復讐モノ

【砕かれた7つの約束】56話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 全てを失った祈年は、バーで三日三晩酒に溺れ、荒れ果てていました。
  • 心配して駆けつけた兄弟の一人、陸蕭は、祈年の傍らにあった雲舒の日記帳を偶然手に取り、読んでしまいます。
  • 日記には、陸蕭がかつていじめから雲舒を守ってくれたことへの感謝の気持ちが、「私のために傘を差してくれた人」という言葉で綴られていました。
  • 回想シーンで、幼い陸蕭が「誰かがいじめたら俺が殴ってやる」と雲舒に誓う、ヒーローのような姿が描かれます。
  • 陸蕭は、日記に記された雲舒の純粋な想いと、現在の自分の裏切りとのギャップに、沈痛な表情を浮かべるのでした。

【砕かれた7つの約束】第56話をネタバレありでわかりやすく解説する

顧雲舒(コ・ウンス)の日記帳に残された、かつての自分への純粋な想い。それを知ってしまった陸蕭(ルー・シャオ)の後悔は、さらに深まっていきます。第56話は、日記が紐解く更なる過去の記憶と、兄弟たちの間に広がり始めた真実の波紋、そしてそれぞれの罪と向き合う序章を描く物語です。

ヒーローの成長と、それを支えた少女の記憶

バーで一人、雲舒の日記を読みふける陸蕭。彼の目に飛び込んできたのは、彼自身の成長を喜ぶ、かつての雲舒の言葉でした。

「陸蕭哥哥、18歳のボクシング試合、また1位を取った。彼は本当にすごい。もう初めてボクシングを習った時、コーチに殴られて泣いていた5歳の男の子じゃない」

その記述は、彼が忘れかけていた幼い日の記憶を呼び覚まします。ボクシングの練習で打ちのめされ、悔しさに涙していた自分。「もう練習やめたらどう?」と心配する幼い雲舒に、「だめだ。俺はもう4歳の子供じゃないんだ」と強がっていた自分。そんな彼の傍らで、彼女はいつも優しく寄り添ってくれていました。

じゃあ、陸蕭哥哥が練習するなら、私が薬を塗ってあげる

小さな手で、一生懸命に傷の手当てをしてくれた少女。彼女の存在が、彼がボクシングを続け、強くなるための大きな支えとなっていたことを、彼は今更ながらに思い知るのでした。

すれ違う兄弟、陸蕭の深い後悔

日記を閉じ、深い後悔の念に沈む陸蕭。彼がバーを立ち去ろうとしたその時、別の兄弟、程軒(チョン・シュエン)が慌てた様子でやってきます。 「おい、なんで電話に出ないんだ? 祈年哥は見つかったか?」 「ああ、見つけた」

しかし、陸蕭の足は止まりません。彼の様子がおかしいことに気づいた程軒は、さらに問いかけます。 「行くのか? おい、いったいどうしたんだよ? 祈年哥はやたらと姿を消すし、お前もそんな顔して。あと二日で婚約パーティーなんだぞ。俺たち、いったいどうすればいいんだ?

程軒の言葉は、まだ状況の深刻さを理解していない者の焦りそのものでした。婚約パーティーが「自分たちのため」に行われると、まだ信じているのです。

託された真実の鏡「行き過ぎたのは…」

そんな程軒に、陸蕭は何も言わず、ただ手にしていた日記帳を差し出します。 「日記? 雲舒の日記? 俺たち、もう読んだじゃないか?」

訝しむ程軒に、陸蕭は静かに、しかし重い言葉を告げました。

行き過ぎたのは…ジャン・シャオシャオだけじゃない。過去の俺たちを完全に忘れてしまったのは、本当に残酷だろう

その言葉は、シャオシャオ一人のせいにするのではなく、自分たち兄弟全員が犯してきた罪と向き合うべきだという、陸蕭自身の決意表明のようにも聞こえました。彼はそのままバーを去り、残された程軒は、戸惑いながらも、託された日記帳のページをゆっくりとめくり始めるのでした。真実の連鎖が、今、始まろうとしています。

【砕かれた7つの約束】56話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、陸蕭の後悔がさらに深掘りされ、彼の人間的な側面が見えた、非常に印象的な回でした。幼い頃の回想シーン、本当に切ないですね。強がりながらも泣いていた陸蕭と、それを優しく支える雲舒。彼らの間には、確かに温かい絆が存在していた。その美しい過去と、現在の裏切りとの対比が、あまりにも残酷です。

陸蕭が自分の過去の過ちに気づき、深く後悔している様子が、彼の表情や言葉の端々から伝わってきて、胸が締め付けられました。彼もまた、シャオシャオの嘘に騙され、雲舒を傷つけてきた加害者であることに変わりはありません。しかし、少なくとも彼は、自分の罪と向き合い始めている。その一点において、まだ救いがあるのかもしれないと感じました。

そして、程軒。彼はまだ、物語の「蚊帳の外」にいるような印象ですね。「あと二日で婚約パーティーだ」と焦る彼の姿は、これから彼が知ることになるであろう真実の重さを考えると、あまりにも哀れです。陸蕭から託された日記帳が、彼にとってパンドラの箱とならないことを祈るばかりです。

「行き過ぎたのは…ジャン・シャオシャオだけじゃない」。陸蕭のこの言葉は、非常に重い意味を持っています。兄弟たちの罪は、決してシャオシャオ一人のせいではない。彼ら自身の心の中にあった弱さ、傲慢さ、そして嫉妬心こそが、悲劇を生んだ元凶なのかもしれません。彼らがそれぞれ、どのように自分の罪と向き合っていくのか。物語の深層へと、さらに引き込まれていくような感覚を覚えました。

【砕かれた7つの約束】56話のネタバレまとめ

  • 陸蕭は日記を読み進め、幼い頃、ボクシングの練習で泣いていた自分を、雲舒が傷の手当てをしながら励ましてくれていた過去を思い出します。
  • バーに現れた程軒は、あと二日に迫った婚約パーティーを前に、祈年や陸蕭の異変に焦りを見せます。
  • 陸蕭は程軒に、「行き過ぎたのはシャオシャオだけではない」と、自分たち兄弟にも罪があることを示唆し、雲舒の日記帳を託して去っていきました。
  • 残された程軒は、戸惑いながらも、雲舒の日記帳を読み始め、真実の連鎖が始まろうとしていました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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