復讐モノ

【砕かれた7つの約束】6話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 乗馬クラブで再会した雲舒とシャオシャオは、一触即発の状態になります。
  • 祈年は、かつて父から「愛する妻(雲舒)にだけ許される神聖な行為」と教えられたにもかかわらず、シャオシャオに自分の膝を踏ませて馬から降ろしました。
  • 父との約束と20年間の想いを踏みにじられた雲舒は、絶望の中で馬に乗ります。
  • しかし、乗った馬が突然暴れだし、雲舒は落馬して意識を失ってしまいます。
  • 薄れゆく意識の中、彼女が最後に叫んだのは、自分を裏切った男、祈年の名前でした。

【砕かれた7つの約束】第6話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回の衝撃的な落馬事故から続く第6話。物語は、病院のベッドで目覚めた顧雲舒(コ・ウンス)の目の前で繰り広げられる、さらなる裏切りから幕を開けます。彼女の心を踏みにじる残酷な真実が、静かに、しかし確実に明らかになっていくのです。

目覚めの絶望、目の前で繰り広げられる偽りの愛

病院の一室。白いシーツに横たわる雲舒が、静かに目を開けます。しかし、彼女の視線の先にあるのは、決して見たくない光景でした。

ベッドの傍らでは、沈祈年(シェン・チーニエン)がジャン・シャオシャオ(蔣笑笑)の腕を優しく支えています。

「足まだ痛い?」

心配そうに尋ねる祈年に、シャオシャオはか弱く首を振り、「もう痛くない」と答えます。二人の間には親密な空気が流れ、まるで雲舒など存在しないかのようです。

その光景を、雲舒は感情の消えた瞳で見つめていました。すると、彼女の視線に気づいたシャオシャオが、わざとらしく心配そうな表情を浮かべて話しかけてきます。

「雲舒さん、やっと目が覚めた。大丈夫?」

さらに彼女は涙ぐみながら、自分を責めるようにこう続けました。

「私のせいね。祈年さんは雲舒さんの結婚相手の一人です。雲舒さんを守るべきなのに。もし祈年さんが、私が足をくじいたのに気づかなかったら、雲舒さんを助けに行ったはず」

これは、あまりにも巧妙な責任転嫁でした。自分が原因で祈年が雲舒を助けられなかったのだと、暗に主張しているのです。この言葉に、祈年は雲舒の方を見ながら、シャオシャオをかばうように言い放ちます。

「多少の擦り傷はよくあることだ」

そして、シャオシャオにだけ優しい表情を向け、こう語りかけるのです。

「笑笑、お前は違う。幼い頃から体が弱い。ほら、また足をひねった。こんな状況が1万回起きたって、お前を助ける

この言葉は、雲舒への完全な拒絶であり、シャオシャオへの絶対的な愛情の証明でした。嬉しそうに微笑むシャオシャオと、それを優しく見守る祈年。ベッドの上から、雲舒はその残酷な光景をただただ無感情に見つめることしかできませんでした。

身分の違いを突きつける、雲舒の冷たい反撃

これまでの雲舒であれば、ただ黙って心を痛めていたかもしれません。しかし、度重なる裏切りは、彼女を別人のように変えていました。彼女は、シャオシャオに対して初めて、冷たく、そして毅然とした声で口を開きます。

そうを呼ばないで。お嬢様って呼びなさい。私はお父さんの娘で、君は運転手の娘よ。馴れ々しく呼ばないで

それは、二人の間にある絶対的な身分の違いを突きつける、鋭い刃のような言葉でした。突然の反撃に、シャオシャオはショックを受けた表情で固まります。おずおずと「分かりました、お嬢様」と答えると、気まずそうに部屋を出ていきました。

その様子を見ていた祈年は、雲舒に対して怒りを隠せない表情を向けます。シャオシャオを追いかけようとする彼を、雲舒は冷静に引き止めました。

「笑笑を追わないで。ここで何してるの?」

祈年は、掴んだ雲舒の腕を乱暴にベッドの上に押し戻します。彼の瞳には、かつての優しさのかけらもありませんでした。

罪悪感からの施し?祈年の見え透いた優しさ

祈年は、雲舒の前に水の入ったコップを置くと、ポケットからアメを取り出して彼女に渡します。

「悪かった。さっきはお前が落ちたことに気づかなくて」

まるで、今までの冷たい態度の埋め合わせをするかのような、唐突な優しさでした。しかし、雲舒の心にはもう響きません。彼女はアメを一瞥すると、祈年の顔を冷ややかに見つめ返します。

(何のため?ムチを打って、すぐにアメか?)

