復讐モノ

【砕かれた7つの約束】57話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 陸蕭は日記を読み進め、幼い頃、ボクシングの練習で泣いていた自分を、雲舒が傷の手当てをしながら励ましてくれていた過去を思い出します。
  • バーに現れた程軒は、あと二日に迫った婚約パーティーを前に、祈年や陸蕭の異変に焦りを見せます。
  • 陸蕭は程軒に、「行き過ぎたのはシャオシャオだけではない」と、自分たち兄弟にも罪があることを示唆し、雲舒の日記帳を託して去っていきました。
  • 残された程軒は、戸惑いながらも、雲舒の日記帳を読み始め、真実の連鎖が始まろうとしていました。

【砕かれた7つの約束】第57話をネタバレありでわかりやすく解説する

陸蕭(ルー・シャオ)から託された、顧雲舒(コ・ウンス)の日記帳。第57話は、それを読み進める程軒(チョン・シュエン)が、自分自身に向けられた、あまりにも温かく、そしてあまりにも切ない想いと、彼ら兄弟が交わしたはずの、遠い日の約束に向き合うことになる、後悔と懺悔の物語です。

一番の遊び相手、孤独を癒やした存在

バーの片隅で、程軒は戸惑いながらも、雲舒の日記帳のページをめくっていました。そこに綴られていたのは、彼自身の名前でした。

程軒哥哥は、私が小さい頃から一番の遊び相手だった。程軒哥哥がいる場所なら、私は決して孤独ではなかった

その言葉は、彼の心の奥底に眠っていた、優しい記憶の扉を開きます。母を亡くし、一人寂しく座り込んでいた幼い雲舒。そんな彼女に、バスケットボールを抱えた幼い自分が駆け寄り、手を差し伸べた日のこと。

「行こう、お兄ちゃんがバスケに連れてってやる」

ただ、一緒に遊ぶ。それだけのことが、幼い彼女の孤独をどれほど癒やしていたのか。彼は、その時の彼女の笑顔を、そして自分の存在が彼女にとってどれほど大きな意味を持っていたのかを、今更ながらに思い知るのでした。

「家族だ。一生ずっと」という約束

日記は、さらに過去へと遡ります。

「程軒哥哥は言ったわ。『彼らは私の家族だ。一生ずっと』と」

その言葉が記された背景には、彼らが本当の意味で「家族」になった、忘れられない一日がありました。公園で、楽しそうな家族連れの写真を寂しそうに見つめていた雲舒。母のいない彼女に、熊の着ぐるみが無邪気に問いかけます。「君のお母さんは?」。俯く彼女を守るように、駆け寄ってきたのは、他の7人の兄弟たちでした。

「祈年哥哥!」「陸蕭哥哥!」「程軒哥哥!」

彼らは口々に自分の名前を叫び、雲舒の周りに集まると、胸を張ってこう言ったのです。

僕たち8人だ!

そして、写真を撮る瞬間に誓いました。「これから僕たち7人が、彼女を守るんだ!」と。それは、血の繋がりを超えた、魂の約束。彼らは、互いを支え合い、守り合う、かけがえのない「家族」になるはずだったのです。

沈痛な現在、忘れ去られた誓いの重さ

日記を閉じた程軒の表情は、陸蕭と同じように、深い後悔の色に沈んでいました。一番の遊び相手だった少女の孤独に、自分は気づくことができなかった。一生守ると誓ったはずの家族を、自分たちの手で傷つけ、裏切ってしまった。

その罪の重さが、彼の肩にずっしりと圧し掛かります。日記帳という真実の鏡は、彼が目を背け続けてきた過去の過ちを、容赦なく映し出していたのです。

【砕かれた7つの約束】57話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、程軒の視点から過去が描かれ、兄弟たちの絆の原点と、その崩壊の過程が浮き彫りになる、非常に切なく、考えさせられる回でした。雲舒の日記、「程軒哥哥がいる場所なら、私は決して孤独ではなかった」。この一文だけで、涙が出そうになります。幼い彼女にとって、彼らの存在がどれほどの救いであったか。その純粋な想いを思うと、現在の彼らの裏切りが、より一層許しがたく感じられます。

公園での回想シーンは、本当に感動的でした。「僕たち8人だ!」と集まる兄弟たちの姿。血の繋がりはないけれど、確かにそこには強い絆があった。彼らは、互いの孤独を埋め合い、支え合う、本当の家族になれたはずなのに。どうして、こんなことになってしまったのでしょうか。

「これから僕たち7人が、彼女を守るんだ!」という誓いの言葉が、あまりにも重く響きます。その誓いを、彼らは完全に忘れ去っていた。いや、忘れ去ったフリをして、自分たちの欲望と嫉妬心に溺れていったのかもしれません。

陸蕭に続き、程軒もまた、自分の罪と向き合い始めました。日記帳は、彼らにとって贖罪への道標となるのでしょうか。それとも、ただ過去の過ちを突きつけ、彼らを絶望させるだけの存在なのでしょうか。兄弟たち一人ひとりの心の動きから、ますます目が離せません。

【砕かれた7つの約束】57話のネタバレまとめ

  • 陸蕭から託された日記帳を読んだ程軒は、自分が幼い頃の雲舒にとって「孤独を癒やす一番の遊び相手」であったことを知ります。
  • 日記には、程軒がかつて兄弟たちを「一生ずっとの家族だ」と語っていたことも記されていました。
  • 回想シーンで、母のいない雲舒が公園で寂しい思いをしていた時、兄弟たちが駆けつけ、「僕たち8人だ!」「僕たち7人が彼女を守る」と誓い合い、本当の家族のような絆で結ばれた瞬間が描かれます。
  • 程軒は、かつての純粋な約束と、現在の自分たちの裏切りとのギャップに、深い後悔の念に沈むのでした。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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