復讐モノ

【砕かれた7つの約束】53話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 顧氏グループのビルを訪れた兄弟たちは、受付社員から「部外者」扱いされ、警備員を呼ばれてしまいます。
  • 社員は、兄弟たちが2日前に顧会長によって正式に解雇されており、もはや会社の人間ではないという事実を、解雇通知を見せて突きつけました。
  • 衝撃の事実に逆ギレした兄弟たちは、「自分たちの功績や能力」を主張し、社員を罵倒するという見苦しい態度をとります。
  • しかし、社員は怯むことなく、「ろくなことにならないのは、あなたたちの方ですよ!」と痛烈な一言で彼らを一蹴しました。

【砕かれた7つの約束】第53話をネタバレありでわかりやすく解説する

顧氏グループから解雇されたという、あまりにも残酷な現実。それでもなお、自分たちの能力を過信し、見苦しい自己弁護を続ける兄弟たち。第53話は、そんな彼らの成功神話が、実は顧雲舒(コ・ウンス)の知られざる犠牲の上に成り立っていたという、さらなる衝撃の真実が暴かれる、断罪の物語です。

崩れ落ちる成功神話、雲舒の知られざる献身

「ろくなことにならないのは、あなたたちの方ですよ!」——社員からの痛烈な一言にも、兄弟たちはまだ自分たちの非を認めようとしません。しかし、彼女の口から語られた次の言葉は、彼らがこれまで築き上げてきた自信とプライドを、根底から覆すものでした。

「私たち顧氏グループは、雲舒社長のお母様が遺された会社です。こんなに長年、雲舒社長は他の会社の名義を借りてあなたたちのために契約を結び、協力関係を取り付けてきたんです。あなたたちを助けるために、夜も寝ずに接待でお酒を飲んで! (怒りを込めて) それなのに、あなたたちはどうなの!?」

彼らが自分の実力で掴み取ったと信じていた成功。それは、雲舒が母の会社という立場を利用し、さらには彼女自身の時間と健康を犠牲にしてまで、陰で必死に支え続けてきた結果だったのです。

「なぜ誰も教えてくれなかった?」遅すぎた疑問

「何だと?」 沈祈年(シェン-チーニエン)は、信じられないといった表情で社員に問いかけます。他の兄弟たちも、あまりの衝撃に言葉を失っています。

「あなたたちは本当に、自分の才能だけで、いつまでも順風帆でいられると思っていたんですか?」 「なぜ…? なぜ誰も教えてくれなかったんだ…?」

祈年の絞り出すような疑問に、社員は呆れ果てたように、そして怒りを込めて答えます。 「そうよ! こんなに長年! 彼女はあなたたちにあんなに良くしてくれたのに! あなたたちの自尊心のためだけに、私たちに教えることすら許さなかったのよ!

回想:笑顔の裏の犠牲と願い

その言葉と共に、社員の脳裏に過去の光景が蘇ります。それは、雲舒がまだ社長として、兄弟たちのために奔走していた頃の記憶。

「お願いね。くれぐれも秘密にして、彼らに気づかれなように」 ファイルを渡しながら、彼女は社員にそう念を押します。心配する社員に、「大丈夫」と微笑みながらも、彼女はふと胃を押さえ、苦しそうな表情を見せるのでした。

「7人のお兄様たちは仕事を始めたばかりで、励ましが必要なの。彼らが仕事に慣れて、すべてが順調に進めば、もっと私と一緒にいる時間が増えるでしょう

彼女の行動の根源にあったのは、損得勘定ではありません。ただ、愛する人たちの成功を願い、そして、いつか彼らともっと多くの時間を過ごしたいという、健気で、ささやかな願いだけだったのです。その願いすらも、彼ら自身の手によって踏みにじられてしまったとは、あまりにも皮肉な結末でした。

社員の怒り、最後の断罪「恩知らず!」

回想から戻った社員は、もはや怒りを隠そうともしません。目の前にいる、あまりにも愚かで、恩知らずな男たちに向かって、魂からの叫びをぶつけます。

「そうよ! あなたたちは何もかも忘れてしまったんでしょうね! でも、あなたたちの心まで変わってしまったなんて! 恩知らずにも部外者(シャオシャオのこと)と一緒になって、うちの雲舒社長をいじめるなんて! あなたたちを罵る言葉なんて、いくらあっても足りないくらいよ! 出ていけ!

その言葉は、もはや単なる社員からのものではありません。雲舒の痛みを知り、その献身を間近で見てきた者からの、正当な怒りの鉄槌でした。

【砕かれた7つの約束】53話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、読んでいて本当に言葉を失いました。兄弟たちの成功が、全て雲舒の血のにじむような努力と犠牲の上に成り立っていたなんて…。あまりにも衝撃的で、そしてあまりにも残酷な真実です。彼らが自分の力でのし上がってきたと信じていたものが、実は全て、彼女によってお膳立てされていた。これ以上の屈辱はないでしょう。

そして、雲舒の健気さ。「彼らが順調になれば、もっと私と一緒にいられる」という彼女の願いには、涙が出そうになりました。彼女は、自分の時間も、健康も、そしておそらくは彼女自身のキャリアすらも犠牲にして、ただひたすらに彼らのために尽くしてきたのですね。その無償の愛を、彼らはことごとく踏みにじり続けてきた。その罪の重さは、計り知れません。

社員の方の怒り、本当に共感します。彼女は、雲舒の苦しみを誰よりも近くで見てきたのでしょう。「恩知らずにも部外者と一緒になって…」という言葉には、彼女の悔しさと怒りが痛いほど伝わってきました。最後の「出ていけ!」は、読者の心の叫びそのものでしたね。

祈年をはじめとする兄弟たちは、この真実を知って、一体何を思うのでしょうか。自分たちの存在価値そのものが、根底から覆された今、彼らに残されたものは何もないのかもしれません。彼らの転落劇は、もはや誰にも止められないところまで来てしまったようです。

【砕かれた7つの約束】53話のネタバレまとめ

  • 受付社員は、兄弟たちのこれまでの成功が、実は雲舒が裏で契約を取り付けたり、接待をしたりといった、知られざる献身によって支えられていたという衝撃の事実を暴露します。
  • 祈年は「なぜ誰も教えてくれなかったのか」と問い詰めますが、社員は「あなたたちの自尊心を守るために、雲舒社長が口止めしていた」と反論しました。
  • 回想シーンで、雲舒が自分の体調が悪くても、兄弟たちのために秘密裏に尽力し、「彼らが成功すれば、もっと一緒にいられる時間が増える」と健気に願っていたことが明らかになります。
  • 全ての真実を語った社員は、兄弟たちを「恩知らず」と激しく罵倒し、「出ていけ!」と最終通告を突きつけました。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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