彼女の心の声は、祈年の行動が罪悪感からくるただの「施し」であることを見抜いていました。雲舒の冷たい視線の意味を理解できず、祈年は困惑した表情を浮かべるばかりです。二人の心の距離は、もはや決して埋まることのないほど、遠く離れてしまっていました。

盗み聞きした衝撃の真実、仕組まれた落馬事故

場面は変わり、病院の待合室。ソファに座る7人の兄弟たちの会話を、雲舒は病室のドアの隙間から息を殺して聞いていました。そして、彼女は耳を疑うような言葉を耳にしてしまいます。

兄弟の一人である程軒(チョン・シュエン)が、苦々しい表情で言います。 「今回はさすがにやり過ぎだ」

それに、陸蕭(ルー・シャオ)が続けます。 「わざと雲舒のあぶみのベルトを切ったなんて。たとえ雲舒が笑笑に少しやり過ぎたとしても、だからってそんな事はできなしだろ」

落馬は、事故ではなかった。誰かが、故意に自分を殺そうとした。

衝撃の事実に、雲舒は思わず目を見開きます。さらに、彼女を絶望の淵に突き落とす声が聞こえてきました。頭を抱えながら、祈年がこう言ったのです。

「馬から落ちるのは、冗談じゃ済まないぞ。どうせ今はもう無事だ。ここ数日、俺は何でも言うことを聞いてやった。埋め合わせはした

全てがつながりました。シャオシャオの怒りを晴らすために、兄弟の誰かがベルトを切った。そして祈年は、その事実を知りながら隠蔽し、罪悪感から自分に優しくしていた。怪我を心配してのことなどでは、決してなかったのです。

(なるほど。笑笑の怒りを晴らすために、わざと私のベルトを切ったのね。この数日の優しさも、計算ミスの埋め合わせにすぎない。ケガを心配してのことじゃない)

雲舒は静かに病室のドアを閉めます。彼女の瞳からは完全に光が消え、絶望と、そして静かな怒りが入り混じった硬い表情に変わっていました。信じていた全ての人に裏切られた彼女は、この暗い病室で、たった一人、新たな決意を固めるのでした。

【砕かれた7つの約束】6話を読んだ感想(ネタバレあり)

いや、もう言葉になりません。第6話は、これまでのエピソードの中でも最も心がえぐられる回でした。落馬がただの事故ではなく、兄弟の誰かによる殺人未遂だったなんて、想像の斜め上を行く展開です。しかも、祈年がそれを知っていて隠蔽していたとは…。彼の行動は、もはや偽善や勘違いというレベルではありません。完全に共犯者です。

特に、待合室での兄弟たちの会話は鳥肌が立ちました。「埋め合わせはした」と言い放った祈年のセリフには、心の底から怒りがこみ上げてきます。雲舒がどんな想いで彼を信じてきたと思っているのでしょうか。

そんな絶望的な状況の中で、雲舒がシャオシャオに「お嬢様って呼びなさい」と言い放ったシーンは、唯一の救いでした。今までやられっぱなしだった彼女が、初めて自分のプライドと立場を武器に戦った瞬間は、見ていて少しだけ胸がすく思いがしました。

ただ、兄弟の中にも程軒や陸蕭のように、今回のやり方を「やり過ぎだ」と感じている人物がいることも分かりました。彼らが今後、雲舒の味方になる可能性はあるのでしょうか。

最後の、全てを悟って光の消えた瞳でドアを閉める雲舒の姿が、脳裏に焼き付いて離れません。これはもう、悲劇のヒリインの顔ではありませんでした。復讐の女神が、静かに覚醒した瞬間のように見えました。彼女がこの深い絶望からどう立ち上がり、裏切った者たちにどんな鉄槌を下すのか。次回の展開が気になって眠れそうにありません。

【砕かれた7つの約束】6話のネタバレまとめ

  • 落馬で入院した雲舒は、見舞いに来た祈年とシャオシャオの親密な様子を目の当たりにします。
  • 度重なる侮辱に、雲舒はシャオシャオに身分の違いを突きつけ、「お嬢様」と呼ぶよう毅然と命じました。
  • 祈年は罪悪感からか雲舒に優しさを見せますが、雲舒はその魂胆を冷静に見抜きます。
  • 雲舒は兄弟たちの会話を盗み聞きし、落馬が誰かの手によって仕組まれた故意の事故だったことを知ってしまいます。
  • さらに、祈年がその事実を知りながら隠蔽し、罪滅ぼしのために優しくしていたという残酷な真実を悟るのでした。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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