男は最後の力を振り絞り、祈年に向かって、最も核心を突く言葉を投げかけます。

「沈祈年…お前は今、どんな立場で顧雲舒のために腹を立ててるんだ?まさか本気で、あの女に惚れたんじゃないだろうな?

その言葉は、まるで鋭い刃のように、祈年自身の心へと深く突き刺さります。これまで彼自身も気づいていなかった、あるいは気づかないフリをしていた、心の奥底に眠る本当の感情。それを、最も侮蔑すべき相手から突きつけられた彼は、一体何を思うのでしょうか。

【砕かれた7つの約束】40話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、まさに衝撃の展開でした!祈年の突然の暴力沙汰には、正直驚きを隠せません。しかし、これまで彼が雲舒にしてきた数々の仕打ちを思うと、この行動はあまりにも矛盾しています。その矛盾こそが、彼の心の複雑さを物語っているのかもしれません。

彼が、シャオシャオのためではなく、雲舒のために怒りを爆発させた。この事実が、非常に重要だと感じました。これまで彼は、シャオシャオを守るという大義名分のもとで、雲舒を傷つけてきました。しかし、今回は違う。誰に言われるでもなく、本能的に、彼は雲舒を守ろうとしたのです。それは、彼自身も自覚していなかった、雲舒への深い愛情、あるいは庇護欲の現れだったのではないでしょうか。

もちろん、暴力は決して許されることではありません。しかし、彼がそれほどまでに我を忘れてしまうほど、雲舒の存在が彼の心の中で大きくなっていたという事実に、少しだけ胸が熱くなりました。

そして、最後の「本気で惚れたんじゃないだろうな?」というセリフ。これは、最高のカウンターパンチでしたね。この一言が、祈年自身の心を深くえぐり、彼が自分の本当の気持ちと向き合うきっかけになるのかもしれません。失って初めて気づく、というにはあまりにも遅すぎますが、彼の物語は、ここからが本当の始まりなのかもしれない。そんな予感をさせる、非常に濃密な回でした。

【砕かれた7つの約束】40話のネタバレまとめ

  • バーで、男たちが雲舒について下品な噂話をしているのを、祈年たちが耳にします。
  • その会話を聞いた祈年は激昂し、噂話の中心にいた男を、ワインボトルで容赦なく殴りつけ、乱闘に発展しました。
  • 祈年は我を忘れ、シャオシャオが泣いて止めるまで、相手の男を血まみれになるまで殴り続けます。
  • 乱闘の後、殴られた男から「まさか本気で、顧雲舒に惚れたんじゃないだろうな?」と、彼の本心を突く痛烈な一言を浴びせられました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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